
オアシス21のエリアにあるシューズショップに行ってみたが、当然お店はまだ開いていない。シャッターがぴっちりと閉まっていた。そりゃそうだ、現在の時刻は朝9時。下ごしらえが必要な飲食店と違うから、開店直前まで店員さんは現れない予感。
自分のせいで予定が遅れてしまうことに焦りと責任を感じているよこさん、そわそわ。
「もー、誰か一人くらい店員さんがいてくれりゃ、どうにかなるのに!」
と誰もいないお店の前で地団駄踏む。
「何もクレームつけようってんじゃないんだから。お金払ってこっちは買う、っつーのに」
このご時世、ここまで「このお店で!モノを買う!」という決意と情熱を持っている客というのはなかなかいないぞ。しかし、その情熱は営業時間外だからこそであり、お店からしたら知ったこっちゃない話なんだけど。

当分お店が開く気配がないので、いったん我々はオアシス21の地上に出てみることにした。さっきからずっと広大な栄の地下街を歩いていたせいもあり、地上と地下の感覚が狂ってしまっている。特にオアシス21は吹き抜けの構造になっているせいもあって、シューズショップがあるエリアは本来地下なのに、地上にいるような錯覚を覚えてしまう。
実際は、ショップがある地下フロアの上にバスターミナルのフロアがあり、さらにその上が地上階だ。地上に出ると、当然燦々と太陽の光が照りつけるのだけど、なんだかビルの屋上にいるかのような錯覚を覚えてしまう。しかし周囲を見渡すと、目線の高さを走る車や歩行者。ここが地面と同じ高さにある、ということに気づかされる。
このオアシス21の地上階は芝生が植えられ、植樹もされている公園になっている。栄という名古屋における超一等地なのになんと贅沢な。
そして、そこからさらに見上げた場所にあるのがガラスの大屋根、「水の宇宙船」。よくもまあこんなすげえものを作ったもんだな、名古屋は。東京でもなかなかお目にかかれないインパクトある空間だ。

我々は木陰で、先ほどのコンパルで仕込んでおいたエビフライサンドを食べることにした。つい30分ほど前、モーニングセットをお店で食べたばっかりなんだけど。でもまあ、暇なんで食べるなら今でしょう。

折り詰めの中にみっちりと詰まったエビフライサンド。コンパルを代表するメニュー。これで930円だ。3等分されているので、1切れ310円・・・。かなりお高い。さすがは海老。さっきの「プラス130円でモーニングセット」とは段違いだ。
今回のオフ会メンバーは6名なので、ちょうど2箱買って数がぴったりだった。5人とか7人とかだと、微妙な空気になっていたと思う。昨日のひつまぶしもそう。こういう食べ歩き系のオフ会をやる場合、人数は偶数の方が良いのかもしれない。

「待って!食べる前に断面撮影!」
みんなめいめいにカメラやスマホを取り出して、記念撮影開始。なんだか「有名人とばったり町で遭遇しました」的な雰囲気。やっぱり、エビフライサンドを前にすると、みんなテンションが上がる。
「テレビや雑誌でやってるみたいに、ほら、断面をだな、こっちに向けて」
なんて細かい注文を付けてみたりする。よくあるでしょ、ステーキとかカツとか、一切れだけ断面が上を向いてるっていうアングル。あれをやりたかったりする。でも、あんまり動かしているとこの豪勢なサンドイッチ自体が崩壊しそうで怖いので、いじくり倒すのはやめた。ボロボロになったのでは意味がない。
あと、我々は木陰にいるので、まだら模様な木漏れ日のせいであんまり美味しそうには写らなかった。まあいいか。記録より記憶で。

コンパルのエビフライサンド、何がうまいって、口に入れるともう海老海老海老、とエビに満たされることだ。それだけ立派な、太いエビを使っている。火が通って縮んでもこのサイズ。そりゃあお値段も張りますぜ。エビの噛みしめ感はイコール満足感だ。仮に「大きなエビの入荷が困難になったので、代わりに小ぶりのエビでやります。エビの尾数を増やすので、重さは以前と一緒です」と言われたって、全然違った味になるはずだ。
「うまいなあ」「いいなあ」
みんなもぐもぐしながら食べる。朝9時にして本日二度目の食事をするとは想定外だった。しかも飲み物なしで。
我々の傍らでは、落ちたパンくずを狙うスズメが我々の様子を首をかしげながら観察していた。おいスズメ、こんな贅沢なものを食べてしまったらこの後生きていくのが辛くなるぞ。大丈夫か?

エビフライサンドを食べつつ、のんびりと名古屋の町を眺める。雲一つない快晴で、今日も5月にしてはかなりの高温が予想された。食べ疲れる前に動き疲れちゃう。早々に靴を交換する作戦に出たよこさんの判断は、結果的に正しかったと思う。ただし本人は「まだ開かない・・・開店時間のはずなのに・・・」と一人やきもき。
正面には、観覧車が見える。サンシャインサカエという6階建ての複合ビルなのだが、観覧車乗り場は3階にあるという不思議な作りだ。普通なら、観覧車というのはその名の通り展望を楽しむものだ。だから、できるだけ高い場所・・・この場合、建物の屋上に作るのがセオリーだろう。しかしそうしないで、中途半端な3階というのがむしろ面白い。時間があれば、こういうところに立ち寄ってみるのも楽しいんだが、あいにくこういう施設も朝9時なんぞにはやっていないものでしてねぇ。11時営業開始、ということなので断念だ。
ちなみにこのサンシャインサカエの2階が、かの有名なSKE48劇場になっている。
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