2015年02月17日(火) 2日目
07:09
2日目の朝を迎えた。朝7時起床。温泉に入った後の睡眠はいつもとても快適だ。ぐったぐたに疲れ果ててから寝るからだ。熟睡感がしっかりと得られ、目覚めが良い。さんざん宴会をやってからの朝だと、顔がむくんだり体がだるかったりするのだろうが、お酒を飲まない限りは爽快感しかない。
目覚ましをセットせずに朝寝を心置きなくしてもよい。でもいつもよりも早起きの7時に起床しているのは、「やはぎ」での朝ごはんが7時半から、となっているからだ。自炊でもない、物分りの良い家族でもない、「お店」が用意する朝ごはん。遅刻は許されないし、自分の勝手な都合は通用しない。「メシの前に朝風呂」となると、当然のごとく7時起きということになるのだった。
今日はまず、まだ未訪問の「菊水館」に行ってみようと思う。そこに南部の湯、というお風呂があるからだ。
曲がり橋を使って川を渡らないといけないので、いったんスリッパを脱いでサンダルに履き替える必要がある。
サンダルにはきかえたところ。寒冷地仕様なのか、作りがしっかりしている。雪があるところに足を踏み込んでも、つま先が冷えるようなことがない。
屋外を歩くことになって寒いけど、これくらいなら平気。
曲がり橋を渡る。
雪が降るつど、ここを雪かきしないといけないので宿の人は大変だ。客がスリップして怪我でもしたら大変だ。外の道路だったら「お客様の不注意」とも言えるが、さすがにこの橋の上でのスリップじゃあ、たとえ不注意であっても管理者責任を問われてしまう。
そんなわけで、橋の上には滑り止め用のパネル式人工芝が取り付けてあった。
いざ橋の上に立ってみると、確かに橋が曲がっている。なんだこの作りは。中国や台湾に、稲妻型のガタガタした橋があるのを見たことがあるが、それとは趣もコンセプトも違うようだ。「あっ、間違った方向に作っちゃった」ということで途中で方針転換した、というのがきっかけではないか?というような唐突感だ。きっかけはともかくそれが今では名物になっているのだから面白い。
解説パネルが橋のたもとにあって、それによると地元のスーパースター・宮沢賢治もこの曲がり橋で記念撮影を撮ったらしい。ということはかなり歴史がある橋、ということになる。
橋の奥に見えるのが菊水館。
曲がり橋の途中から振り向いて、豊沢川上流と自炊部を眺めたところ。
自炊部といっても、木造の建物と白いコンクリートの建物があることがわかる。白いコンクリートの建物のところに薬師の湯がある。
豊沢川下流に目を向けると、川岸に大沢の湯が見えた。
写真は、大沢の湯に誰もいないタイミングで後ほど撮影したもの。人がいた場合、本当に丸見えだった。ここまで「風呂の外を行き来する人に丸見え」な風呂、あとにも先にも見たことがない。
ちなみにこの大沢の湯のすぐ左側が僕の部屋だが、写真には写っていない。これもまた丸見え。部屋の障子、絶対に開けられん。障子を開けた瞬間に、「痴漢!覗き!」と訴えられる。
菊水館の隅っこに水車があった。
川から随分高い場所にあるので、この水車が現役で動くのかどうかは不明。昔使っていたものを移設したものだと思われる。
そういえば、「やはぎ」の名物として「水車そば」というメニューがあったな。水車と大沢温泉というのはゆかりが深いようだ。気になったので調べてみたら、昔の大沢温泉は水車で源泉を汲み上げていたらしい。で、その水車を幼少期の宮沢賢治がいたずらして止めたので、湯が止まって騒動になったとかなんとか。
なるほどそういう逸話があったのか。
菊水館。
横に長い、萱葺きの建物。これもなかなか年期が入った木造建築物だ。
菊水館本館ともいえる建物とは別に、宿泊棟の位置づけになる建物が横に伸びている。平屋建て。
こちらが、南部の湯がある菊水館のメイン建物。
窓の外から部屋が見える。ガラス張りで、部屋の中がよく見える。どうやらもともと、自炊部同様に外廊下だったらしいが、後に外廊下に間仕切りを作って、各部屋ごとの窓際としたようだ。
こりゃー、がんがん部屋の中でストーブを焚かないと、外から冷気がグイグイ入ってくる。夏は窓を開放して快適かもしれないけど、網戸がないから虫も入ってくる。なかなか大変そうな部屋だ。
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