愛知迷走

メイド居酒屋

18:40
大須の商店街アーケードに入る手前に、なにやら盛り上がっているお店があった。「みんなー、盛り上がってますかー!」なんて黄色い声が聞こえた後、「うおおお」という野太い声が地響きとなって空間を振動する。

「なんだありゃ?」

お店の看板を見ると、「maidreamin(めいどりーみん)」と記されていた。ああ、メイド喫茶なのか。今日はイベント開催中なのか、マイクを通したメイドさん?の声と、観客のコール&レスポンスが店の外まで聞こえてきている。

店頭に、顔をハメて記念撮影できるパネルが置いてあった。これを使えば、あなたもステキなメイドになれる!

「おい蛋白質、名古屋の思い出にあそこで写真を撮っておこうぜ」

僕自身、東京からやってきた旅行客なのだが、こういう時は「名古屋側の人」ポジションに立って蛋白質を煽る。

「いや、さすがにあれは」

蛋白質は完全に腰が引けていた。看板自体が恥ずかしいからではなく、店内の熱気に押されてしまったからだ。入口の扉が開け放しになっているので、入口脇のパネルに向かうと店内の人と目が合ってしまいそうだ。それがイヤだったんだと思う。

「変わりにお前がやれよ」
「いや、僕もさすがにちょっと」

ブーメランが返ってきて、僕自身躊躇。

鶏の丸焼き屋

18:43
時間が時間だけに「夕食を何にするかねぇ」という話は道すがらずっとしていた。何しろ、「名古屋メシ」と言われるものだけでもかなりの数がある。そのうちのどれか一つを選ぶだけでも大変なのに、「名古屋メシにこだわらないで何でもあり」にしたらいつまで経ってもメシが決まらない予感がする。それくらい、名古屋はメシに不自由しない。

「おい蛋白質、名古屋名物があるぞ名古屋名物」

指差した先には、ブラジルカラーのお店。大須に昔からある、ブラジル風鶏の丸焼き店「OSSO BRASIL」だ。

「蛋白質は一人でこれ一匹な」
「食えるか!そもそも、さっき食べた焼肉がまだ胃の中でとぐろを巻いとるわ!」

そうだった。名古屋メシうんぬん以前に、昼の焼肉がまだまだ存在感を発揮していた。お昼ごはんの時間がそもそも遅かったのに加え、ガツンとした焼肉をしこたま食べ、さらにはてんこ盛りご飯をおかわりしている。全くおなかが空いていない。

「せめて夕飯は肉にするの、やめようぜ?」
「そうだなあ、昼に続いて夜も肉っていうのはちょっと重いなぁ」

となると、目の前にある鶏の丸焼きは当然無いし、名古屋名物である手羽先というのもないだろう。

商店街

18:44
商店街の中を歩いて行く。長い商店街が本当にうらやましい。しかも、お店がいろいろあって、新陳代謝も活発だ。ちょっと見ないうちに、飲食店がまた増えたような気がする。いずれ、巨大フードコートになるんじゃあるまいか?

ケバブ屋

ケバブ屋なんて、昔はなかったと思うんだがどうだったっけ。MegaKebab、だって。その名のとおりデカいのだろうか?気になるけど、さすがに今ケバブを食べるという選択肢はないな。

外国ビールがいっぱい

18:45
こっちにもケバブ肉が店頭でぐるぐる回っている。以前はなかった店だな、と思ったら「since2014」と書いてあった。みうらじゅんが「歴史が浅いのにsinceを名乗りたがる問題」について語っているのをラジオで聞いたことがあるが、それを思い出した。

ケバブ屋っていうのはその多くが外国人(トルコ方面の人?)によって運営されているけど、一体どういうツテでお店を展開しているのだろう?由緒ある神社のお祭りでもケバブ屋台が珍しくないご時世。テキ屋さんとどう知り合ったのか謎。

で、ここはケバブ屋なのかと思ったら、店頭には「アルプスの少女ハイジも愛したラクレットチーズ」と書かれている。スイス?ここはどこの国の料理店だ?

と思ったら、たくさんのビールロゴが掲げられている。そこにはトルコのエフェスビールだけでなく、アメリカのバドワイザーとかメキシコのコロナとかドイツのレーベンブロイとか、いろいろあるようだ。なんだこのチャンポンぶりは?と思ったら、どうやらビアホールらしい。

精力剤自販機

18:50
大須観音のすぐ手前に、精力剤などを売る自販機がある。僕の中では大須名物だと認識しているんだが、世の中一般的にはどうなのだろう?前回名古屋に訪れた時も、この自販機を大変に興味深く観察している。

「蛋白質、今日は朝早かったからさぞやお疲れでしょう。どうだ精力剤を一本?」
「いらんわ、そんなものに頼らなくても十分だ。今更興奮させてどうする」
「どうするって?いや、今晩は男性専用サウナだろ?」
「おい!それはどういう意味だ?」
「どういう意味って、そういうつもりで予約を入れたんじゃなかったのか?」
「そんな趣味はないわ!」

18:51
下世話な冗談をやりあっているのはそこそこにして、精力剤自販機のすぐ向かいが大須観音。

大須観音山門

仁王がふんぞり返る仁王門がお出迎え。

大須観音

昼間はハトがいっぱいいる境内だけど、日が暮れたということでハトの姿がない。一体どこへ消えてしまったんだ?ハトの寝床ってどこにあるのだろう。

「そうか!なるほど!」

と傍らでは蛋白質が手をポンと叩いてなにやら感心している。彼は彼なりに、このお寺の構造に対して気づいた何かがあったらしい。それについて解説を聞いたんだが、すまん、全部忘れた。

本堂は、2階にご本尊の聖観音がいて、1階と地下1階にはそれぞれホールがある立体構造になっている。そういえば、カソリックの教会で階が分かれているのって、聞いたことがない。せいぜい、ロフト部分にパイプオルガンとか聖歌隊席があるくらいだ。文化の違いなのだろう。

おしまい

18:59
せっかくなので、お詣りをする。

お祈りをして、本堂から外に出たら、その直後にお寺の人がお堂の扉を閉め始めた。

「あぶねー、もう閉まるところだった。ギリギリセーフだ」

かろうじてセーフ。東別院でお詣りできなかった分を大須観音で晴らす。

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