10:35
名鉄一宮駅の改札に向かうと、そこには「正解の証」であるポスターが貼ってあった。さて、次はどこだ?また岐阜県に戻るということはないと思うのだが。
「なんだこれ。ヒントでまくりじゃないか?」
思わず声が出てしまった。なぜなら、写真には大きく「観音」と書かれた看板が出ていたからだ。ナントカ観音前、みたいな駅名だろ、これなら。
・・・え?そんな駅はない?あれ?
さすがにこの写真、「観音」より上の肝心の名前が読めないアングルだ。しかし、「当駅下車 徒歩にて5分」と書いてある。これは重要なヒントだ。なによりも、駅ホームの隅っこにわざわざこんな看板柱を立てるのだから、参拝客が多いに違いない。
で、この駅はどこだ?
愛知勢2名の顔色を伺ったが、即答という感じではなかった。あれ、そんなに簡単な問題ではなかったか。
「見ちゃだめ?」を躊躇なくめくってみたら、こう書いてあった。
尾張四観音のひとつ
なるほど、尾張四観音なるものを探して、その中で「名鉄の駅から徒歩5分」のものを絞り込めばビンゴ、ってことか。
- 荒子観音(名古屋市)
- 甚目寺観音(あま市)
- 龍泉寺観音(名古屋市)
- 笠寺観音(名古屋市)
が四観音だということだが、さっぱりわからん。地理感がない分、「ああ、あの観音様なら駅から近い」なんてさっぱり検討がつかない。
愛知勢はこの「尾張四観音」でぴんとくるらしく、笠寺観音ではないか、いや甚目寺観音かも、と議論を始めていた。残りの二つはそもそも名鉄の駅が最寄りではないので除外らしい。
パソコンがあって、タブ形式のブラウザがあればバンバンそれらの情報を並べたり地図を表示させて見比べることができる。でも、手元にあるのはスマホだ。いくつもの情報を比較検討するのはさすがにしんどい。
しぶちょお、ちぇるのぶが言うのは、名鉄には「笠寺駅(名鉄本線)」も「甚目寺駅(名鉄津島線)」もあるそうだ。甚目寺駅の方が今いる名鉄一宮から近い。乗り換えも一回あるし、いい感じの場所っぽい。最大に怪しい。
両方の駅とお寺について、スマホで地図を表示させて確認した。すると、さすが駅名になっているだけあって、駅からほど近いところに目指す観音様はいらっしゃるようだ。えーと、「徒歩5分」ってどれくらいだろう?
「年寄りの参拝が多いから、ゆっくりめの時間計算かもしれないぞ」
「そうなるとほぼ駅前であってもおかしくないか?」
疑いだすときりがない。しかし、だとしても甚目寺観音は駅から近すぎの気がする。笠寺観音だろうか?
とりあえず一宮から甚目寺駅はそう遠くないし、とりあえず甚目寺駅に行ってみるか?という雰囲気になってきた。しかし、スマホで本笠寺駅の画像を検索していて、決定的なものを発見した。まさにポスターにデカデカと写っている看板が、本笠寺駅のホーム上にあったからだ。
「これだ!」
かくして、甚目寺駅行きは回避され、上級編四番目の駅は本笠寺駅ということで確定になった。
ところで「豆知識 三択問題」もやらなくちゃ。
ホームの長い当駅ですが、ホームの長さは何両対応ホームか?
