栄枯盛衰を温泉地で見た【鬼怒川温泉】

朝食会場1

08:05
朝ごはんを食べに会場へ向かう。

「宿の朝ごはんって、おいしいからついつい食べ過ぎちゃう♪」

という話はよく聞く。僕も実際にそうだ。しかし、夕ごはんの時ほどのテンションはない。夕ご飯がワクワクのピークであり、そこで全力を尽くして食べた以上、朝ごはんは消化試合だからだ。食べ物だけに消化。いや、誰がうまいことを言えと。

とはいえ、「原則、並んでいる料理は全部取る。」というスタンスは昨晩と一緒で、その点は一切のブレがない。

ここでガッツリ食べておけば、昼飯を抜いても大丈夫!なんてケチくさいことは考えていない。安心しろ、昼は昼でガッツリ食べる。ただ僕は目の前の食材に全身全霊、誠意を持ってぶつかりたいんだ。

なんで料理にぶつからないといけないんだか、よくわからないけど。

朝食会場2

並ぶ朝ごはんたち。

毎度不思議なのだが、こういう宿メシで食べるソーセージって、なんだか美味しく感じるんだよな。原価のことを考えたら安物を使っているはずなのに。テンションが上がって、なんでも美味しく感じるのだろうか?しかし、半熟のまま固まらない不思議なスクランブルエッグ、お前はダメだ。あんまりうまくない。ビジネスホテルの朝食でよく見かける。

そういえば牛乳も宿メシのときは濃厚で美味しく感じるんだよなぁ。あの、「グルグルかき混ぜられている」状態が美味しさの秘訣なのだろうか?と真剣に考えてしまう。たぶん、気のせいなんだと思うけど。

朝食1

朝ごはん。

もう面倒だから、食べ始める前に欲しい料理を全部持ってきたった。

朝食2

料理1。

和の装い。

朝食3

料理2。

まさか朝から味噌ラーメンを食べることになるとは。

朝食4

料理3。

ソーセージやベーコンといった洋食も混じっているけど、その横には栃木のご当地料理「しもつかれ」があるあたりゴチャゴチャだ。シュウマイもあるし。

窓を眺める

09:05
食後、身支度して最後の鬼怒川の景色を見下ろす。仁王立ちでえらそうだが、許せ鬼怒川。

今度またこの地に宿泊することはあるだろうか?

今回の宿「鬼怒川御苑」にはメシ・部屋ともに大満足だったが、肝心の温泉で満足度が低く、大いに足を引っ張っている印象だ。ひとり旅、特に僕のような人の旅はメシよりも施設よりも温泉の方が大事だ。メシなんて都心でも食べられるんだから。

「大型ホテルで安くワーッと盛り上がろうぜ!」という趣旨ならば、鬼怒川温泉は交通の便が良いし宿の値段は手ごろ。悪くない。そういう気の置けない相手がいるならば、利用価値はある。しかし、本当に良い時間をしっとりと過ごしたいなら、やっぱり選択肢としては選びづらい。不便だしお値段は高くなるが、草津温泉に行ったほうが満足度は高い。

帰りの便確保

今日これからの予定としては、ざっくりと日光界隈を歩くつもりだ。平日だし、帰りが満席で座れないということはないはずだが、こうやって便を決めてしまおう。そのほうが、「あれも、これも」ときりがなくなることがない。

レシート

09:50
時間ギリギリまで部屋で過ごすチキンレース開催。

さあ頃合いもよろしかろう、ということで10時ちょい前にチェックアウトした。

お会計は7,150円。あらためて安さにびっくりする。あれだけ食べて、あれだけの綺麗で広い部屋でこの値段。すごいったらありゃしない。そのおかげもあって、平日にもかかわらずホテル内はお客さんでいっぱいだった。商売がうまいと思う。

