愛知迷走【SAGASE! ~ 記憶を呼び起こし 駅を探し出せ ~】

コメダ珈琲店へ

17:57
「SAGASE!」が終わってみて、「さてどうしよう」ということになった。「SAGASE!」がどれくらいの規模感で、どのあたりを放浪するハメになるのかは事前に全く予想がついていなかったからだ。

終電間際までウロウロするのか、それとも午前中であっさり終わるのか、疲労困憊具合はどうなのか。わからないので、「終わったら何をする?」ということは全くのノーアイディアだった。

さて、どうしよう?そろそろ夕飯時なので、とっととメシでも食うか。

そんな時、しぶちょおが「本格的な中国料理店が、栄の近くにある」と言う。

「中国人客がたくさんいるような店で、料理も日本人に媚を売っていない本格的なものだ。(中国留学経験がある)ちぇるのぶも褒めている店だぞ」

ほほう。名古屋メシを食べるという観点から、中華料理を食べるなら「味仙で台湾ラーメン」だと思っていたのだが、別の方面からの提案だ。名古屋で中国料理?とは思うが、地元民推奨のお店ならきっと良いお店に違いない。その話に乗ることにした。

ただし、人気店につき予約が必要なのだという。しぶちょおがお店に電話したところ、「20時からなら空いている」ということだった。20時?これまた、微妙な時間だ。現在18時なので、2時間の余りができた。中途半端な時間なのでいったん解散してまた集合、というわけにはいかないし、かといって何かこれからするには時間が足りない。

「ならセントレアに行くしかあるまい?」
「いや、セントレアはちょっと」

さすがにセントレアは無理だ。そこまでの体力は残っていなかった。

あと、蛋白質から「雀荘に行くというのはどうだ?」という提案があったが、移動時間を考慮して1時間で麻雀、というのはちょっと無理があるような。とりあえずパス。

結局、「明日どうするか考えないといけないし、いったんどっかの喫茶店にでも入ろう」ということになった。

名古屋といえば喫茶店はよりどりみどりなわけだが、僕が「これまでコメダ珈琲(本店は名古屋市のチェーン店。現在急速に全国展開中)に入った事がない」と言ったら、しぶちょおが「だったらこの際、コメダに行くべきだ」と力強く宣言。そのまま、栄にあるコメダ珈琲に行く事になった。

アイスコーヒー

僕は「たっぷりアイスコーヒー」(500円)を頼んだ。ノーマルのアイスコーヒーは400円なのに対して、「たっぷり」は100円増しで1.5倍でお得。さらに豆菓子が付いてきたのでこれまたお得。

・・・が、ここでトラブル発生。 蛋白質(ホットコーヒーを注文)と僕にはこの豆菓子が付いてきたのだが、しぶちょおとちぇるのぶには豆が付いてこなかったからだ。

それでちぇるのぶが「豆が付いていない」と店員さんに指摘したら、そこから延々とすったもんだの開始。

店員さんは外国の方で、日本語がまともに通じない。「豆が付かない」の一点張りだ。ちぇるのぶは「なぜ付かないのか?どのメニューを頼んでも豆は付くはずだ」とその「理由」を聞いているのだけど、話しがまったくかみ合わない。

しばらくして、「コーヒーを頼んだ人にしか豆はつかない」というのがお店の主張であるということがようやくわかった。 さあ今度はちぇるのぶ、 「私が頼んだのはコーヒーフロートなわけだが、これは『コーヒーではない』ということなのか?」 と疑問を呈する。これがまた話が通じない。

「豆くらいどうでもいいじゃねぇか」と端から見ていて思うのだが、ちぇるのぶとしては純粋に理由が知りたかったらしい。

しかし、言葉が通じないというのは残酷なものだ、単なる「確認のプロセス」のはずが、だんだんイライラの要素が含まれ始めた。 ようやくちぇるのぶが「コーヒーフロートはコーヒーとみなさないので、豆のおまけは付かない」というお店のルールを承服したものの、ちぇるのぶの質問はまだ途切れない。彼がそもそも店員さんを呼び止めたのは、「おまけの豆はどのお店でも、どの注文でも付くはずだ」という前提があるからだ。

で、これも哀れな外国人ウエイターさんには理解ができない、説明ができない。しまいには外国人特有の「表情をモロに出してふてくされちゃう」ことをやっちゃったものだから、ちぇるのぶは「アンタじゃ通じないから別の人と話をする」とまで言いだし、レジカウンターに突撃していった。

「・・・豆だぞ?たかだか」
「いやまあ、そうなんだけど、アイツが言ってるのはもっともなんだよ。豆は普通何を頼んでも出てくるはずなんだよ」

しばらくして、レジカウンターの方から興奮したちぇるのぶが声を荒らげる音が聞こえてきた。

「・・・豆、だよな?」
「ああ、豆の話だ」

ちなみにこのコメダの付きだし用豆は「カロリー豆」と呼ばれており、単品購入すると10円らしい。たかだか10円でエキサイト。しかし、別に10円が惜しくて揉めているわけではない。むしろ、面倒がった店員さんから「じゃあ豆を出すから」みたいなことを言われ、「そういう事を言ってるんじゃない」と言い返す有様。 一体どこにこのトラブルの落としどころがあるのか、誰もわからない状態になってしまった。

10分くらい揉めていただろうか?ちぇるのぶが戻って来て、悲しい顔をしながら深い深いため息をついている。まるで、身内に不幸があったかのような沈痛の面持ちだ。 結局、何も得るものなく帰ってきたというわけだ。

