
まず最初にテーブルにやってきたのは、小袋。やってやるぞ感満点の、ガツンとしたビジュアルに一同のけぞる。いいぞ、「まずは前菜として口の中を慣らしておいて・・・」なんて余計な前奏はここには存在しない。
だってもう、赤いんだもの。そして、辛さを内外にアピールすべく、唐辛子の種がちらほらとhelloしてるんだもの。酒飲みならこのビジュアルでガンガン飲めるだろうし、メシ喰いならこれを丼にぶっかけてガンガン喰える。
ちなみに「小袋」って、豚の子宮のことなんだよな。本当に余さずいろいろなところを食べるものだな、人間という生き物は。

アサリ炒めも頼んでおいたのだが、炒めたんだか煮たんだか、というあさりスープ状態で出てきた。これもまたたまらんよなあ。さっきの小袋もそうだけど、「余ったスープをお持ち帰りできる袋を50円で別売りします。なんなら、持ち歩きしやすいように片栗粉でとろみを追加します(+100円)」なんてオプションメニューがあったら、頼む人は絶対にいると思うぞ。
「あさりってさあ、食べるの面倒だよね」
とか文句を言いながらみんな食べるんだけど、なんだか、ガチャガチャ貝殻を鳴らしながら皿からすくい上げる時の音とか雰囲気って、幸せな気持ちにさせられるよな?そうだよな?あれ?

メニューが豊富ということもあって、注文した全品がお店のおすすめ品なのだが、なんだかどれも赤黒いぞ。メニューに「唐辛子とニンニク注意」の警告文字が無造作に表示されているのはこういうことだ。
こちらは、手羽先。「世界の山ちゃん」などでおなじみの、塩胡椒のきいた揚げ手羽先ではなく、煮豚風にふっくら仕上がったやつ。こいつを前歯で骨からこそげ落としつつかじり、飲み込むのが至福の時。

これは何だっけ?料理名を覚えていない。
肉とピーマンが確認できる。よし、今日からお前は「青椒肉絲(チンジャオロース)」と名付ける。
いやさすがにそれは無理があるか。えーと。まあいいや、とにかくこいつもやっぱり唐辛子とにんにくが入っているので、そっち系が大好きな人にはたまらんわけで。

そして、これがお目当てだったという台湾ラーメンが到着。まだ飲んでいる途中だけど、さすがに昼間っから本格的な居酒屋宴会をやろうとしているわけではない。シメのラーメンだろうがなんだろうが、ガンガン持って来ちゃってください。
このお店には、ノーマルの台湾ラーメンの他に「ミニ台湾ラーメン」が存在する。ノーマルが680円なのに対して、ミニだと380円。シメに軽く食べたいな、という向きにはとても素敵なメニューだ。
で、僕は、この後も食べ歩きが続くんだし、既にこのお店でいろいろ頼んでいるんだし、台湾ラーメンは各自「味見程度に、小皿に取り分ける」くらいの量で良いものだと思った。だから、注文する際に
「えーと、台湾ラーメン1つ・・・いや、2つ?かな?」
と店員に伝えようとしたのだが、全員からブーイングを受けてしまった。
「えー。折角だから一人一杯食べようよ」
「一人一杯!?マジですか?」
「折角ミニがあるんだし」
そんなわけで、ミニとはいえ、一人一杯ずつの台湾ラーメンの発注となった。よくやるよ、まったく。
このオフ会メンツの中では僕が一番最年少となり、みな等しく四十代なのだが、よりにもよって健啖家揃いだ。
健啖家だからこそ、芸能人でもなんでもない一人の兄ちゃんが運営するサイトのオフ会なんぞに顔を出すのだろう。僕と会ったところで何も嬉しくはないだろうが、しっかりとメシと酒を楽しむ場は提供されている。
じゃあ小食の人がオフ会に参加することはあるの?というと、僅かながらもそういう例はある。大食漢以外はお断り、ということではない。
話は脱線するが、オフ会で僕と初対面の人は、「うわー!あのおかでんさんだ!」とかいう反応をする人はまずいない。そりゃそうだ、普通の人だからだ。でもほぼ全員が「ネットで見たまんまですね」と言う。外見だけでなく、喋る内容や行動全てが、だ。最近の10代の若者は、Twitterアカウントを平均3つくらい持っていて、それぞれでキャラクターを使い分けたり公開範囲を変えたりしていると聞く。器用なもんだ。僕なんか、どこまで行っても全く同じキャラだ。演じ分けることができない。

そんな話はどうでもいいんだよ、台湾ラーメンがのびてしまうだろ?早く喰おうぜ。
まあ、そうはいっても、麺のコシが・・・!とかいう類のラーメンではない。見たまんま、ジャンクな食べ物だ。酒のつまみにでも、メシ代わりにでも、どうぞご自由にって感じだ。スポーツ新聞読みながら食べたって全然お下品な感じがしないくらい、ざっくばらんな食べ物。それが台湾ラーメン。
やっぱりこれも味仙らしく、唐辛子とニンニクが前面に出ている。それにニラ。本当に清々しいな、徹底している。ここのオーナー、日本のそうめんなんて食べたら「なんだこのやる気の無い麺料理は!」って激怒するんじゃないか、と心配になるくらいだ。
油がテラテラとスープの表面に浮いているのが、これまたいい。健康とは何だ、ということを敢えて今この世に問いかける、そんな料理。これを豪快に、何の心配もなく食べられるくらい日頃ちゃんとした食生活を送ろうぜ!と敢えて言いたい。この一連の味仙の料理を見て、「塩分が・・・」とか「脂質が・・・」と気にするのは残念すぎる。そうならないような生活を日々過ごしておいて、たまには味仙で豪快にジャンクな料理をかきむしろうぜ。

というわけで人生初の台湾ラーメンを興味津々で食べているまゆみさん。
「あ、思ったより辛くないかも。うん、おいしい。・・・いや、後からきた。ちょっと辛いこれ」
辛くないんだか辛いんだかよくわからないコメントだったが、結果的には最後までおいしく食べきっていた。「アメリカンじゃなくても十分だわ、これだったら」と言っていたくらいだから、ちょうど良かったんだと思う。
どうですかこれが元祖台湾ラーメン。台湾(中華民国)には存在しない、名古屋独特の料理である台湾ラーメンを昼間っから満喫。まずはこれが今回オフ会の「喰い地獄1番目」。全部で10番勝負が予定されているので、まだここがスタート地点だ。

お会計の際、お店の壁に「台湾丼」なるメニューが貼ってある事に気がついた。なんと、こんなどんぶり飯まで存在したのか!これは僕も知らなかった。
台湾ラーメンのご飯バージョン、ということか。しまったな、どうせ僕はお酒を飲まなかったんだし、こっちを頼んでみるというのもありだったな。次回の課題としておこう。生卵がぽとんとオンされているのが憎いじゃないかチクショウ。
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