閉鎖病棟・上高地【小梨平ソロキャンプ2018】

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09:11
上高地バスターミナルにやってきた。

下界との結束点。3泊して、今また僕は下界に戻ろうとしている。

下界に戻れば、また「自分のふるまい」をどうしようか、といちいち悩むことになる。選択肢が多い、トゥーマッチな世界。それよりも、もっとこの地上の天国・上高地に留まってもよいのかもしれない。

若干の逡巡がないわけではない。でも、持ち込んだ本を3冊読み切ったし、今日は雨だし、明日も雨だ。やることはやりきって、逃げ切るには今がちょうど良いと判断した。きっとそれは間違っていない。

あえて「ここからが本番だ」とばかりに、やることもなく雨の中ぼんやりと過ごすのも一興だと思う。読む本がある段階でまだまだ「やらされてる感」に尻を叩かれていた。でも、真なる解放はここからで、無の境地でダラっと過ごすというのは人生でもそうあまりない経験かもしれない。

「早く帰りたい、帰らせてくれ」と思えるまで上高地に留まったほうが良かったかも・・・

そんな気持ちが、若干残る。でももう遅い。テントを畳んで荷造りをしちゃったから。今からまたテントを組み立て直す気にはなれない。

09:12
バスターミナルの建物の裏手に、「荷物預かり所」という窓口があることを初めて知った。

ザックをはじめとし、観光客の荷物をここで預かってくれるらしい。へえ。

登山の場合、ザックはそこらへんに転がしておくというのが結構当たり前だ。それは性善説に基づいた所作で、「誰も荷物を盗まないだろう」という前提がある。しかし最近じゃそういう前提が通用しなくなってきているので、心配な人はここで荷物を預けたほうがいいだろう。

僕はお金が勿体ないので、預けないけれど。

09:18
帰りのチケットを買いに、バスターミナルの窓口に向かう。

自動券売機があるけれど、券売機で売られているのは沢渡方面と平湯温泉方面行きのシャトルバスのチケットだ。つまり、マイカーでパークアンドライドする人用となる。

僕みたいに新島々に行く人は、バスの時刻指定のための整理券を受け取り、チケットを買うことになる。このため、有人窓口で買う必要がある。

JRの特急電車だって指定席券を売っているんだから、自動券売機で売れないはずはない。でも、そういうことに投資するよりも有人対応のほうが早くて安いのだろう。チケットを予約したあと、「すいませんチケットの時刻を変更したいんですけど」という人がいた場合、結局有人対応になるわけで。

新島々行きのバスは、このあと09:30、10:05、10:40となっている。さて、どの便に乗ろうか。

できるだけ遅いにこしたことはない。ここで慌てて下界に戻ったって、特に今晩東京で用事があるわけではないし。

09:21
改めて天気予報を見ると、どうも10時から雨が振り始めるようだった。予定よりも少し早まったな。

09:23
では、ということで10時40分の便を予約した。

新島々行きのバスは、10分前から整理券番号の点呼が始まる。整理券番号が若い順から呼び出しを受け、荷物を預けてバスに乗り込んでいくことになる。つまり、10時30分にはバスターミナルに戻っている必要がある。

あと1時間ちょっと。上高地最後の余韻を楽しむには十分な時間だ。

09:25
まさに9時30分発の新島々行きが現在点呼中。

この時間に乗るお客さんは、上高地界隈のホテルに泊まり、チェックアウトしてきた人なのだろう。大半が軽装だ。

09:33
残された時間、ざざっと朝風呂に浸かりに行く。

河童橋を渡り、梓川右岸へ。上高地アルペンホテルに向かう。

ここも朝風呂の日帰り入浴を受け入れている施設だ。

09:35
玄関脇に、何やらせり出した意味深な構造物がある。大きな窓がついていることからも、ここが大浴場っぽい。

玄関に、宿泊客専用の外出用スリッパが置いてあった。旅館ではないので、土足で部屋まで上がれるけれどわざわざスリッパがあるとは。

おそらく、屋内用のふかふかしたスリッパが別途各部屋に備わっていて、それから外出用に履き替える、ということなんだろう。

登山をやってきた人は、登山靴は乾燥室で脱いでくれ、ザックなども乾燥室に置いてくれ、と書いてある。ザックは風呂の脱衣場に置かれると邪魔だし汚れると困る。

ほー。

ここもロビーが広々としている。帝国ホテルのように二階まで吹き抜けになっていて、暖炉がある。

この宿は、1泊2食付きで2万円台半ば、という価格設定のようだ。当たり前だけどそれなりにお高い。

フロントで入浴料を払って、乾燥室に向かう。

ホテルに「乾燥室」なる部屋がある、というのはちょっと意外。スキー場があるならともかく。

とにかく、ここにザックを置いて、お風呂用品と貴重品だけを手に風呂に向かう。

乾燥室から客室が続く廊下を眺めたところ。

節があちこちにある木の柱が使われていて、和風と洋風が混じった印象の宿だ。ホテルっぽいような、旅館っぽいような。

遠くで「フィーン」と、掃除機をかける音がする。ああ、チェックアウト時間ならではの音だな、と懐かしく感じる。今回の僕の場合、この掃除機音に追い立てられての退去じゃないからとても気が楽だ。

大浴場。

こんな中途半端な時間に入浴する人なんているのか?と思ったけど、数名いた。どうやら下山してきた人のようだった。山終わりに風呂。ずいぶんさっぱりできると思う。いいね。

僕も、上高地最後の時間をここの浴室で過ごす。これで終わりだ。本当に、下界に戻る。

(つづく)

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