愛知迷走

SAGASE!神社仏閣

日 時:2016年(平成28年) 05月03日-05日
場 所:愛知県・岐阜県のあちこち
参 加:ちぇるのぶ、おかでん、蛋白質、しぶちょお(以上4名)

2016年のGW、久々にアワレみ隊で集まろうかという話が起き上がった。前回企画が2013年夏の「全国各地アンテナショップ巡り」だったので、3年ちかくのブランクだ。

天幕合宿なんていつ以来やっていないだろう?キャンプ用の資材はまだ山積みになって現存しているけど、果たして何が不足していて何を揃えないといけないのか、勘どころがさっぱりわからない。なので今回は見送り。

アワレみ隊はいまやバラバラに散らばっている。妻子がいて身動きが取りにくい人もいるため、全員が集まる、というのは既に無理だ。いや、それ以前にアワレみ隊メンバーが勢揃いしたのって、過去に何度あるだろうか?実は1度か2度程度しかないかもしれない。

なので、「集まれる人間が集まる」ということになる。全員のアンドを確認していたら、きりがない。

さらに、連絡がややこしい。メーリングリストを作ってはあるのだが、いまやメールが正しく全員に読まれているのかどうか、怪しい。かといって、LINEをやっていない人が中にはいるので、SNS頼みというわけにもいかない。結局、全員にまんべんなく顔がきくしぶちょおが個別に電話連絡をとることになっている。

当初、「八丈島、小笠原諸島、伊豆大島に続いて伊豆諸島制圧企画第四弾:式根島編」という提案を僕から出していた。それが難しいなら、「東京居ながら世界旅行企画」を画策していた。

この「世界旅行」は、3年前の「アンテナショップ巡り」の続編にあたる。アンテナショップ巡りが「東京に居ながら日本旅行」が出来たのに対し、今度は「東京にある大使館・領事館を巡れば、世界旅行をしたのと等しいんじゃね?」という発想だ。大使館はその国の国力を表す。アメリカ大使館のように巨大なものもあれば、都心から離れたところのビルの一室、という国もある。そういうのを見て回るだけでも、大変勉強になるだろう。あと、うっかり大使館の前で記念撮影をしたら、警備している機動隊員に追いかけられるような国だってある。

調べてみたら、日本にある大使館等は、国交がない中華民国(台湾)や北朝鮮などの施設も入れると170ほどあった。すげえ。1時間に4カ国、1日に12時間活動したとしても丸3日じゃ終わらないスケールだ。まさに「世界旅行」に等しい規模感。でも、実際にはどれだけ時間がかかるのかは、やってみないと全くわからない。「1時間に4カ国」というのはそもそも乱暴だが、大使館の多くは港区界隈にあり、ハシゴがしやすい。さらに、同じビルに複数の大使館がテナントとして入居している例もあり、案外早く「世界旅行」ができるのかもしれない。

そういうパズル要素がいかにもアワレみ隊企画であり、僕としては大いに乗り気だったんだが、残念ながら全国に散るアワレみ隊メンバーにとって「東の果て」東京は遠く、人が集まらなかった。一番フットワークが軽いしぶちょおも今回は地元を離れられず、この案は潰えた。でも、絶対面白い企画なので、遠くないうちに決行するつもりだ。さすがにこういう企画をやるなら、アワレみ隊メンバー以外余人をもって替えがたい。

結局、あれこれ調整のうえ、名古屋で何かをやろうぜ、という方向で話が決まった。愛知在住のちぇるのぶ、しぶちょおが出迎えられるし、大阪から蛋白質が参加できるという。困った時には名古屋がいい。「名古屋メシ」をはじめとして、ネタの宝庫だし。

しぶちょおが、「こんなのやってるぞ」と名古屋界隈でのネタを一つ紹介してくれた。それは、「SAGASE! ~ 記憶を呼び起こし 駅を探し出せ ~ 」という名鉄によるGW特別企画だった。なんだそれ?聞いたことがないぞ。

名鉄のサイトによると、企画趣旨をこう解説してあった。

○開催期間

4 月29 日(金・祝)~5 月8 日(日)

○参加方法

①「まる乗り1DAY フリーきっぷ」または「名鉄電車全線2DAY フリーきっぷ」を購入します。
②当社HP に掲載されている写真を手がかりに、最初の駅へ向かいます。
③最初の駅で解答用紙を受け取ります。
④駅に掲出されている写真をもとに、記憶を呼び起こし、駅名を導き出し、その駅へ向かいます。
⑤④を繰り返し、最後の駅にたどり着いた後、解答用紙を名鉄名古屋駅サ
ービスセンターに設置の応募箱に投函します。

