15:26
大沢温泉滞在がすっかりかすんでしまいそうだ。本気で、岩手県から撤退しよう。
盛岡駅に向けて歩いていく。
道路の青看板に、盛岡駅の表示がある。新幹線のアイコン付きだ。あ、この新幹線、東北新幹線開業当時に走っていた200系だ。しっかり除雪用のスノーブラウが描かれている。
15:31
盛岡駅駅前に到着。今更ながら、駅前の景色を眺めて「へえ、こうなっていたんだ」と感心する。この駅に降り立ったときは、「まずはじゃじゃ麺!その後冷麺!」と食い意地が張ってばっかりで、周りを見る余裕なんてどこにもなかったことが恥ずかしい。
15:33
盛岡駅構内にあった宝くじ売り場。
またまた当店より出ました!100万円
という看板がバーンと掲げられている。なんとも景気がいい。スクラッチくじか何かだろうか?・・・と思ったら、ありゃ?ジャンボ宝くじなのか。
愕然としてしまった。こんなところにも、東京と地方の差が感じられたからだ。「たかが100万当たったくらいではしゃぐこたぁないだろ?」なんて笑って見ていられる内容でない。
東京にいれば、あっちこっちの宝くじ売り場で「1等がこの売り場から出ました」という看板を見かける。特にターミナル駅周辺の売り場なら、頻繁に見るだろう。なので、「そんなものだ。」と思っていたが、全国的に見れば「そんなものではない。」ということだ。
言うまでもないが、宝くじが当たるのは確率論だ。大量に宝くじが売れる売り場からは、1等が出やすい。これはもう、しょうがない。つまり、東京のあちこちで見かける「一等が出ました!」というのは、多く宝くじが売れているわけで、すなわち人口が多い証でもある。一方、地方都市盛岡となれば、たとえ盛岡駅構内の売り場であっても1等が出ていないという現実。それだけ売れていない=人が少ない、ということだ。
15:39
帰りの新幹線まではまだ少し時間があるので、IGRいわて銀河鉄道の盛岡駅改札口まで行ってみることにした。路線図を見てみると、JR東日本の在来線としてはここ盛岡駅がどん詰まりになっている。実は盲腸路線だ。盛岡から先、北へと向かう線路は私鉄。
看板にはJR花輪線の文字が見えるが、この花輪線はIGRいわて銀河鉄道の途中から分岐して秋田県の大館に向かう路線だ。これもまた、盲腸路線。東北新幹線は北進する都度、ローカル路線をずたずたに切り裂いていく。思い切りが良いというか、強引すぎるというか。
15:40
IGRいわて銀河鉄道の改札口。
花巻方面に伸びているJR東北本線などの改札とは完全に分断されている。JR東日本との決別を強く意識したのだろう、青い看板が印象的だ(JR東のトレードカラーは緑)。これは、青森県エリアに入ると「青い森鉄道」になるから、というのもあるのだろうし、「銀河」という名前から空をイメージする青という意味もあるのだろう。
駅のあちこちにあるロゴや案内表示のフォントが既にJR東日本とは違う文化であることを教えてくれる。しかし、電光掲示板はそのまんまJR東日本のお下がりらしい。大変に見慣れた、日常的なフォントと色でお出迎え。
いわて銀河鉄道の運賃表。旧東北本線の、岩手県エリア部分だけが表示されている。実際は右端に書かれている「目時」駅唐崎、八戸まで路線は続いている。
「金田一温泉」という駅があることに気がついた。名前は聞いたことがあるような気がするけど、岩手県にあったのか。言語学者の金田一京助の祖先が住んでいた場所だとかなんとか。
あと、「座敷わらしが実際に出てくる宿」だったっけ。
・・・調べてみたら全然違った。実際にそういう宿があるのは事実だけど、盛岡市内にそれはあった。調べたら、さっきまで僕があるいていたエリアからほど近いところにある宿だった。うへえ、てっきり「山奥にある一軒宿の秘湯宿」なんだと思い込んでいたよ。
そんなに近い場所にあるなら、ものは試しで見に行けばよかったかな?とも思ったが、すぐにその考えは間違っていることに気がついた。もし座敷わらしが現れたとしても、それが町にもともといるチビッ子なのか伝説の存在なのかの違いがわからぬ。
【後注】「座敷わらし」は岩手県に広く伝わる言い伝えで、座敷わらしが出るとされる宿は県内に何カ所かある。上記盛岡市の「菅原別館」もそのうちの一つだが、金田一温泉にも「緑風荘」という宿が座敷わらしの目撃例があるという。
いわて銀河鉄道の時刻表を見てびっくりした。うお、三セクにしてはかなり便数が多い。
そりゃそうだ、もともとは東北本線だ。しかも赤字に喘いだ結果切り離されたわけではないのだから。このダイヤに加えて、貨物列車も頻繁に運行されるだろうから、予想以上に密度が高い路線だった。
15:42
盛岡駅は建物内に立派な土産物売り場があり、まるでデパ地下のようだ。しばらく、物色する。さすがにもうこれ以上あれこれ買うつもりはなかったけど。
コメント