
15:04
「あれ、こんなところに弘法大師がいらっしゃるぞ?」
知立駅に戻り、名鉄本線のホームに移動した際に気がついた。ホーム端に、ちょっとしたお堂があり、そこに「見返弘法大師」ののぼりが掲げられていた。
菱川師宣の「見返り美人」みたいに背中を向けている弘法大師像が祀られているのかと思ったが、中をのぞいてみると普通だったと思う。弘法大師像については記憶に残っていない。
知立といえば、名鉄の快速特急さえも止まる一大ターミナル駅だ。そんな駅のホーム脇になんでお堂があるのだろう?ローカルな駅なら、ほのぼのと存在していてもおかしくないのだけど。
よく見ると、「弘法山遍照院遙拝所」と書いてある。なんのこっちゃ、と思ったら、駅からしばらく離れたところにある遍照院というお寺に行けない人のためにここに「出張所」を設けているというわけだった。なんて便利なんだ。これなら、改札を出ないでお参りができる。名鉄としては「頼むから改札を出て欲しい」と思っているかもしれないけど、大目に見ているということだろう。太っ腹だ。
「三河三弘法」という表示もある。おい待て、「三弘法」ってのがあるのか。ここにもスタンプラリー的存在が。
ラリーをやっている最中にさらにこじんまりしたラリーを見つける。マトリョーショカ風というか、曼荼羅的世界観というか。
いかん、いかんぞ、このままフラフラと三河三弘法に引っ張られたらきりがないぞ。そろそろSAGASE!は終わりが見えてきたとはいえ、まだ気を抜いてはいかん。
弘法大師に「南無大師遍照金剛」とお祈りをしておく。じゃ、今日はこのへんで。

15:07
豊橋行きの快速特急がやってきた。これにのって移動だ。えーと、次は・・・東岡崎だ。さっき刈谷で見つけた「初級編」のほうのゴール地点。「上級編」の本宿はさらに東に位置しているので東岡崎のあとになる。

この列車も、一部車両が指定席になっていた。ありがたく1DAYフリーきっぷを活用する。
「でもこの席に座れるのもあと1時間だ」
しぶちょおが腕時計を見ながら言う。
「なんで?」
「指定席を使えるのは10時から16時までなんだ」
あれっ、そうだっけ。チケットの券面を確認してみたら、確かにそう書いてあった。となると、乗れてあと1回か、2回か。ならば、今この瞬間を堪能しなくちゃ。思わず尻で座面をぐりぐりする。

15:17
とはいっても、わずか10分で東岡崎だ。さて、ここが初級編のゴールなのかどうか。

あー、これだ。中央改札口。まさにポスター写真のとおり。うひょう。

というわけで、SAGASE!のポスターには
すべての問題クリアおめでとう!
ゴールデンウィーク新企画
楽しんでいただけましたか?この駅の(ナンバリング)記号とナンバーは?
探し出した駅名と上記の解答を記入して名鉄名古屋駅サービスセンターの応募箱に投函しよう!
と書いてあった。
「そうかー、初級編は東岡崎で終わりだったか。ちょっと意外だったな」
「やっぱ、この後にある藤まつりのPRも兼ねているんじゃないか?」
「でもそれだったら、もうGW期間中に岡崎に来ちゃったから当分はいいよね、藤まつりは来年にしよう、って気持ちになりそうだけど」
いやいや、実際SAGASE!をやっている人たちは駅周辺観光なんて悠長なことはほとんどしないで、ただひたすら移動だ。だから、藤まつりがあると認識したなら、「ならばまた岡崎に行ってみよう」と思う人もいるだろう。

ひとまず改札の外を少し歩いてみる。
東岡崎はかなり大きな駅舎。お土産物屋もあるくらいだ。
おっと、おかし販売機発見。

岡崎のゆるキャラ、オカザえもんのキーホルダーやグッズが売られていた。さすがに買わなかったけど。

初級編を終え、残すは上級編の2駅。うち1駅は次に向かう本宿なので、まだ正体不明の駅は1駅だけだ。
「絶対セントレアだわ」
「いや、最果ての豊橋または豊川稲荷まで行くかもしれんぞ?」
「名古屋で終わり、って話じゃなかったのか?」
まだ予断を許さない。SAGASE!の終わりにふさわしいカタルシスがそこには、あるだろうか?
電光掲示板の下に、「今犬 山が熱い!」という微妙な字が書いてあった。今犬ってなんだよ、と思ったら、どうやら「今、犬山が熱い!」と言いたかったらしい。ああなるほど。山が熱いというのも謎すぎだ。

しぶちょおは旅のお供に、ということで売店で「生姜豆」なるものを買っていた。
「豆菓子?」
でもよく見ると、ちくわだ。生姜が入った、ちくわだ。じゃあ「豆」はどこにあるんだよ、と不思議だったが、どうやら「小さい」という意味で「豆」という表現が使われているらしい。
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