栄枯盛衰を温泉地で見た【鬼怒川温泉】

食事券

捕獲されたばかりの猛獣が檻の中をウロウロするように、室内を見て回った。

しばらくしてようやく落ち着いてきたので、今度は手元にある資料類を確認してみようと思う。

とにかく、いろいろチェックすべきことが多いなぁもう。

目の前にあるのは、チェックイン時に渡された夕食券と朝食券。部屋番号が書きこまれているのは、食事時間中に部屋の布団を上げ下げするためだろう。食事処にお客さんがやってきた時点で、「布団上げ下げ班」に「816号室に行け!」と指示を出すことができる。

夕食はチェックイン時に時間帯を選べたような気がする(記憶曖昧)。フロントの人と、「どの時間が混雑しているか」という会話をしたような・・・。確か、遅い時間の方が前のお客さんと時間が被るために混む、と言われた記憶がある。

それでも敢えて「ラスト21時」という遅い時間の食券を選んでいるのは、夕飯は遅ければ遅いほど良い、という考えが僕にはあるからだ。宿について贅沢なひと時だなあ、と思うのは、「チェックインから夕食までの間」だ。夕ご飯を食べちゃうと、部屋に戻ると布団が敷いてあるし、寝るモードへと切り替わっていく。これではワクワク感がしぼんでしまう。「まだまだこれからだ!」という高揚感を味わえる時間帯、というのは夕食を待ちわびる時こその特権。なので、夕食は遅くしてある。

ちなみに朝食は7時から9時の間。

お茶請け

卓上に置いてあるお茶請けは種類豊富で小躍りしたくなる。甘いものだけでなく、「ぴりり椎茸」という酒の肴になりそうなものまで置いてあった。贅沢だなあ。

何度も繰り返すが、一泊二食食べ放題付きで7,000円だぞ?

お茶

さすがにお茶はティーバッグだった。お茶っ葉ではない。

アメニティ

部屋に備え付けのアメニティには、バスタオルも含まれていた。

安宿にはバスタオルは付かないので、ここでもいい意味で裏切られた感がある。

お茶を飲む

丹前が変な柄なのはまあいとして、いったんお茶を飲んで落ち着こう。まだ吟味すべきことはいっぱい残っている。

館内案内1

巨大ホテルなので、館内探検をするだけでも大変そうだ。なにしろ、端から端まで水平移動するだけで何分かかることやら。

男性大浴場は「百花の館」地下にあるけど、露天風呂は「淡雪の館」にある。内風呂から露天へスルスルと移動することはできない。

館内案内2

こういう営業時間もチェックしておかないといかん。特に風呂は、「寝る前にひとっぷろ」と思っていると入りそびれてしまう場合があるので重要だ。宿によっては「21時で風呂は終了」なんていう悲しいところもあるので、メシ食ったらすぐに「本日のラスト風呂」に入らないといけないことがある。

館内案内3

ほらー。これが「巨大ホテル」ならではの設備だ。

売店があるのは当然として、クラブ、お夜食処なんてある。けしからんなー。館内探検しがいがありまくる。やめてくれないかな、温泉療養に来ているんだぞ僕は。ゲフンゲフン。

いや、咳き込むような体調ではないのだけど。

「大きな温泉宿に泊まれば、フラフラと外出することなく館内に留まり続けることになる。その結果、あれもこれもと心がザワつかず、ゆっくりとした時間が過ごせる」

・・・はずだったんだけど、こりゃダメだ。館内探検をする前からお手上げ。

館内案内4

「クラブ・カラオケ花園」と「お夜食 昭和レトロ 手塚」のメニューがあった。夕食がバイキング形式なのに、さらにお夜食を食べるってどういうシチュエーションなんだ?と思うが、酒飲みならばありえるのだろう。夕食時にお酒を飲んでいたら大して食べ物を口にしなかった、ということはよくある話だ。

お夜食屋はラーメン850円、おにぎり300円などをはじめとし、餃子やお新香、枝豆、軟骨唐揚げ・・・とメニューが続く。なんだ、酒の肴中心じゃないか。「シメの夜食といいつつ、ダメ押しで飲む」ためのお店らしい。

