13:08
宿に戻る途中、幹線道路沿いに「リカー&フーズ ささしん」というお店を発見した。地元のコンビニ的位置づけらしい。色あせたポスターがガラスに貼ってあったり、看板そのものも色あせているのが味わい深い。営業しているのかな?と気になったけど、ちゃんと中は電気が灯り、大絶賛営業中だった。時間が悪いからか、客はいなかったけど。
営業時間は朝6時から夜7時まで、と変則的だ。やたらと朝が早い。恐らく、大沢温泉に宿泊している自炊の人たちへの便宜を考えてのことなのだろう。朝6時開店ならば、朝ご飯のしたくに間に合う。とはいえ、そんなに朝早く何を買うんだ、とは思うが。
大沢温泉にはちゃんと自炊に対応できる売店があるが、それ以外にもこうやって選択肢があるよ、ということだ。
折角なので、ここはひとつ何か・・・と思ったけど、やめとけ。自炊するわけでもないのに、何が「ここはひとつ」だ。おとなしく戻るぞ。そろそろ「やはぎ」の混雑は解消されてきているだろう。
13:13
宿に戻って「やはぎ」に向かう途中、売店の横を通りがかったら昨日よりも品揃えが豊富になっていた。新しい商品が入荷したらしい。
果物が何種類も置いてあり、長逗留する人にとってはありがたいオアシス状態となっていた。
果物なんて全然食べたいとは思っていなかったのだけど、「甘っ!旨っ!でかっ!」というPOPが取り付けられたイチゴがとても気になってしまい、衝動買いしてしまった。だってほら、やっぱり湯治気分を味わいたいじゃないですか。
イチゴ買ったら湯治気分なのか?と言われたら、それはちょっと違うとは思うけど。よっぽど、午前に買った「コインランドリー用の洗剤」の方が湯治っぽくはある。
13:22
「やはぎ」はようやく客が引けはじめていたので、空いている席を見つけて着席。やっぱりここはですね、「水車そば」をたべないといかんと思うのですよ。このお店の名物だというし、そもそも「水車」は宮沢賢治ゆかりだし。
このときの模様はこちら
13:38
水車そばを食べたのち、部屋に戻って一休みする。手元には、先ほど売店で購入したイチゴと、コカコーラゼロ。相性が悪そうな組み合わせだけど、喉が渇いた時に炭酸飲料というのはすかっとして大変によろしい。
そして、おもむろにイチゴを手で握りつぶし、その汁をコカコーラの中へ・・・
いや、そんなことはしないしない。単にイチゴを食べ、コーラを飲みたいだけなんだ。ミックスジュースにしたいわけじゃないんだ。
13:59
というわけでご満悦な表情丸出しでイチゴを食べる。
「これぞ温泉に来た!って感じだな!」
と一人悦にいる。もちろん、温泉とイチゴが何も関係無いことをわかった上でのことだ。
18:16
風呂に入ったり、この日も「癒」でマッサージを受けたりしながらダラダラと時間を過ごす。なので写真としては一気に昼から夜だ。
写真が少ない、ということは、それだけ緊張感なく無事に過ごせている証拠。温泉療養がうまくいっている証でもある。
マッサージを受けていると、今日の施術師さんから
「体、柔らかいですねえ」
と何度も言われた。冗談言っちゃいけない、体がガチガチになっているからマッサージを受けにきているのに、その逆の事を言われるなんて初めての体験だ。普通なら、セールストーク込みで
「いやーお客さん固いですねー」
と言うものだ。で、
「もっと頻繁に通わないと、すぐにまた固くなりますよ」
と次回を促すという展開になるのが常道。それが「体が柔らかい」だそうで。温泉のマッサージ屋さんなので、「どうせここでリップサービスしたって今後常連になってくれるわけではないし」と思ったのだろうか?
「いえ、凝っているには凝っているんだけど、外国人のように体が柔らかいんですよ。日本人はもともと体が固いですから」
何をもって「固い」「柔らかい」を判断しているのかがよくわからない。間接の動きとかだろうか?
