盛岡正食普及会の建物のすぐ近くにあった建物。この辺りは古い長屋風の建物が並び、家と家の境目にうだつがあったりもする。
盛岡=古い建物が現存する町、というイメージはこれまで全くなかったが、今回はそういったものをこの後あれこれ見ていこうと思っている。駅から徒歩圏内に、その手の建物があちこちにあるからだ。盛岡市はもっとこういう「町歩き」をPRしてもいい。あまりにも「わんこ」と「冷麺」のイメージが強すぎだ。
で、その長屋だけど、シャッターに店名が描かれてあったのだけど、それが「銀河夢」だって。ルビを読むと、「銀河の夢」と書いて「ギンガム」と読むらしい。なるほどうまいこと思いついたな。でも、ネオン街にある飲み屋みたいな名前ではあるけど。
もちろん盛岡における「銀河」というのは、ケンジ・ミヤザワによる「銀河鉄道の夜」を意識してのものだろう。まさか「銀河英雄列伝」のファンだから、という理由ではあるまい。いや、そのまさかかもしれないけど。
13:14
これ以上駅から離れると戻ってこられなくなるので、盛岡駅の重力圏内に引き戻されてみる。
南へ進んでいくと、「菊の司」という酒蔵があった。残念ながら聞いたことがないお酒の名前だけど、こんな盛岡の市街地でも酒造ができるのだから、このあたりは上質な水が確保できるのだろう。
そういえば盛岡県の有名なお酒って何があったっけ?と考えてみたが、いまいち思いあたらない。南部杜氏といえば日本最大規模の杜氏集団なので、きっと岩手県にも美味い酒がいろいろあるのだろうけど。
ひょっとしたら南部杜氏、全国各地に人を派遣しすぎて、肝心の地元に人がいないということは・・・さすがにないか、それは。
とりあえず「菊の司」に出会ったが百年目、実際に我が舌でその味を確認せねば。
しかし、ここは直売所を併設するような酒蔵ではなく、純粋にお酒を醸しているだけの場所のようだ。いや、それ以前にお前酒飲めないじゃん。・・・ああ、そうか。
建物そのものは、重要文化財にしようぜ!という運動が今行われているらしい。確かに面白い作りで、町歩きの通過点としてはとても良い。
13:17
さらに南下したところにあるのが、紺屋町番屋。
消防番屋として大正2年に作られた、と看板に解説されてある。なるほど、だから火の見櫓があるのだな。てっきりこれが江戸時代のお城の天守閣かと思った。
いやそれはあんまりな。
現在も消防団の倉庫として使われているらしい。とはいっても、火の見櫓は、周囲にビルがあるせいで見通しはあまりよくなく、飾りにしかなっていない。風見鶏でも取り付けるというのはどうだろうか。
13:19
おっと。
番屋がある交差点のすぐ近くに、南部せんべいを売るお店発見。
南部せんべいといえば、「せんべい汁」として鍋の具に入れる「変なローカルフード」の印象が強い。でも、お菓子としてもれっきとした存在感がある食べ物らしい。なにしろ、このように老舗っぽい専門店があるくらいだ。
そういえば南部せんべいってまともに食べたこと、あったっけ?記憶がない。折角だから、中をのぞいてみよう。で、よさげなものがあったら買ってみよう。鍋には入れないけど。
「せんべい」といっても、米で作ったいわゆるおかき的なせんべいではない。小麦粉を型に流しいれて円盤状に固めたものだ。さすがに北国・岩手県では米を使ってせんべいを作るというのは難しかったか。
いや、でもお隣秋田県では米を使ったきりたんぽの文化があるわけで、単に「寒い地だから米はムリ」というわけではなさそうだ。
いずれにせよ、さすが専門店があるだけあって、種類は豊富。ただ、オーソドックスなのはゴマか落花生入り、ということになるようだ。
旅の土産として、箱入りの詰め合わせを買った。
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