7,000円は既にネット予約時にクレジットカードで決裁していたので、フロントで150円だけ支払った。これは入湯税だ。なんだか、150円のみで宿に泊まったようでワクワクする。単なる錯覚だけど。

宿外観

09:53
お世話になったホテルを振り返る。

「温泉療養シリーズ」最後にこんなにウロウロしてしまったのは不本意だったが、それだけ体調が良くなってきた証ととらえたい。たぶん、シリーズ第一回目の頃にこんな宿に泊まったら、「全部のフロア、全部の廊下を隅々まで見ないと気が済まない」と強迫観念に押しつぶされそうになったと思う。それが今では、しれっと館内探検レベルで留まっている。

廃墟

09:56
有料のシャトルバスで駅に向かう気はないので、のんびり歩いていく。さすがに2月末、春は少しずつ近くなってきている。太陽が照ると、少しは温かい。

やわらかな日差しのもと、目の前に見えるのは・・・ああ、これも廃墟か?・・・いや待て、これはまだ営業中か?

この宿には申し訳ないけど、「建物を見たら廃墟と思え」という悪い癖ができつつある。それが鬼怒川。

駐車場

09:59
鬼怒川御苑の駐車場はあちこちに分散しているようだった。「第○駐車場」などと看板に書いてある。結構ホテルからは距離がある。

あれだけ大きなホテルをおっ立てたんだから、ホテル脇にでも敷地を確保して、駐車場整備をすればいいのに・・・と思うが、そうなっていない。おそらく昔は団体旅行が当たり前なので、観光バスとか公共交通機関での移動が主体だったのだろう。マイカーでやってくる、という発想が欠落していたに違いない。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして
    コメントをさせて頂きます。
    記事に紹介されていた鬼怒川温泉の御苑で勤めていた者です。私が勤めていた頃はバブルの終わりの頃でした。
    平成4年頃~6、7年まで鬼怒川温泉のホテルの寮を借りて仕事をしていました。
    非常に懐かしいですね…御苑…本当に広いホテルで、今で言うダンジョンの様な(笑)新宿駅ほどではないですが、
    私は当時、宿泊されるお客様を部屋まで案内する仕事(フロント受付から客室案内係や繁忙期には仲居さんの
    サポートまで幅広く?仕事をしておりました。)をしていて、一度、お客様を部屋まで案内するのですが、フロントまで戻るには非常に時間が掛かっておりました。年末年始の忘年会や新年会や夏休み、冬休みなどとにかく休みを利用して来るお客様もたくさん来ていました。

    とにかく一番大変だったのは年末の忘年会シーズンですね、もう何百名との団体のお客様がどっと来るので、部屋までの案内も大変なことはさる事ながら、宴会も賑わい…もうお酒をたくさん召し上がるお客様も多かったので仲居さんだけでは、対応しきれずよくサポートにも駆り出されました。写真を拝見させて頂いてあの頃は…とつい懐かしんでしまいました、貴重な掲載して頂き写真をありがとうございました。

    今じゃ鬼怒川温泉も廃墟マニアには堪らない様な感じになってしまった様ですね、本当に懐かしい…。御苑は隠し部屋がたくさんありましたよ(笑)

  • はやぶささん>
    貴重な体験談、お聞かせいただきありがとうございます。往年の賑わいを実際に体験した方から聞けたことがとても嬉しいです。

    あの崖にへばりつくような建物、そして増改築を繰り返して巨大化した建物ははやぶささんが仰るような桁違いに大勢のお客さんがいらっしゃったたまものだと思います。炭鉱跡や金山跡が文化遺産として保存されているように、御苑のような超巨大ホテルはなんとか今後も経営が続いてほしいものです。団体旅行が減ってきてからまだそんなに時間が経っていませんが、すでに文化遺産的な珍しさと驚きに満ちた建物だと思います。

    御苑の前にある「ふれあい橋」、やたらと立派なんですがなぜあんな立派な橋があるのか、とても不思議です。

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