愛知迷走【SAGASE! ~ 記憶を呼び起こし 駅を探し出せ ~】

ようやく見えてきた

08:53
朝とはいえ、天気が良い5月初旬ともなれば結構暑くなってくる。これまで二日間の疲労が足に溜まっているので、延々とてくてく歩くのは正直しんどい。ひたすらまっすぐの道なので、なおさらだ。 そういえば、昨晩はいよいよ足の裏がむくんで痛くなったんだっけ。で、30分くらい悩みに悩んだ末、カプセルホテルの足ツボマッサージを受ける決心をしたのだった。

「マッサージは気持ちいいけど、クセになるし、際限なく金がかかるので止めたほうがいい」 というのが2016年における僕の持論。マッサージを愛するが故の、距離感だ。その禁を破っての決心だった。しかし、意を決してホテルのフロントに申込をしたところ、「ご案内は深夜1時からですね」といわれてしまった。えっ、今まだ23時なのに。2時間も先なのか。・・・あえなく断念。 で、現在足のむくみが取れないまま歩いております。

大縣神社鳥居

ひたすらまっすぐの道路突き当りが、大縣神社境内。大きな石の鳥居がお出迎え。

この近くに採石場があるらしく、平日は大型トラックが頻繁に行き交う道路らしいのだが、GW中ということでいたって静かな参道だった。そういえば、参拝客の数自体もとても少ない。田縣神社の賑わいとは大違いだ。こちらは、知名度が低いらしい。

「いや、その割にはかなり立派だぞ?」

油断していた、とばかりにしぶちょおが感嘆の声を上げる。

「巫女さんも結構いるし」

確かに、境内では巫女さんがあちこちに散らばって朝の掃き掃除を行っていた。常勤する巫女さんがいるのだから、常に信仰を集めている場所なのだろう。

「どうやら、女性器を祀るようになったのって後付けらしいな。もともとはそういう神社ではなかったらしいけど、男性器の田縣神社があるからってことで祀るようになったらしい」

そんなこともあるものだな。沿線の乗客を増やすための名鉄の陰謀?・・・いや、陰謀論にするには強引すぎるか。

20160503-522

大縣神社拝殿。とても立派な屋根で、その曲線ときれいに刈り込まれた萱葺きが印象的。 「おい、こりゃかなり立派だぞ?」 「エロ目的で訪れた人はびっくりだな」 この光景には結構圧倒される。

鑑賞中

拝殿の前で、境内をぽかんと眺めるアワレみ隊ご一行。 面白いのは、これだけ立派な拝殿(と、その奥にある本殿)なのに、楽田駅からまっすぐ続く参道と鳥居から見て90度ずれた場所にあるということだ。これじゃ、参道脇のおまけの建物のようだ。何か意味があるのだろう。 蛋白質が、この地でも何か「宗教的なヒント」を得て語っていた気がするけど、全く覚えていない。

境内

「むすび池祈願受付所」というテントがあった。初穂料100円。何事かと思ったら、拝領した祈祷紙の上に100円玉を乗せて池の水面に浮かべ、「早く沈んだら祈願成就は遠い」「ゆっくり沈めば祈願成就は近い」という占いらしい。 「その『早い・遅い』の基準ってなんだろうな?」 「主観だろ」 つまり、かくれんぼの時に鬼が「いーち、にーぃ、さーん」と数えるときと一緒だ。 「おい、誰かやれよ」 「お前がやれよ」 結局誰もやらなかった。

奥にべつの建物

拝殿が脇に追いやられているような構造の境内だが、ほぼ真ん中にデンと存在しているのがこれ。 赤い建物の「姫之宮」。 建物自体はこじんまりしているが、位置関係としては拝殿・本殿よりもえらいのかもしれない。そうでないのかもしれない。そういえば伊勢神宮ってお宮の位置が随分不思議だったっけ。神道には独特な位置関係っていうのがあるのかもしれないので、素人判断でこのあたりは語れない。 姫之宮は、玉姫命を祀ったお宮になっている。女性の願い事に強いようだ。良縁、安産、そして婦人病治癒など。あれっ、男ども4名で訪れている我々としてはどうすればいいの?