なるほど。単なるスタンプラリーなのではなく、次の目的地が何駅なのかを提示された写真をヒントに当てないといけないのか。だから「SAGASE!」という名前なのだな。おもしれえじゃないか。

「1DAYフリーきっぷを買え」というところが、「ヒイヒイ言うまで引きずり回すぜ」という犯行予告に他ならない。忘れちゃいけない、名鉄といえば路線が複雑怪奇で、やってくる電車の行き先を見ても地元民以外にはさっぱり理解できないことで有名だ。そんな駅を「記憶を頼りに」巡る、というのはかなり大変な気がする。思いっきり当てが外れたら、とんでもない無駄足になるかもしれない。

恐らく、この企画の規模感としては「1DAYフリーきっぷで事足りる」程度なのだと思う。しかし、それが半日なのか、丸一日なのかはわからない。やってみないと。何駅を巡るのかさえ、現時点ではわからないのだから(後で名鉄のプレスリリースを読み返してみると、対象となる駅数は明記されていた。単に我々が見落としていた)。

そんなわけで、5月3日~5日の2泊3日の行程で今回の企画は組まれたが、「SAGASE!」は真ん中の二日目に開催することにした。東京の僕や大阪の蛋白質にとって移動日である1日目と3日目は、町歩きなりなんなり、コンパクトな事をやろうという話になった。

すると、蛋白質は「名古屋に何か神社仏閣はあるかね?」と言う。さらに、「名古屋カテドラルに行くのはどうだろう?」と具体的に聞いてくる。彼は敬虔なクリスチャンなのだが、教会だけでなく神社やお寺にも興味を持っていたのは知らなかった。しぶちょおは「名古屋だったら東別院だなあ」と言う。じゃあ、ちょうどいい、特にノーアイディアだったわけだし、その名古屋カテドラルとやらと東別院に行ってみることにしよう。刺激的なプランとは思えないが、そこは30年来のつきあいとなるアワレみ隊だ。オッサン同士つるんでいるだけでも楽しかろう。

じゃ、初日はそんな感じ。3日目は、名古屋に着いてから考えればいいや。見切り発車で当日を迎えた。名古屋の宿は蛋白質が確保してくれた。

2016年05月03日(火)

ドニチエコきっぷ

08:35
1日目。

朝5時に起きた僕は、6時過ぎの新幹線に乗り込んでいた。こんなに早く行動開始するなんて、本当に久しぶりだ。最近は、たとえ旅行とはいえ、生活リズムを大きく崩すスケジュールは意図的に敬遠していたので早朝の東京駅は新鮮な気持ちがする。ああ、アワレみ隊企画が始まるのだな、と懐かしくも思う。

本当は、「昼頃に名古屋駅に集合」という段取りの筈だった。しかし、新幹線のチケットをエクスプレス予約で手配しようとした際、「朝6時台の新幹線だけ」に適用される「IC早得」割引があったので、新幹線代をケチるために早起きしたというわけだ。GW期間中ということもあって、深夜高速バスはその拷問っぷりに見合わないくらい値段が高く、はなっから選択肢になかった。

で、朝8時過ぎには名古屋に到着してしまう僕は、集合時間までの間に名古屋駅からほど近い「トヨタ産業技術記念館」で時間を潰すことにした。以前、このサイトの「名古屋なめつくしオフ」の際、しぶちょおから紹介してもらった場所だ。そのときは時間の都合で行けなかったのだが、かわりに近くにある「ノリタケの森」に行った。その話を後で知ったしぶちょおは、「何をもったいないことをやってるんだ」と呆れていた。それくらい、断然「トヨタ産業技術記念館」はおすすめなのだという。

そんな2年前の出来事を、今回ひっそり補填するためにこっそり一人で・・・と思っていた。しかし、「おかでんが朝8時に名古屋に着くなら」ということでみんなが早起きしてくれて、8時半名古屋駅集合ということになった。僕の「新幹線代ケチり作戦」にみなさんおつきあい下さって恐縮だ。大阪の蛋白質は、早朝の近鉄特急に乗って名古屋入りだった。

久しぶりのメンツなのだが、苦笑してしまうくらい普通に再会した。照れ、とかそういうのはなく、「おう」「よう」という会話一つ。あまりに懐かしさがないので愕然としたくらいだ。しぶちょおで2年半ぶり、ちぇるのぶで3年ぶり。蛋白質とは・・・ええと。

「おい、何年ぶりだったっけ?」
「俺が大学入った直後、一緒に池袋でボウリングやった時以来じゃないか?」
「ばか言え、それだと20年以上になるわ」

しかし、直近の記憶をたどっても、最後に会った時の記憶がない。後で「アワレみ隊活動記録」のトップページを見てみたら、どうも2005年のますゐ詣での時に会って以来っぽい。となると、11年ぶり?嘘だろ、おい。