(1)10両 (2)11両 (3)12両
「当駅、ってどこの駅のことだよ。ここのことなのか本笠寺駅のことなのかがわからん」
写真の下に書かれている問題なので、「写真に掲載されている駅」のことに対する問題のようにも読める。ちぇるのぶが改札口にいる駅員さんのところに聞きにいったが、戻ってきて「ポスターの駅じゃないか、って言ってるぞ」と告げた。どうも駅員さんもよくわかっていないらしく、断定口調ではなかったようだ。
本笠寺駅について調べてみたら、この駅は各駅停車しか停車しない駅らしい。とてもじゃないが、長い編成の電車が停まるとは思えない。案の定、「ホーム有効長は6両」という記述をWikiで発見した。三択問題のどれにもひっかからない。駄目じゃん。
あらためて我々が今いる駅、名鉄一宮駅について調べてみたら、10両編成まで対応しているらしい。「やたら長いホーム」と形容されることがある駅のようだ。東京感覚だと、15両編成なんてのがザラに走っているので、長いという印象はないのだけど、それは感覚が麻痺して異常になっているだけのことだ。
10:50
さて、次の駅を目指そう。大きな駅だけあって、電光掲示板が巨大。
本笠寺に行くにはどうすればいいのか、ということを調べていたが、「次は国府宮だぞ」と教えられて思い出した。ああそうだ、初級編の駅として国府宮があるんだった。頭が混乱するなあ。
あらためて路線図を見ると、国府宮は名鉄一宮から3駅の場所だった。近い。しかもミュースカイ含めて全部の列車が停車する。名古屋方面行きのどの列車に乗ってもよさそうだ。なんてユーザーフレンドリーなゲームなんだ!とあらためて感心する。
10:56
乗車時間わずか5分で国府宮駅に到着。
ぱっと見、特急まで停車するような駅には見えないホームだ。駅の外に出れば、相当にぎわっているのだろうか?・・・まあ、僕らはひたすら電車で移動アンド移動なので、町探検はしないのだけど。はだか祭りなら一人ででもやったらあ。
橋上駅舎にも改札があるようだが、我々が上小田井駅で見た写真にははっきりと「地下改札口」と書いてあった。間違えないように気をつけつつ、名古屋寄りにある地下改札口に向かうと・・・いた!お前だお前、はだかッピーだたかなんだか。名前は忘れたけど。
(後で思い出した。いなッピーだった)
このふんどしキャラのすぐ近くに、次の駅を示すポスターが貼ってあった。ええと、初級編2番目、ということになるのか。
「なんだこりゃ!?」
思わず声をあげてしまった。さほど特徴がなさそうな、シンプルな駅だからだ。
「見ちゃだめ?」に早速頼る。もう、お前に首ったけだよ。お前なしでは生きていけないよハニー。
この駅の特徴は、高架駅で2面4線 真ん中の2線はホームにつかないよ。
「見たまんまじゃねぇか」
他にヒントは無かったのだろうか?写真の解説をしているだけだ、これでは。
確かに、真ん中の2線にはホームがない。ひかりやこだまが停車する中小規模の新幹線駅のようだ。おそらく優等列車はここをびゅんびゅん通過していくのだろうけど・・・
「ああ、これなら一発だ」
しぶちょおがにっこりして言う。
「ほら、ここにブラザーがある」
よく見ると、駅の向こう側にブラザー工業の青い看板「brother」が少し見えている。何の変哲もない、どこにでもあるブラザーの看板のようだが?
「これがあるということは堀田だ、間違いない」
「たぶん」という言葉を差し挟むことなく、断言してしまった。あれ?お前ってあのあたりに住んでたんだっけ?違うよな?何なのこの自信。
「そんなに目立つものなの?」
「目立つね、これは」
そんな会話をしていたとき、同じく「SAGASE!」をやっていて駅めぐりをしている真っ最中の少年が我々のところにやってきた。彼は名鉄一宮駅でも一緒だった。ということは、我々同様、上級編と初級編を同時攻略しているらしい。そうなると、全く同じ電車に乗り、全く同じ駅で降りることになる。もし、途中ではぐれたら、どっちかが駅の選択を間違えたということだ。
「この駅はすぐにわかるよな?」
しぶちょおがその少年に声をかけたら、少年は即座に「はい」と答えた。
「ここにブラザーの看板があるもんな?」
「そうですね、簡単ですね」
はー、そういうものなのかー。Wikipediaに頼らず、まさに企画趣旨である「記憶をたどる」ことで当てたことになる。さすが地元民、頼りになる。
コメント