14:46
東武日光駅。三角屋根が特徴的。
大きな都市の駅は、大抵駅ビルになっちゃって、四角いったらありゃしない。しかしどうだ、コイツぁとんがってるぜ!「わっ、三角になってるから空間がもったいない!」と思わず感じてしまうが、そういう発想は効率重視の無味乾燥な発想だ。「ドーナツで一番美味しいのは穴の部分」という考え方同様、「この三角形になったために生じた空間こそ、建物の真髄」と思ってその外観を愛でようじゃないか。
東武日光駅のすぐ近くにも金谷ホテルベーカリーがあった。先ほど買いそびれたパンが売っていないか、再度突撃してみる。
店に入るまでもなく、店内には既に食パンしか残っていないのが見て取れた。諦めてUターン。食パンも食べてみたいけど、今回は別のものが食べたかったんだよ。
14:49
東武日光駅構内。
売店と、「ザ・金谷テラス」という喫茶店が入っている。さすが観光地の売店だけあって、結構広いし売っているものが充実。
しかし、2月の平日ともなれば、客はまばらだ。
お弁当がたくさん売られている。そして、冷蔵ケースにはビールをはじめとするお酒がずらり。浅草方面に向かう中長距離客が多いだろうから、お酒がよく売れるのだろう。団体旅行が沈静化した今でも、「長い電車旅には酒がお供」という文化は変わらないらしい。
これだけの品揃えだけど、ノンアルコールビールはアサヒ・ドライゼロ350mlが一種類だけ。ノンアルコールビールはあまり売れていないらしい。この手の売り場では常にそうだけど、ノンアルコールビールの500mlって大抵売られていない。「ノンアルコールでもガツンと飲みたい!」と願う人はあまりいないのだろう。所詮酔ってナンボのビールなので、「ビール風味」の飲み物はあんまり受けないんだろうか?
14:52
自動改札をくぐって、さあ気持ちは東京へ。一泊二日の旅はもうそろそろ終わり。
下今市行きの普通電車に乗る。途中、「上今市駅」しかない、2駅だけの路線。
東武日光から浅草に直通する電車はあるものの、便数がさほど多くはない。そのため、今回の僕がそうであるように、いったん2駅先の下今市まで行き、そこで鬼怒川温泉からやってきた特急列車に乗り継ぐという形をとる場合もある。
ちなみに「2駅しかない路線」といってもバカにしちゃいけない。平日朝には「特急」が走るんだぞ?東武日光発下今市行き特急。途中1駅だけ通過。それでも名称は「特急」だ。さすがにこれを特急と名乗るには大げさと思ったらしく、無料特急という位置づけになっている。特急料金は不要。
憧れの特急。でも、出発してから7分で終着駅の下今市駅に到着してしまうという切なさよ。
こちらは各駅停車の社内。ボックスシートで、ローカル路線ぽくていい。
14:56
離れ行く日光を遠い目で見る。
・・・という写真を撮る。やらしいなあ、我ながら。
15:05
下今市駅で鬼怒川からのスペーシアと接続。
15:11
車窓に、東武日光駅の売店で買った「レモン入り牛乳」を置きつつ今回の旅を振り返る。
徒歩ばかりだったとはいえ観光が多かったし、宿も実質観光地のようなものだった。ちょっと俗にまみれた温泉療養で、本当に療養になったかというと相当怪しい。ストイックさがすっかり消えうせ、俗と快楽にまみれてしまった気がする。
そんな性格がエスカレートすると、むしろ自分自身に疲れてしまう。適度に手を抜き、気を抜き、時を過ごすという癖をなんとかして身につけないといけない。
今後は、これまでのように「平日中にドカーンと休んでのうのうと温泉」なんてできなくなる。温泉には継続して通いたいけど、できたとしても週末だ。気持ちがザワザワしないように気をつけたいところ。
とりあえず、家の近所のスーパー銭湯や健康ランドを開拓するところから始めようかな。遠くに行かなくても、十分にくつろげる場所かもしれないし。
コメント
コメント一覧 (2件)
初めまして
コメントをさせて頂きます。
記事に紹介されていた鬼怒川温泉の御苑で勤めていた者です。私が勤めていた頃はバブルの終わりの頃でした。
平成4年頃~6、7年まで鬼怒川温泉のホテルの寮を借りて仕事をしていました。
非常に懐かしいですね…御苑…本当に広いホテルで、今で言うダンジョンの様な(笑)新宿駅ほどではないですが、
私は当時、宿泊されるお客様を部屋まで案内する仕事(フロント受付から客室案内係や繁忙期には仲居さんの
サポートまで幅広く?仕事をしておりました。)をしていて、一度、お客様を部屋まで案内するのですが、フロントまで戻るには非常に時間が掛かっておりました。年末年始の忘年会や新年会や夏休み、冬休みなどとにかく休みを利用して来るお客様もたくさん来ていました。
とにかく一番大変だったのは年末の忘年会シーズンですね、もう何百名との団体のお客様がどっと来るので、部屋までの案内も大変なことはさる事ながら、宴会も賑わい…もうお酒をたくさん召し上がるお客様も多かったので仲居さんだけでは、対応しきれずよくサポートにも駆り出されました。写真を拝見させて頂いてあの頃は…とつい懐かしんでしまいました、貴重な掲載して頂き写真をありがとうございました。
今じゃ鬼怒川温泉も廃墟マニアには堪らない様な感じになってしまった様ですね、本当に懐かしい…。御苑は隠し部屋がたくさんありましたよ(笑)
はやぶささん>
貴重な体験談、お聞かせいただきありがとうございます。往年の賑わいを実際に体験した方から聞けたことがとても嬉しいです。
あの崖にへばりつくような建物、そして増改築を繰り返して巨大化した建物ははやぶささんが仰るような桁違いに大勢のお客さんがいらっしゃったたまものだと思います。炭鉱跡や金山跡が文化遺産として保存されているように、御苑のような超巨大ホテルはなんとか今後も経営が続いてほしいものです。団体旅行が減ってきてからまだそんなに時間が経っていませんが、すでに文化遺産的な珍しさと驚きに満ちた建物だと思います。
御苑の前にある「ふれあい橋」、やたらと立派なんですがなぜあんな立派な橋があるのか、とても不思議です。