外見は確かにお互い老けたが、基本的なキャラは誰一人として変わっていないし、逆に「個性」が以前よりも際立つようになった気がする。ああ、三つ子の魂百まで、だな、とざっと30年来の仲間の顔を見渡して思った。

蛋白質は、待ち合わせ場所である名古屋駅桜通口の「金の時計」で一人たたずんでいた。一番最初に到着したので当然なのだが、遠くからでも「ああ、あそこに立っているのは蛋白質だな」というのがわかる。普通、待ち合わせ場所で人を待つ場合、その「待ち合わせの象徴」に背中を向けて立つ。しかし、彼の場合「待ち合わせの象徴」に向かって立ち、道行く人に背中を向けていた。こういう微妙に「変なキャラ」が彼の持ち味であり、醍醐味となっている。

ちなみに蛋白質とは中学一年の時からのつきあいなのだが、当時から一風変わったキャラだった。彼は同級生がまだグンゼパンツのようなブリーフだった中、先んじてトランクス派を気取っていた。で、周囲からはまことしやかに「ちんこでかい」「ずるむけ」と噂されていたものだ。

そんな中、僕が「ちんこ見せろ」と彼に冗談で迫ったところ、「おう、やれるもんならやってみろ」とトランクスを誇示しながら腰を突き出してきたことがあった。しかし、実際のところ彼の股間なんぞこれっぽっちも見たくはないわけであり、彼の困るところを見たかっただけだ。開き直られたら、こちらとしては立場がない。「・・・いや、いい」と謹んでちんこ観賞の権利を返上したら、彼は「勝った!おかでんに勝った!」と誇らしげに自慢する。ならばこっちとしても、「見ろと言われたものを尻込みして見なかった」というのは悔しいので、「待て!見てやらあ!」と意地を張る。

しかし、やっぱり間近で彼のモノなんぞ見たくはないので顔を背けつつトランクスに手をかけると、「横を向いたらダメだ!ちゃんと正面を見ろ!目を閉じるな!」と叱責された。なんだだこのプレイ。

で、観念してパンツをずり下ろし、間近で彼のものを観賞するハメになってしまったのだが、彼は心底悔しがり、「負けた!おかでんに負けた!」と地団駄踏んでいた(パンツがくるぶしのところに落ちたままの状態で)。

その後、「お互いいい戦いだった」とパンツをずり上げながら握手を求められた。なんだこれ。言っておくが、お互いホモではない。そんなことが中学高校の間に何回あったことか。少なくとも10回はこのお決まりのやりとりがあって、毎回必ず蛋白質が負けて悔しがる、という展開だった。

蛋白質も変なキャラだが、こうやって文章にしてみると僕も負けず劣らず変なキャラだったようだ。

話がずれた。

まず、しぶちょおの発案により、名古屋市交通局の「ドニチエコきっぷ」を購入することになった。要するに1日フリーパスで、お値段は600円。

「地下鉄だけでなく、バスもこれで乗り放題なのでお得なんよ。すぐに元は取れる」

と教えてもらった。名古屋は、地下鉄もバスも市が運営している。地下鉄の場合初乗り運賃が200円なので、3回乗れば元が取れる計算になる。

このチケットを手に、東山線で亀島駅へと向かう。たった一駅だが、フリーパスなのでどんどん贅沢に乗り降りしよう。

地下鉄駅を出たところ

08:46
亀島駅から地上に出た。ここから歩いてトヨタ産業技術記念館に向かうのだが、その道中に喫茶店があるという。そこでモーニングを食べて、名古屋らしく過ごそうではないか、という話になった。

地上に出てすぐのところに、なにやら教会の建物があった。

「おい蛋白質、あれは教会だろ?さい先いいな、神社仏閣巡りを希望していたら、早速教会と出会ったぞ」

と声をかけたら、蛋白質は「んー?」と腑に落ちない声を上げた。

「なんか教会っぽくないんだよなあ」
「教会以外あり得ないだろ」
「いや、教会のオーラがないというか」
「なんだよそのオーラって。精霊でも宿ってるのか?」

教会のような建物

折角なので近づいてみる。

「ほら見たか!屋根の上に十字架がある」

しかし蛋白質は納得しない。

「教会なら、敷地の入口のところに礼拝の曜日や時間について張り出すための場所が必ずあるんだよ。しかしここにはそれがない」

なるほど、確かにそうだ。でも、必ずそういう掲示板がなくちゃいけないというわけではあるまい?