口から出まかせの褒め言葉かと思ったが、その後も何度も同じ事をいう。しまいには
「先祖に外国人の血が入っていませんか?」
とまで聞かれた。そこまで気になるくらいなのか、僕の体は。
もちろん、僕が知っているご先祖様5世代前までは外国の人はいないので、体が柔らかいのは偶然だ。おそらく、昨日からアホみたいに温泉に入りまくっているので、体が随分ほぐれたのだろう。マッサージのプロをも驚かせるほどの筋肉弛緩効果。わざわざ大沢温泉までやってきた甲斐があったってもんだ。
さて、話はかわるが、先ほどから鼻がぐずぐずいう。風邪を引いたというわけではないが、どうやら鼻炎の症状が出たらしい。
僕は子供の頃からアレルギー性鼻炎を患っており、最近は沈静化したもののやっぱりまだ時折症状がでる。もともとのアレルゲンはハウスダストとダニなのだけど、今ではそれよりも「寒暖の差が激しい環境」だと鼻炎となることが多い。特に日本家屋だと、部屋は暖かいけど廊下に出ると冷たい、という温度差が顕著なので鼻炎が出やすい。
なので、旅行先に鼻炎の薬というのは必須アイテムだ。僕の身体が慣れていない部屋の空気に加え、どうしても旅館では寒暖の差がつきまとうからだ。
とはいっても、鼻炎のカプセルをかばんに忍ばせておくと、よくその存在を忘れてしまい紛失してしまったり、ポケットの奥で潰れてぐちゃぐちゃになっていたりする。そしていざ使いたい時に使えない、ということが多かった。
そんなわけでつい先日ドラッグストアで発見し、購入したのがこれ。コルゲンコーワ鼻炎フィルム 18枚。
フィルムタイプの鼻炎薬で、薄くて小さい。
これだと、財布の中に常に入れておくことができるので、外出先で「あっ、鼻炎の薬がない!」と慌てることがない。旅行の際に財布を家に置き忘れる、なんてことは絶対にないからだ。
水なしでも舌の上で溶けるのがありがたい。鼻水が出始めたらいつでもどこでも対処ができる。
一方僕が苦手なのは、点鼻薬タイプ。ナザールスプレーなどが有名どころだけど、あれを使うと逆に鼻がムズムズして鼻をかんでしまう。それじゃせっかくスプレーした薬が全部外に出てしまうことになるので、「くぅぅぅ、鼻をかみたいぃぃぃ」と悶絶しながら、上を向いて我慢をしなくちゃいけない。それが切なくて切なくてモウ。
人によっては、「点鼻薬は即効性があるので性に合っている」という。多分、鼻の感覚が僕と違うか、僕にはないノウハウで絶妙に薬を噴霧しているのだと思う。
19:32
鼻炎薬が効いてきたところで、「やはぎ」で夕食。
お店の挑発に従って、「新メニュー」だという「奥州いわいどり石焼ステーキ」を頼んでみた。お値段は1,400円だったっけ。
ちょっと贅沢な気はする。なんだか、昨日の夜といい今といい、このお店の高いメニューから順に頼んでいるような状態。でも、温泉宿で食事付きにすればもっとお値段がするわけだし、それと比べればリーズナブルだ。それに見よ!今日も立派なパイナップルが付いているという。写真で見ると、メインディッシュよりも目立つ存在。
石焼ステーキとはなんぞや、思っていたら、熱した石の上に鶏もも肉が乗っていた。石焼き芋とチキンステーキが並んでお皿に盛られていたらびっくりだったが、ちゃんと鶏肉が石で焼かれている。
ブラジルのシュラスコ料理で、焼きパイナップルというのが定番としてある。あれは旨い。焼くことで果汁が凝縮されるからか、ノーマルよりも旨いときがある。
では、石焼きパイナップルをやってみるのはどうか?・・・と思ったけど、そこまでは石に熱量がなさそうだったのでやめた。「パイナップルを暖めただけ」だと、一歩間違えると「酢豚にパイナップルを入れるのは是か非か論争」のようになってしまう。
20:27
食後も風呂に入る。今日も20時から21時の間は女性風呂なので、僕の部屋の手前で「見張り番」をしている女性従業員さんの脇を恐縮しながら通り抜けた。
見張りをするということは宿にとって毎日のことなので、慣れたもんだ。パイプ椅子だけでなく、暖を取るためのストーブも用意して万全の構えだった。そのストーブは台車に乗せられており、21時を過ぎると廊下の隅にゴロゴロと運ばれ、片付けられていた。
部屋に戻った僕は、ポットのお湯を使ってお茶を作る。とにかく一日何時間もお風呂に入っている状態なので、便秘が怖い。便秘薬をスタンバイさせているとはいえ、こまめな水分補給は必須だ。ノーモア那須湯本。
がぶがぶ飲んでも、全然おなかがだぶんだぶん言わない。それだけ汗をかいている、ということだ。砂漠に水を撒くようなものだ。
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