栄枯盛衰を温泉地で見た【鬼怒川温泉】

温泉まんじゅう屋

10:01
鬼怒川温泉駅へと向かって歩く。

昨日とは違うルートを歩いているので、また違った景色が目の前に広がる。幸い今日はお天気が良いし、明るいというのも好印象だ。やっぱり、曇天で薄暗く、なおかつ寒い時だと街全体の印象が悪くなってしまう。

道中、温泉まんじゅうを売るお店があった。

栗まんじゅうが200円のところ140円、普通のまんじゅうは100円のところが70円。それぞれ3割引だ。どうした、やけくそになったか?本日限りのセールというわけではなさそうだ。

「どうせ中国産の安い素材なんでしょう?」と思ったが、そう思われることを見越して、お店はちゃんと「地元の栗を使っております」と書いてあった。さすがだ。

とはいえ、安いなあもう。こんなの、100個売れたって儲けは知れているだろうに。心配になってしまう。心配になってあれこれ「背景」を考えているうちに素通りしてしまった。今思うと、折角だからまんじゅうを買っていけば良かった。単に「100円のところを本日限りで90円」と謳っていた方が、「ほう!それなら買おう!」って衝動買いしたと思う。70円というのはインパクトがありすぎだ。

自販機

何の変哲もない自販機だと思ったら、いろいろネタものが仕込まれてあった。

チョコ菓子のキットカットから始まって、柿の種、ナッツ、焼きりんご、おでん、みそラーメン、しょうゆラーメン、つゆだくもつ煮込み、肉じゃが、とん汁、筑前煮。

素泊まりでホテルに一泊する貧乏学生さん向けだろうか?それとも、観光地で浮かれている人向けに、ネタを提供して衝動買いさせる作戦か?

秋葉原にこういう自販機があったら、人気が出たはずだ。しかし、鬼怒川温泉にこれがあっても果たして売れるのかどうか。実際僕は、「珍しいもの見つけた!」と写真を撮るだけ撮って、それでおしまいだった。朝ご飯を食べた直後だし、「お土産」としてでも欲しいとは思わなかった。いかんなー、地元経済に貢献してないなー。

鬼怒川温泉駅

10:08
鬼怒川温泉駅に到着。

それにしても広い駅前広場だ。昔からこんなに広かったのだろうか?イベントをやることを前提にしているのだろうが、それにしても無駄に広く感じる。

足湯に浸かる

電車が来るまでしばらく時間があるので、足湯に浸かってみる。昨日はこの足湯を利用していなかったので、今日浸かることで「コンプリートしてやったぜ感」に満ちあふれる。

足元

まあ、お湯そのものは普通なんですけどね。

そういえば、白濁してにおい立つような温泉の足湯って、今まで一度も利用したことがない。きっとどこかにあるのだろうけど、たまたま僕には経験がない。恐らく、そんなお湯が沸く温泉地は、足湯なんかよりも共同浴場が充実しているのかもしれない。

鉄道むすめ

10:12
憶測はさておき、「足湯に浸かった」という実績をこしらえた後はとっとと駅に向かう。

駅には、「鉄道むすめ」がバーンと描かれた鬼怒川温泉オリジナル自販機が鎮座していた。すごいな、日本始まってるな。萌えの世界と鉄道の世界というのは似て非なるものだけど、ファン層が一部重複するというのはなんとなくわかる。その両方に訴求する自販機。しかし、インパクトがなんと強いことか。

鬼怒川温泉駅

鬼怒川温泉駅改札。浅草行きの特急があと数分で出発するようだが、それには乗らない。その後に出発する、東武日光行きに乗る予定だ。鬼怒川と日光って直通列車はないものだと思っていたが、時々走っているらしい。途中、下今市駅でスイッチバックするようだ。

青い特急スペーシア

どん詰まりの線路になっている1番線に、青い浅草行き特急が停車している。鬼怒川温泉始発らしい。そしてその隣の2番線には、既に僕が乗る予定の東武日光行き列車が停車していた。

赤い列車だ。昨日見かけた、「会津マウントエクスプレス」らしい。ラッキー。

赤い電車

で、その会津マウントエクスプレスですよもう。

会津・日光

ほへー。「会津・日光」というゲートがお出迎え。有料特急列車ではなく、普通の快速でこの面持ちというのはとても得した気分。

立派な座席

座席も、ロングシートではなく転換クロスシート。席と席の間がやや狭いが、特急料金を取るわけでもないのだからこれで十分。

座席2

一人掛けの席もある。さすがに新幹線のように車両の幅が広くないので、乗降口近くはこういう変則的な座席になる。しかし僕のような一人旅にとっては、むしろここが特等席に見える。

路線図

路線図の紹介は、鬼怒川温泉から始まって喜多方まで。遠いと思っていた福島県も視野に入ってくる。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして
    コメントをさせて頂きます。
    記事に紹介されていた鬼怒川温泉の御苑で勤めていた者です。私が勤めていた頃はバブルの終わりの頃でした。
    平成4年頃~6、7年まで鬼怒川温泉のホテルの寮を借りて仕事をしていました。
    非常に懐かしいですね…御苑…本当に広いホテルで、今で言うダンジョンの様な(笑)新宿駅ほどではないですが、
    私は当時、宿泊されるお客様を部屋まで案内する仕事(フロント受付から客室案内係や繁忙期には仲居さんの
    サポートまで幅広く?仕事をしておりました。)をしていて、一度、お客様を部屋まで案内するのですが、フロントまで戻るには非常に時間が掛かっておりました。年末年始の忘年会や新年会や夏休み、冬休みなどとにかく休みを利用して来るお客様もたくさん来ていました。

    とにかく一番大変だったのは年末の忘年会シーズンですね、もう何百名との団体のお客様がどっと来るので、部屋までの案内も大変なことはさる事ながら、宴会も賑わい…もうお酒をたくさん召し上がるお客様も多かったので仲居さんだけでは、対応しきれずよくサポートにも駆り出されました。写真を拝見させて頂いてあの頃は…とつい懐かしんでしまいました、貴重な掲載して頂き写真をありがとうございました。

    今じゃ鬼怒川温泉も廃墟マニアには堪らない様な感じになってしまった様ですね、本当に懐かしい…。御苑は隠し部屋がたくさんありましたよ(笑)

  • はやぶささん>
    貴重な体験談、お聞かせいただきありがとうございます。往年の賑わいを実際に体験した方から聞けたことがとても嬉しいです。

    あの崖にへばりつくような建物、そして増改築を繰り返して巨大化した建物ははやぶささんが仰るような桁違いに大勢のお客さんがいらっしゃったたまものだと思います。炭鉱跡や金山跡が文化遺産として保存されているように、御苑のような超巨大ホテルはなんとか今後も経営が続いてほしいものです。団体旅行が減ってきてからまだそんなに時間が経っていませんが、すでに文化遺産的な珍しさと驚きに満ちた建物だと思います。

    御苑の前にある「ふれあい橋」、やたらと立派なんですがなぜあんな立派な橋があるのか、とても不思議です。

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