「とりあえずイイオンナに恵まれますように、って祈っておこう」

「とりあえず」とか口走っている時点で逼迫感がなく、たぶん神様からは相手にされないと思う。

それにしてもなるほど、こういう「女性のためのお宮」があるからこそ、この大縣神社が田縣神社と対比されるのか。あれ?でも肝心の「そのものずばり」なものは? ゲスい興味で申し訳ないのだが、やっぱり折角なので拝ませていただきたい。拝んだついでに「ただいま。」と一言告げたい。 よせ、やっぱり変な方向に話を持っていこうとしているだろ。もっと謙虚になれ。ふざけるな。

こちらも建物

姫之宮の隣、これまた90度横向きになった場所に新しい神社があった。「大国恵比寿神社」だそうだ。 本当は謂われとかいろいろ覚えたいところだ。しかし、祀られている神様の名前さえも覚えられないんだよな。読み仮名がまずわからん、というところから始まるから。日本人としてお恥ずかしい限りだが、大抵の日本人は同類だと思う。僕の場合アマテラスさんと大国主命くらいしか覚えきれない。あとはなんだっけ、状態。 なるほど、道理で神社でお祈りをしてもご利益が薄いわけだ。祈っている相手の神様のことを「で、アンタ誰?」状態なんだから。

奉納されたウイスキー樽

この大黒恵比寿神社には、ウイスキー樽が奉納されていたのでびっくり。あるんだな、そんなことが。サントリー山崎醸造所の樽だ。 確かに、お神酒は清酒でなくちゃいかん、というルールはあるまい。ウイスキーでも、なんならワインでも構わないかもしれない。あ、でもワインでは「お清め」という意味合いから少し離れるか?

ウイスキーは熟成が進むにつれ水分が蒸発し、樽の中の空間が徐々に広がっていく。この蒸発して目減りした分のことを「天使の取り分」というのだが、神社に奉納されたウイスキーはどうなんだろう。神道では「天使」のような概念はないと思うので、「妖怪の取り分」にでもなるのだろうか?

小さな建物

姫之宮の隣に、同じ朱色をした小さな建物があった。中は、大人のひざの高さくらいしかない鳥居が地面にめり込んでいる。なんだこりゃ?

お祈り方法

開運招福ミニ鳥居、と書いてある。 「願いを込めておくぐり下さい」だって。あ、この鳥居をくぐるのか。またぐんじゃなくって?

祈るおかでん
祈るおかでん2

折角なのでやってみた。 一礼して、祓串を左右に振る。 めったに祓串なんて手にしないので、軽快な振り方がよくわからない。あえて手首のスナップをきかせて、バサーッ、バサーッと振ってみた。うん、なんとなくそれっぽい気がする。

でも、そんな邪念が入り込んでいる時点で、「お祓い」にはなっていない気がする。本来なら、心清らかにするべきものなのに。

土下座

そのあと、靴を脱いで鳥居の前に正座。・・・こういうときは「土下座」とは言わないだろうな、ちゃんと敷物が敷いてあるし。 願い事をしたのち、鳥居を潜り抜けた。 ここでデブだったら途中でひっかかり、抜けなくなって大変!なんて展開が期待できるのだけど、僕はそこまでデブではない。残念だったな、するりとすり抜けた。

「どうだ?」
「うん!願いがかなった気がする!」

いつの間にか、「ちゃんとこの鳥居をくぐれるだろうか」という心配から、願い事が「鳥居をちゃんとくぐれますように」になっていた。200円払ってなんなのその願い事は。

姫石

ミニ鳥居から少し奥にいったところに「姫岩」なるものがあるようだ。どうやらこれが我々のお目当て・・・といったらよくないが、「気になるもの」らしい。 行ってみると、小さなほこらに、なにやら古木の切り株みたいなしわくちゃの岩が祀られていた。

「あー」
「あー・・・なるほど」
「なるほど、なのか?」
「いや、まあ、その、だな」

なんだか、秘宝館に訪れたかのような気持ちになってしまった。

「言われてみればそうだけど、ねぇ・・・」
「うーん」

男子校出身者4名、さっきから唸ったりため息をついたり。

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