「結婚式場・・・にしては、立派すぎないかこれ?」
「ほら、愛知の結婚って見栄を張ってハデにやるってことで有名だから」

そんなとき、誰かが隣の建物に気がついた。

「おい!隣は幸福の科学だぞ!」
「えっ?幸福の科学?」

確かにそうだ。しかしちぇるのぶがすぐに待ったをかける。

「待て、確かあそこの教祖は仏陀の生まれ変わりだかなんだかって言ってただろ。それなのに十字架というのはおかしい」

お互いがお互いの見地からこの建物について考察をぶつけ合うのが楽しい。あーこりゃ、当初地味かと思っていた神社仏閣巡りってのは楽しいかもしれんな、このメンツだと。

そんな中、スマホでGoogleマップを確認して、あっけなく事実が判明した。地図上には「高砂殿ウェディング大聖堂」と記されていたからだ。

「高砂殿?結婚式場じゃねーか」

はい解散。神社仏閣でもなんでもなかった。

自分で焼いて食べる店

08:52
トヨタ産業技術記念館に向かうが、結構距離がある。最寄り駅まで地下鉄でやってきたとはいえ、そこからかなり歩く。最寄り駅としては名鉄本線の「栄生駅」になるのだろうが、今回我々はドニチエコきっぷを手にしているので名鉄は使わない。待ってろ、明日しこたま乗っちゃるけん。

道中、お好み焼き屋を発見した。「自分で焼いて食べる店」と掲げてある。おっと、広島風もメニューにあるのか。広島風を自分で焼くって、ちょっとだけ大変だけどよくやるなあ。お客さん自身、広島風のお好み焼きってどういう構造になっているのかよくわかっていないだろうから、ちゃんと焼けるんだろうか?マニュアルみたいなものがテーブルに置いてあったりするのかもしれない。

それにしても、「広島風(のべ焼き)」って表現、初めて見た。「関西風(まぜ焼き)」というのはわかるんだけど。

モーニングの看板

08:54
黄色い看板が歩道上に据え付けてある。目指す喫茶店の看板だ。350円でコーヒーにトーストとたまごが付く、というのだから猛烈に安い。コンビニで100円コーヒー買って、ついでにおにぎりを買うというのと訳が違うぞ?ちゃんとしたお店で、客席を用意して営業していてこの値段。さすがモーニング激戦区の名古屋だ。

開店から11時までがモーニングのお時間。11時からはランチ。一日中何らかの「お得」が展開されている模様。

お店は閉まっていた

「あのパトランプ、回転していないように見えるんだよなあ」

としぶちょおはお店の遙か手前から心配していた。はて、パトランプ?

教えられるがままに見ると、確かにお店の看板の脇に、黄色いパトランプがちょこんと付いている。

「何故か名古屋人は黄色いパトランプが大好きで、喫茶店には大抵こいつが付いているんだよ」

としぶちょおが教えてくれる。で、そのパトランプがクルクルと回っている時は「営業中ですよ」ということらしい。へえ、そんなローカルルールがあるのか、名古屋には。

黄色いパトランプなんて、工事現場くらいでしかみないものだと思っていたので意外。

で、回転していないパトランプは、案の定お店が営業していない証だった。お店に振られてしまい、朝飯を食いそびれてしまった。

「確か、トヨタ産業技術記念館の中にも喫茶店があった筈なので、そこにしよう」

気持ちを入れ替え、先に進む。

ちなみに営業していなかったお店の名前は「Happy End」だった。

「待て!まだなにも終わっていないし、始まってもいないぞ!」

悲鳴を上げる。

ひちや

08:56
「ひちや 宮川」。

どうやら、質屋、のことらしい。なんで「ひちや」なんだ?

「結構このあたりじゃ、質屋のことを『ひちや』って書いてるぞ」

としぶちょおは言う。

「ははーん、わかったぞ。『しちや』だと、死を連想してしまい縁起が悪いんだろうな。だから験担ぎで『ひちや』にしたんだろう」

きっとそうに違いない。一つ謎が解明した気分になってご満悦。

しかし、後日この「名古屋ひちや問題」について調べて見たら、単に名古屋界隈の人の方言であることがわかった。江戸の方言で、「お姫様」のことを「おしめ様」と言ってしまうように「ひ」が「し」になってしまうことがある。その逆で、名古屋では「し」が「ひ」に置き換わってしまうらしい。なので「質屋」が「しち屋」というわけだ。

名古屋の中でも、「ひちや」ではなく「しちや」という標準語にのっとった表現をするお店もあるようだ。このあたりはいずれ標準語に駆逐されていくのだろうか?