愛知迷走

楽田駅からちょっと歩いたところに、犬山に通じる通りがある。車の往来が結構ある、ちょっとした幹線道路だ。この通り沿いなら、我々が朝ごはんにありつける喫茶店があるかもしれない・・・そう願って、通りに出てみた。 しかし、左右を見渡してもそれらしいものがない。コンビニは目の前にあるので、いざとなったらそこでサンドイッチなどを買うことができる。しかし、さすがにそれは残念だ。喫茶店、喫茶店はどこだ?

犬山方面のはるか先に、黄色いパトランプが小さく見えた。・・・喫茶店だろうか? 見通しの良い場所なのでそのパトランプは目視できるのだけど、歩いていけば軽く5分はかかりそうなほど遠い。正直、面倒くさい。昨日一昨日の疲労が蓄積しているし、できれば省エネモードでありたい。

道路を見る

そんな時、ふとこんな看板を見つけた。 「松屋のコーヒー」。 ミユキ、という店名が書いてある。喫茶店の看板だろうか? それにしては、あまりにさりげなく、広告っ気がまったくない。その証拠に、僕以外の人は遥か彼方のパトランプに気をとられてしまっている。

喫茶店・・・?

この看板の主はどこだろう、と目線を道路脇に逸らすと、そこにはアパートがあった。この一階部分が喫茶店なのだろうか?扉はあるけど、店の看板も暖簾もない。あ、喫茶店だから暖簾がないのは当たり前か。 営業している気配はなさそうだ。とうの昔に廃業した喫茶店らしい。いや、喫茶店であったかどうかさえ、怪しい。

喫茶店?

遠方のパトランプまで遠征するのを諦めた人々がUターンして戻ってきた。彼らに 「ここに喫茶店らしいものがあるんだけどさ、やってないっぽいよ。たぶん休業中だ」 と伝える。 僕はこの時点ですっかりコンビニ飯で腹をくくっていたのだが、ちぇるのぶが念のためお店の入口まで状況を確認しに行った。すると、しばらくして戻ってきたちぇるのぶが 「営業中、の札が出ているぞ」 という。ええ?まさか。営業しているようには見えないぞ。

「営業中の札、出しっぱなしのまま廃業してしまったんじゃないか?」 まだ僕は信じていない。

営業していた

「中にお客さんもいたぞ」

というので、半信半疑どころか100%疑いながらお店の前に行ってみた。すると、確かに入口に「営業中」の札がある。しかも、中には農作業を済ませたばかりと思われるJAの帽子をかぶったおっちゃん達が談笑しているではないか。

「地元民しか使わないような喫茶店じゃないか?」
「でも、やってるならここに入るしかあるまい」

ちょっと気が引けたが、「営業中」の札が出ているのだから入ってもバチはあたるまい。おそるおそる、「お邪魔します」といいつつ、店内に入る。

モーニング

店は至ってレトロな作りだった。まさに地元民御用達のお店で、我々がお店に入ったら先客のおっちゃんたちは「おっ、誰だい?」という顔を一斉にこちらに向けた。あまり部外者がやってくることはないのだろう。そりゃそうだ、こんな地味なお店、そもそも存在に気づかない。

メニューすらないお店だったけど、しぶちょおが「モーニングあります?」と聞いたら、お店のマダムは深々とうなずいた。なら話は早い、それを4つお願い。 しばらくしてやってきたのは、家でも食べるようなトーストと、ジャム、そしてホットコーヒーだった。豆のおまけ付き。

朝ごはんを食べる

おっちゃんたちに「何しにきたの?」と聞かれたので、「大縣神社にお参りするんです」と答えたら、「ああそれはいいね、歩いていくの?頑張って」と言われた。

そのおっちゃんたちは、「じゃ!」といってそのまま軽トラに乗って立ち去っていった。あれれ、お会計は?

「まさか俺たちに支払わせる気では?」

いや、そんなことは当然なく、どうやらツケにしているのか前払いにしているのか、そういう常連制度がこのお店にはあるらしい。その証拠に、氏名が書き込まれたタイムカードのような札が壁にずらっと並べてあった。これでいつ誰がやってきたか、お店側は管理しているらしい。

食後、こぶ茶が我々に振舞われて全員ほっこり。これでお会計は一人400円だったと思う。安い。ありがとう!ごちそうさま。

てくてく歩く

08:38
あらためて、大縣神社を目指す。 楽田駅すぐのところに、神社名が刻まれた石塔がそびえていた。これなら近いに違いない、と一同すっかり油断する。蛋白質は、「2泊3日の旅行にしては大げさな」キャリーカートをガラガラと引きずりながら、巡礼の旅。

(E)=かっこいい

道中見かけた、工場だか倉庫だかのコーポレートロゴに「あっ!」と思わず声が出た。 ENERGY SUPPORT、という会社なのだが、そのロゴが「(E)」だったのだ。 カッコ、E。・・・つまり、カッコイイ!ということだ。うひょう!カッコイイ! 「思いつきそうで思いつかなかったぜ。一本取られた感じだ。かっこええのぅ」 ここまで言って、はっと気が付いた。そうだ、今度僕が会社を立ち上げるときは、(A)というロゴにしよう。カッコエエ、だ。

鳥居

大縣神社への道はひたすらまっすぐだ。その道中、読み方がよくわからないものがあちこちに。 ええと、これは何神社って読むんだ?

石碑

こっちも。ジンモン・・・アト 「醤油の『醤(しょう)』って字かな?」 「甜麺醤(てんめんじゃん)の『醤(じゃん)』じゃないか?」 あれこれ議論するが、こうやって字にしてみると醤油の「醤」も甜麺醤の「醤」も同じ文字だった。 そもそも、これから向かう「大縣(おおあがた)神社」でさえ、読み方が特に難しい。このあたりは由緒あるエリアなのだろう。 後で調べてみたら、大縣神社が出来たのは紀元前3年だとかなんとか。えええ、2000年も前!?やばい、漢字が伝来する以前の話だった。

ひたすらまっすぐ

太陽を遮るものがない中、延々と歩き続ける。 「あの突き当たりの山が大縣神社だ」とわかってはいるのだけど、遠すぎて鳥居すら見えない。 カートを転がしている蛋白質、受難。初日、布池教会で見た絵のように倒れるんじゃあるまいか。

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