愛知迷走【SAGASE! ~ 記憶を呼び起こし 駅を探し出せ ~】

2016年05月05日(木) 3日目

朝の栄

07:05
最終日の朝を迎えた。今日は昨日ほどではないとはいえ、朝6時すぎの起床だった。相変わらず、アワレみ隊企画をやっているときの朝は早い。 今日は「まだ乗っていない名鉄線」でもある名鉄小牧線に乗り、「続・神社仏閣巡り」の予定となっている。

目指すは、「男根信仰」の田縣神社、「女陰信仰」の大縣神社だ(注:正確には信仰対象ではないのだろうが、ざっくりと説明するために無茶な区分けをした)。 朝早く出かけるほどの遠くはないのだけど、何しろ11時過ぎの新幹線で予約を入れている僕の都合がある。逆算すると、こんな時間に出撃となった。朝飯については、いったん神社近辺まで行ってから、そのあたりにあるお店で適当にお世話になることにした。

「大丈夫かな?あんなところに喫茶店なんてあったっけ」

ちぇるのぶが心配するが、しぶちょおが 「名古屋なめんな。喫茶店なんてどこにでもある」 と笑って一蹴。いちいち探すまでもない、ということだ。さすがだ。

カプセルホテルのチェックアウトを済ませ、栄の町を歩く。しかし頭の中にあるのは、昨晩大浴場を満喫する蛋白質の姿だった。大浴場には、大の大人でも胸あたりまで沈み込む水深の風呂があり、プールとしてみんなが泳いでいた。蛋白質も、晴れやかな顔をして風呂の隅から隅まで泳いでいたのだが・・・

「やめろ、平泳ぎだけはやめろ!何も履いていないんだぞ!」

クロールまでは許す。バタフライも許す。でも平泳ぎはよせ。 そんな昨晩の光景を思い出したので、朝から清清しくはなかった。蛋白質に 「水着無しで泳ぐ気分はどうだった?開放感あったか?」 と聞いてみたが、「特にそんなことはない」と普通の顔だった。 「むしろ水の抵抗が増えたか?」 「なんで固くなってるんだよ。それに抵抗になるほどのモノじゃないわ!」 朝からなんという会話。

金色のポスト

名古屋といえば名古屋城、名古屋城といえば金のしゃちほこ。というわけで、郵便ポストまで金色だった。開運ポスト、と書かれている。景品があたるアンケートなどに応募する際は、このポストを使うとご利益あるかもしれない。 しかし世知辛い世の中だ。「防犯カメラ設置」というステッカーも貼ってあった。ポストに悪さをする人がいたら容赦しないぞ、というわけだ。 「まさか、このポストそのものが純金製・・・?」 いや、さすがにそれはない。

07:24
しぶちょお、ちぇるのぶと合流し、地下鉄に乗って移動する。「平安通」駅まで地下鉄名城線で移動し、そこから地下鉄上飯田線に乗り換え。この上飯田線は800メートル先の上飯田駅までの非常に短い路線で、そこから先の名鉄小牧線にそのまま乗り入れをしている。逆に言うと、名鉄小牧線は上飯田線が開通(2003年)するまで、非常に宙ぶらりんなところに終着駅があったということだ。

地下鉄

「あれっ、犬山行き?」 行き先表示を見ると、「犬山」と表示されていた。昨日の今頃、「SAGASE!」で上小田井から犬山に向かったっけ。またか。 昨日と違う向きに進んでいるつもりだったのに、結局また犬山なのか。地理感が乏しい土地なので、頭が混乱する。

あっという間に田園風景

07:53
地下鉄区間を2駅ほど走ったのち、名鉄は地上に出る。景色はどんどん田園風景化していき、名古屋からほど近いのが信じられない光景が展開される。 「出遅れ路線なんだよ」 しぶちょおが教えてくれる。

「上飯田から平安通りまでの地下鉄区間がなかなか開通しなかったので、沿線開発が進んでいない。名古屋中心部から近いのにね」
「へー。なら、一戸建てを買うならこの辺りが狙い目?」

狙ってどうするんだ。アンタ仕事場は東京だろう?

こういう広い平野部を見ると、「ああ、なんで住宅にならないんだろう」とついつい思ってしまう。それは、僕の育ちが広島だからということが大きい。広島市は、6つの川からなる狭いデルタ地帯と、その周辺の山々を大幅に切り崩した団地から形成されている。空き地なんて全然ない。 なので、お隣の岡山県あたりをJR山陽本線で移動していると、岡山平野に広がる田園風景が不安になってくる。おい、シラサギが優雅に用水路で餌を探しているぞ、と。人が住まなくていいのか?田んぼにしていていいのか?と。

でも全国的には、平野に人が住んでいないというのは特に珍しいことではないようだ。日本三大都市圏の一つ、名古屋の近郊でさえこの光景なのだから。

07:55
田県神社前の駅を素通りし、次の駅である「楽田」駅で下車。ここから山に向けて歩いて行った先に、目指す「大縣(おおあがた)神社」がある。あと2駅進めば、もう犬山。

駅に到着

楽田駅は自動改札があるけど、無人駅だった。僕と蛋白質はSuicaやICOCAで自動改札を通過できたのだが、立ち往生を食らってしまったのが地元民のしぶちょおとちぇるのぶだった。二人とも、名古屋市営地下鉄&バスの1日乗車券「ドニチエコきっぷ」を使っていたからだ。

改札に設置されている自動精算機を使おうとしたが、名鉄の精算機なので市営地下鉄の磁気カードが読み取れずエラーになる。 さてどうしたものか、と途方に暮れて、備え付けの電話機でどこか遠隔地の名鉄事務所に電話をかけた。二人が事情を説明すると、そのドニチエコきっぷを精算機のある位置に置け、という指示が出た。どうやら、この精算機にはカメラが仕込まれているらしく、切符を所定の位置に置いたら駅員さんが遠隔で目視確認できるようだ。 ドニチエコきっぷの日付が今日であることなどを確認したのだろう、今度は駅員さんが精算機を遠隔操作し、ちゃんと精算できるように設定してくれた。へー、そんなことができるのか。よくできているものだな。

駅から出る

07:59
というわけで晴れて脱獄完了。楽田駅の外に出る。

消防署

外に出たものの、駅前にお店があるわけでもなく、一堂途方にくれた。ええと、コンビニもないのね。そりゃそうか。朝ごはん、どうしようかねえ。 とりあえず近くを走る通りに出ることにする。左右をキョロキョロ見渡せば、例の黄色いパトランプがあるかもしれない。

駅近くにあった消防団の倉庫には、「火なんかにまけないぞ!!」と勇ましいせりふとともに、ヘルメットをかぶった金太郎の姿が。熊をブン投げているが、ちょっと待ってほしい、それは火ではない。熊、とんだとばっちりだ。

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