栄枯盛衰を温泉地で見た【鬼怒川温泉】

カフェ

13:48
こちらの建物は「日光珈琲」。日光市内に何店舗かあるお店の、御用邸通り店だ。古い民家をリノベーションして、すっかりイイカンジのお店に生まれ変わっている。観光客がドヤドヤと訪れる場所ではないかもしれないが、こういう古民家カフェは隠れ家的で人気があると思う。折角日光に来たのだから、お茶を飲むにしてもこういう場所でいただきたいものだ。

というわけで僕もここいらで一息ついてみることにした。

旅先でカフェに入って一服、なんて僕のガラではない。僕は、息つく暇なく次から次へと移動していく性分だからだ。しかし、こうやってマイペースひとり旅をやっていると、「休憩」という時間も旅には大事なのではないか?ということに気づかされる。

そういえば昨日も、足湯カフェでコーヒーを飲んでいたな。そして今日もカフェ。ちょっと僕の行動様式が変わってきたのかもしれない。これまでのセカセカした過ごし方が変わってきているなら、それは嬉しいことだ。

・・・と思ったが、はっと気が付いた。「いや、単にカフェインが欲しいだけなんじゃないか?」と。そうかもしれん。

カフェ店内

日光珈琲店内。

和の家なのに開放感ある作りで、こういうのがむしろおしゃれに感じる。かなり大規模に壁をぶち抜いたんだな。ほとんど吹き抜けになっていて、柱だけがあちこちに立っている。

キッチンでは若い店員さんがコーヒーをドリップしており、ああ、こういうところでも若い人が頑張っているんだなと感心させられる。若い人が古い建物や文化を新しく変えていく。いい光景だ。

ってお前誰だよ。

「若くもないし、ジジイでもない」という中途半端なオッサン世代なので、こういう立ち位置になる。

カフェ天井

頭上は、屋根まで吹き抜けになっていた。こりゃ大胆な。

もともと二階部分があったのに、そのほとんどをなくしてしまっていた。「二階を倉庫にしよう」とか「二階は従業員宿舎にしよう」、「いや、大人数でも貸切ができる個室に」「それよりもギャラリーを」とかいろいろ案があっただろうけど、欲張らずに壊しちゃった。潔いったらありゃしない。なかなかマネできるもんじゃない。

コーヒー

コーヒーは税別550円。ブレンドものからシングルオリジンまで何種類もある。気をてらった珍しい豆は特にない。

今回は店名を冠した「日光珈琲オリジナルブレンド」を頂くことにした。他のブレンドコーヒーは、「男体山ブレンド」「女峰山ブレンド」など、地元の地名が付けられているのが面白い。

カフェ客席

お客さんはそこそこいる。若い人が多いようだ。

やはりこういうカフェに集う人はそれなりの人種で、「ああ、こういうところにMacBook持ち込んでカチャカチャやったらサマになるんだろうな」と思ったら、そのまんまMacBookを使っている人がいた。他には、「うーん」と思案しながら、メモ帳に何かを書き込んでいる女性とか。

金谷ホテルベーカリー

14:25
駅に戻っていく。バスに乗ってもいいかなーと思ったけど、やっぱり歩く。

途中、金谷ホテルベーカリーのお店があったので立ち寄ってみたが、午後ということもあってかお目当てのパンは売られていなかった。人気商品は早々に品切れになってしまうらしい。しまった、当てが外れた。

メニュー

神橋庵、という蕎麦屋の店頭にあったメニュー。

外国人観光客を意識して、ここでもローマ字でメニューが書いてあった。ローマ字なので、食べ物そのものの解説にはなっていない。「Kamonanban Soba」といわれても、外国の人はなんのこっちゃよくわからないと思う。「Sansai Soba」なんて、なんて説明すればよいのやら?まさか、「ワイルドベジタブル」で通じるとは思えないし、もしそれで意味が通じたとしても「雑草?」と勘違いされそうだ。

お店

Oriental Fine Art & Coinsのお店。

ここは完全に外国人観光客にロックオンしたのか、日本語看板がない。オリエンタルファインアートって一体何を売っているのだろう?日光だけに仏像とか?

お店

14:43
東武日光駅前に戻ってきた。

まだ電車まで余裕がある。

いや、わざと余裕がある時間にここまで戻ってきたのだ。というのも、東武日光駅の真向かいに、「さかえや」というお店があるからだ。ここは、「揚げゆばまんじゅう」なるものが売られているという。

折角日光に来たのだから、湯波にまみれて溺れたい、と思っている。それは先ほど「油源」でゆばづくしのお昼ご飯を食べた後も変わらない気持ちだ。

揚げ饅頭

店頭で、熱々の揚げゆばまんじゅうを購入。揚げたものが、せいろに入れられて暖められていた。一個200円だったと思う。

揚げゆばまんじゅう中身

中にはあんこが詰まっている。あんこを湯波でくるんで、それを油で揚げたというものだろうか。

うん、うまいうまい。あんまり「湯波」を食べている感はないけど、旅の思い出も兼ねて食べて損はない一品。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして
    コメントをさせて頂きます。
    記事に紹介されていた鬼怒川温泉の御苑で勤めていた者です。私が勤めていた頃はバブルの終わりの頃でした。
    平成4年頃~6、7年まで鬼怒川温泉のホテルの寮を借りて仕事をしていました。
    非常に懐かしいですね…御苑…本当に広いホテルで、今で言うダンジョンの様な(笑)新宿駅ほどではないですが、
    私は当時、宿泊されるお客様を部屋まで案内する仕事(フロント受付から客室案内係や繁忙期には仲居さんの
    サポートまで幅広く?仕事をしておりました。)をしていて、一度、お客様を部屋まで案内するのですが、フロントまで戻るには非常に時間が掛かっておりました。年末年始の忘年会や新年会や夏休み、冬休みなどとにかく休みを利用して来るお客様もたくさん来ていました。

    とにかく一番大変だったのは年末の忘年会シーズンですね、もう何百名との団体のお客様がどっと来るので、部屋までの案内も大変なことはさる事ながら、宴会も賑わい…もうお酒をたくさん召し上がるお客様も多かったので仲居さんだけでは、対応しきれずよくサポートにも駆り出されました。写真を拝見させて頂いてあの頃は…とつい懐かしんでしまいました、貴重な掲載して頂き写真をありがとうございました。

    今じゃ鬼怒川温泉も廃墟マニアには堪らない様な感じになってしまった様ですね、本当に懐かしい…。御苑は隠し部屋がたくさんありましたよ(笑)

  • はやぶささん>
    貴重な体験談、お聞かせいただきありがとうございます。往年の賑わいを実際に体験した方から聞けたことがとても嬉しいです。

    あの崖にへばりつくような建物、そして増改築を繰り返して巨大化した建物ははやぶささんが仰るような桁違いに大勢のお客さんがいらっしゃったたまものだと思います。炭鉱跡や金山跡が文化遺産として保存されているように、御苑のような超巨大ホテルはなんとか今後も経営が続いてほしいものです。団体旅行が減ってきてからまだそんなに時間が経っていませんが、すでに文化遺産的な珍しさと驚きに満ちた建物だと思います。

    御苑の前にある「ふれあい橋」、やたらと立派なんですがなぜあんな立派な橋があるのか、とても不思議です。

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