愛知迷走【SAGASE! ~ 記憶を呼び起こし 駅を探し出せ ~】

トヨタ産業技術記念館看板
トヨタ産業技術記念館

08:59
歩いて歩いて、ようやくトヨタ産業技術記念館に到着。レンガ造りの建物がお出迎え。

「・・・デカいんだかデカくないんだか、よくわからん」

建物の前で、この施設がイケてるのかどうか値踏みする。以前トヨタ博物館に行った時は入口の看板を見た時点でテンションが上がったものだが、ここは質実剛健といった感じ。

「ちぇるのぶの解説を聞きながらだったら、半日は余裕でかかるぞ」

としぶちょおから聞かされ、びっくりする。えっ?半日もかかるの?ここ。そもそも何が展示されているんだよ、ここ。

「紡績の機械とかが置いてあって、歴史を学ぶことができる」

としぶちょおは言うのだが、それで半日がかかるというのがさっぱり理解できない。紡績ならば、岡山県倉敷市にアイビースクエア(旧:倉敷紡績所)があるし、紡績とはちょっと違うけど群馬県の富岡製糸場もあるが、いずれも見学に要する時間なんて知れている。ちょっと風情があるレンガの建物を見ておしまいだ。しかししぶちょおによると、そういうところとは全然別物なのだという。特に彼が強調したのが、

「ちぇるのぶの説明を聞きながら見て回ると、なるほどなあと感心させられる」

ということだった。ちぇるのぶ?なんで彼が紡績に詳しいんだ。彼は中国経済を大学で専攻していたはずだ。当時ジーニアスから、「お前は国の税金を使わせてもらって、なんでよその国の経済なんて勉強しとるんだ。意味がないだろう」とさんざん茶化されていたっけ。

そんな経歴を持つちぇるのぶは、

「経済を研究していくと、繊維の歴史に行き着くのですよ」

とにやりと笑って言う。そうなのか?それは知らなかった。でも、彼の余裕の表情からすると、きっとそうなのだろう。

喫茶店の看板

お。敷地の中に、レストランの看板がある。もちろん、黄色い回転灯付きで。

「こんな移動式の看板にもパトランプが!」

驚くやら呆れるやら。

2日後の話だが、蛋白質が一連の名古屋滞在でさんざん黄色い回転灯をみたことを評してこう言った。

「最近はパトカーもLEDのライトになってるし、もうパトランプって廃れていくものだと思ってたよ。でも名古屋では今後も生き続けるんだろうなあ」

この意見にはしぶちょおも同意していた。

ちなみに、今現在この黄色い回転灯は光っていない。つまり、まだ営業はやっていませんよ、ということだ。

「うーん、まだ施設のオープン前だと営業していないのか」

朝飯にありつけていない状態なので、しぶちょおが首をひねる。

館内

09:00
朝ご飯を食べてからトヨタ産業技術記念館、という算段だったのだけど、朝ご飯がすっ飛ばされたので早く到着してしまった。この施設の開館時間は9時半。まだ30分ほど時間がある。
なのに、建物の入口には早くも行列ができはじめている。なんだなんだ、今日は朝市でもあるのか?それとも握手会か何かか?

「この中に子供が楽しめる体験型施設があるんだよ、それの整理券目当てで早く並んでる」

としぶちょおが教えてくれた。なるほど、確かに並んでいるのは子供連れが多い。

待っている間、建物の館内を確認する。ぱっと見、あまり広そうには見えないのだが、実際はかなり広いようだ。大きく分けて、「繊維機械館」と「自動車館」に分かれているようだ。

「自動車館?別の場所に『トヨタ博物館』ってのがあるだろ、あそこと重複してるじゃないか」
「いや、あっちとこっちでは展示内容が違うんだ」
トヨタ、すげえな。一つの博物館だけではネタ切れにならないのか。

エントランスの謎の機械

開館時間前にチケット販売が開始となり、行列は館内に入っていく。

入館手続きをした後、エントランスロビーに行ってみると、そこにはこの施設の象徴として謎の機械が展示されていた。何だこれ??

なんだこれ、もなにも、機織りの機械の一種であることは歴然としている。円形の機械の上に、巻き取られた布があるからだ。しかし、見たことがない形状をしている。何かUFO的な、オカルトの気配を感じる。

機械説明

えーと、「環状織機」と書いてある。1906年発明、だって。

「これはすごいぞ、動いているところを一見する価値はある」

しぶちょおもちぇるのぶも、力説する。確かにすごそうだ、というか動いている姿が想像できん。機織り、といえば鶴の恩返しでおなじみの、バッタンバッタンと機械をギコギコ動かしていくものが一般的だ。しかし、この円形のヤツはそういう機構がない。

中庭

09:30
この環状織機があるエントランスの脇にレストランがある。先ほどの黄色い回転灯看板のお店だ。しかし突撃してみたら、ランチ営業しかやっておらず、まだ準備中だった。あらら、また当てが外れた。
「この奥に軽食を食べさせる場所があるので、そこにしよう」

気を取り直してしぶちょおが宣言する。なんだここ、館内に二カ所も飲食店があるのか。スケールのデカさがこのことからも覗える。

織物の歴史を学ぶ前に朝食だ。まずは頭に糖分をブチこまないと。

しぶちょお先導でその軽食コーナーに向かうが、窓の外には中庭が見えた。レンガ造りの、広い庭。いやー、贅沢だわ空間の使い方が。こんなのが名古屋市の中心にあるのだからすごいな。さすがトヨタ。

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