ここは「悪ふざけ」として、僕もお夜食を食べるのはアリだ。バイキングで「大人気ない食べっぷり」をしたあと、さらにお夜食。しかも酒を飲まないくせにたこわさとか頼んじゃう。

・・・お金の無駄だ、やめとけ。

お茶請けを食べる

とりあえずはやる気持ちをおさえて、お茶請けをいただく。

早く食べないと、バイキングの時間が迫ってきちゃう。・・・何ときめいてるんだよ、41歳のオッサンなのに。

アプリがあるらしい

卓上にあった、「大江戸温泉物語グループ いいふろ会員アプリ」の案内。へー、こんなものも出しているのか。最近はなんでもスマホアプリになるのだな。

アプリ画面1

「大江戸温泉物語グループ」に属しているホテルの一覧をみてみたが、かなりの数があってびびった。いつの間にこんなに増殖したんだ!?

アプリ画面2

このアプリ、暇つぶし用に漫画の立ち読みサービスもあった。弱虫ペダルのような人気の漫画もある。単に自社PRとクーポン提供くらいじゃ、利用者はアプリを立ち上げてくれないということをよくわかっている。なので漫画を用意するというのがダイナミックだ。こんなサービス、1ホテルでは無理だ。さすが巨大資本。

アプリ画面3

「次回宿泊時にご利用できます」という、「次回っていつだよオイ!」というものではなく、今まさに使えるクーポンなのがありがたい。家族旅行や友達との旅行ならば、利用価値はありそうだ。僕?いや、僕はひとり旅なのでさすがにちょっと。おとなしく風呂と部屋の往復を繰り返します。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして
    コメントをさせて頂きます。
    記事に紹介されていた鬼怒川温泉の御苑で勤めていた者です。私が勤めていた頃はバブルの終わりの頃でした。
    平成4年頃~6、7年まで鬼怒川温泉のホテルの寮を借りて仕事をしていました。
    非常に懐かしいですね…御苑…本当に広いホテルで、今で言うダンジョンの様な(笑)新宿駅ほどではないですが、
    私は当時、宿泊されるお客様を部屋まで案内する仕事(フロント受付から客室案内係や繁忙期には仲居さんの
    サポートまで幅広く?仕事をしておりました。)をしていて、一度、お客様を部屋まで案内するのですが、フロントまで戻るには非常に時間が掛かっておりました。年末年始の忘年会や新年会や夏休み、冬休みなどとにかく休みを利用して来るお客様もたくさん来ていました。

    とにかく一番大変だったのは年末の忘年会シーズンですね、もう何百名との団体のお客様がどっと来るので、部屋までの案内も大変なことはさる事ながら、宴会も賑わい…もうお酒をたくさん召し上がるお客様も多かったので仲居さんだけでは、対応しきれずよくサポートにも駆り出されました。写真を拝見させて頂いてあの頃は…とつい懐かしんでしまいました、貴重な掲載して頂き写真をありがとうございました。

    今じゃ鬼怒川温泉も廃墟マニアには堪らない様な感じになってしまった様ですね、本当に懐かしい…。御苑は隠し部屋がたくさんありましたよ(笑)

  • はやぶささん>
    貴重な体験談、お聞かせいただきありがとうございます。往年の賑わいを実際に体験した方から聞けたことがとても嬉しいです。

    あの崖にへばりつくような建物、そして増改築を繰り返して巨大化した建物ははやぶささんが仰るような桁違いに大勢のお客さんがいらっしゃったたまものだと思います。炭鉱跡や金山跡が文化遺産として保存されているように、御苑のような超巨大ホテルはなんとか今後も経営が続いてほしいものです。団体旅行が減ってきてからまだそんなに時間が経っていませんが、すでに文化遺産的な珍しさと驚きに満ちた建物だと思います。

    御苑の前にある「ふれあい橋」、やたらと立派なんですがなぜあんな立派な橋があるのか、とても不思議です。

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