「どうだった?」
「さっきの店員、日本語が通じないから別の人を出せ、って言ったら、その人も外国人だったんだよ。それでますます話が通じなくなった」

なんてこったい。 後で調べてみたら、このカロリー豆、基本的にはお客さんに1袋ずつ無料で振る舞われるものらしいのだが、店によってはそういうルールがないところもあるようだ。まさに今回我々が訪れたお店がそうだったというわけだ。紛らわしいから全店統一ルールにすればいいのに。 お騒がせして申し訳ありませんでした。たかがサービスの豆でお手間を取らせてしまいました。

・・・しかし、トラブル対応をする際、ちゃんと言葉が通じる人がやらないと逆効果だな。いらだちが、「言葉がまともに通じない」ことで増幅されてしまう。で、何に対して苦情を言っているのかが意味不明になってしまう。 今回に関しては、 「他店でどうなっているかは存じ上げませんが、当店ではノーマルのホットコーヒーおよびアイスコーヒーのみにカロリー豆をサービスするルールになっております。それ以外のご注文の方には付きません。ご要望であれば、10円で販売しておりますので、お買い求めください」 ということだ。

しかし、言葉の壁のせいでこじれちゃった。

「日本人店員は他にもいたんだよ。でも、我関せずで外国人スタッフに任せっきりだったんだよ」

ちぇるのぶはため息をつきつつ語る。・・・ほら、苦情の本質から全然違うところが話題の主になってる。

シロノワール

気を取り直して、コメダ名物「シロ・ノワール」(600円)を食べよう。デニッシュパンの上にソフトクリームが乗った代物。初めて見た!噂はかねがね聞いていたのだけど。 コメダといえばシロ・ノワール、そしてこの料理について回る言葉が「デカい」と「カロリー高そう」というものだ。なので、僕も相当警戒していたのだけど、警戒しすぎて実物を見ると「あれっ、こんなものか」と思ってしまった。期待を高めすぎた。

もっとも、これを四人でシェアする、という前提があるから「こんなものか」と感じるわけで。一人で食べるのであれば、やめろやめろと言わざるをえないデカさ。

小倉トースト

しぶちょおは小倉トーストを注文していた。やあ、これもカロリーを気にしていたら食べられない料理だ。 たっぷりのマーガリンと、小倉。 愛知県の人たちの健康寿命って全国平均と比べてどの程度なのか、気になる。

おやつタイム

この後夕ご飯がある、というのになにやら盛大にメシを喰う人々。

ちぇるのぶは、自分のコーヒーフロートがすっかり溶けてしまっていた。抗議に時間を取られていたからだ。

「交換してもらうか?これはさすがに要求してもいい性質のものだろ」

という話が出たが、さすがにちぇるのぶは

「いやあ、いいわ。またあの店員たちとやりとりするの、もう疲れた」

といって溶けてしまったフロート部分を渋い顔をしながら飲んでいた。

ラブドールについて語る

夕食の予約が20時なのでまだ時間がある。 ラブドールの展覧会に行ってきたばかりの僕(アワレみ隊OnTheFacebook参照)が、展覧会パンフを蛋白質に渡し

「どの娘と添い遂げるか、そろそろ決着を出したほうがいいと思うんだ」

と結論を迫る。 現在のラブドールというのは、「男性の性的不満を充足するためのもの」という範疇を超越し、一種独特の世界観を築きあげている。その精巧さから「アート」のような、そうでないような不思議さがある。男性が理想化する異性像を具現化したものであるから当然かわいいのだが、だからこそのフェイク感も若干ある。見れば見るほど、モヤモヤさせられる、喉に小骨が詰まった感がある存在。

そんなラブドールを前に、蛋白質は

「造型師が捉えた女性の姿の表現物が、 カメラマンに捉え直されて再表現され、 その姿を我々が捉え直して議論してる」
「コレ買うくらいなら高級品の楽器を買う。 ラブドールは一方的に消費することしか出来ないけど、 楽器なら協働によって新たな価値を生み出し得るから」

だのいろいろ真面目に熱く語った。かれはいつも真面目で一本気だ。「エロエロやんけ!」みたいなことは言わない。

喫茶店の中でラブドール議論をしている男4名は端から見るとシュールな光景だっただろう。しかし、我々は至って真面目に話をしていた。結局、蛋白質は「一体、購入するわ。」と決心しなかったけど。

栄の町を歩く

19:09
お店は店内清掃のため19時に臨時閉店となったため、夕食までの残り1時間はフラフラ町歩きをしなが時間を潰す。 おう、駐車場には男性同士が抱き合っている看板が掲げられているぞ。しぶちょおは

「このあたりは男性同士のハッテン場になってるんだ」

と教えてくれた。へえ、名古屋にもそういう場所があるのか。

発展場のメッカらしい

この公園がまさにその舞台らしいのだが、横を素通りしただけで中まで立ち入ることはしなかった。そもそも僕ら、男4人で仲良く歩いていてそれっぽいし。

お店

この界隈は雑多な繁華街といった感じ。人の往来が激しいというわけではないけど、ラブホテルを筆頭に風俗店、外国料理の店やバーなどが並ぶ。

中国食材店

中華食材のお店もあった。 中に入って、あれこれ物色する。東京だったら、池袋北口にリトルチャイナが形成されており、この手のお店が何軒もある。そこと同じ雰囲気だ。場所が変わっても、雰囲気や扱っている商品は似ている。

豆腐干絲(とうふかんす。麺状の豆腐)は大好物なので欲しかったが、わざわざ名古屋で買うのも荷物になるのでやめておいた。 中華食材のお店に行かないと売っていないんだよね、これ。町中のスーパーで売ってもいいのに。おいしいんだから。

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