愛知迷走【SAGASE! ~ 記憶を呼び起こし 駅を探し出せ ~】

喫茶店

09:32
自動車館の方に向かっていく通路の一角に喫茶スペースがあった。ここは開館と同時に営業を開始しており、ようやく我々の胃袋を落ち着かせてくれそうだ。

入口に向けて、床に矢印のテープが貼ってある。「まさか行列でもできるんだろうか?」と冗談で話をしていたら、昼時には本当に行列ができていてびっくりした。

「その気になりゃ、一日滞在できるような場所だからな。それだけの規模にしては休めるところが少ないから混むんだろう」

としぶちょおは言う。でけぇなあ、もう。なんならフードコートを作って、ハンバーガー屋とかラーメン屋とかテナントに入れてもいいくらいかもしれない。

お品書き

あくまでも店名は「MUSEUM CAFE」。あ、そうか、いわゆる「名古屋メシ」としておなじみの「モーニングを食べさせる、サ店」というわけではないのか。

「いや、モーニングもあるぞ?」

ん?そうなの?それは願ったりだ、やっぱり、名古屋までやってきたからには「朝だからモーニング、食べたった」というのは旅情だからだ。腹を満たすために牛丼屋で朝定食を食べる、というのとは意味が全く違う。

モーニングセット

で、そのモーニングだけど、メニューの片隅に掲示されてあった。9:30~11:00 ONLY、だって。よっしゃよっしゃ、今ちょうど9:30だぜ。ええと、「レジ前の棚からパンを2つお選びください。セットドリンクは¥260からお選びください。」と書いてあるぞ。それでお値段、350円。

もともとのドリンクが260円なのだから、+90円でパンが2個付くよ、というわけだ。「ドリンクを頼んだら、値段は変わらないのにトーストやゆで卵がサービスで付いてきた」というタイプのモーニングではないものの、安い。

そもそも、ミュージアムカフェなんてお高く止まって営業したって商売が成り立つものだ。それなのに、わざわざお得なモーニングセットを設けるのだから、いかに愛知界隈でモーニング文化が根付いているか、ということだ。東京ではこういうのは見たことがない。・・・あ、それ以前に東京の美術館や博物館の喫茶店に入ったことがないのだけど。

並ぶ

MUSEUM CAFEのカウンターで、めいめいが注文をする。

朝食

09:36
これがMUSEUM CAFEの「モーニング・セット」。個包装されたパンが何種類も置いてあったので、よさげなのを2つほどチョイス。飲み物はりんごジュース。

これだけを見ると、「名古屋のモーニング文化!」といった風情は全くない。値段的にお得、というだけのことだ。しかし、やっぱり嬉しいものですよそりゃあ。「今俺は350円でモーニング食ってるゥゥゥ」という。食べているのは普通のパンと、普通のりんごジュースなんだけど。

しぶちょおはカレー

「俺はカレーにした」
「うお、一人だけカレーかよ」

しぶちょおだけは朝からカレーだった。愛知の地元民として、今更モーニングってほどでもないよ、ということなのか、それともパン2個じゃ物足りねえ、コメ喰わせろ、という一人米騒動状態なのか。

先ほどまで「旅情だ!モーニングだ!」とホクホクしていた自分が急にスケールが小さい人間のように思えてきた。折角だから、「ソーセージ盛り合わせ」のような意味不明な朝食にすれば良かったか。

アワレみ隊活動、というのは、一種の「祭り」だ。ワッショイワッショイとやってこそ、楽しい。この感覚、3年近く忘れていたなあ。油断していた。もちろん、朝から「ソーセージ盛り合わせ」を食べたいなんて思ってはいない。しかし、こういうメンツがいる空間だからこそ、「よーしソーセージ盛り合わせ頼んじゃうぞ」ってスカッとする。誰も「やめとけ」なんて言わないし、不必要にヒューヒュー言ってあおり立てることもしない。その距離感はさすが長年のつきあいだ。

あ、ばばろあがいたら、「おっちゃんおっちゃん、もうええ歳なんじゃけえやめとけや。朝からソーセージ食ってもなんもええことないで。もう少し栄養とか考ええや」と言ってたしなめているだろうな。

織機が動くのを見る

09:57
10時から環状織機のデモンストレーションがあるというので再訪。

えーと、相変わらずよくわからない。この機械の下の方は・・・まだ糸だな。そしてなにやらフリスビーみたいなUFOみたいな、リングがあるところより上は布になっていて、最後は上のところでロール状に巻き上げられている。

パーツアップ

職員さんの簡単な解説ののち、スイッチが押され始動された。これだけごつい機械なので、「ぎゅいいいいん」「ガチャン!」という音がなるものだと身構えたが、するするする・・・と動いて拍子抜けした。えっ、今これ、機織りをやってるの?

先ほどフリスビーと形容したリングが、ゆっくりと斜めに傾いたり戻ったりしている。その動きを経ると、あら不思議糸が布になっている。どういうことだこれ。

隣では蛋白質がポン、と手を叩き、「そうか!ロータリー構造になっているのか!なるほど!」と「一本取られました」的な顔をして納得している。どうやらなるほどらしい。なんとなくわかったけど、相変わらず頭の中でモヤモヤしてしまう機械だ。どうなっとるんだこれは、という気持ちは最後まで残り続けた。それくらい不思議かつすごい機械。

画期的だとは思うけど、この構造を持つ機械が今の紡績で使われているわけではないようだ。アイディアは凄かったけど、メンテナンス性に問題があるなど課題があったのだろうか。

それにしてもさすが100年前の機械だ、1つの動力源をいろいろな形で分岐させ力の向きや量を調整するメカがあちこち。かっこいい。

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