名古屋なめ尽くしオフ【名古屋】

場内では名古屋めしの屋台があった

名古屋城から退却する。巨大なお城ゆえ、敷地から出るまでもがかなり遠く、歩く。これが真夏でなくて良かった。5月でこの暑さなんだから、8月だとグッタリしてしまったはずだ。

途中、「名古屋城うまいもの茶屋」という屋台が出ていて、「なごやめし ご当地城下町グルメ」という看板を掲げていた。名古屋メシを中心に据えた屋台があるだなんて、気が利いてる。

「ほう、どんな名古屋メシがあるんだろう?」
「この屋台でこれまで我々が食べてきたものが全部揃っていたら、それはそれでやだなー」

・・・しかし、メニューを見たら、「手羽先」と「味噌串カツ」だけの取り扱いだった。ありゃ?

そのかわり、「秋田ポークジャーキー」とか「阿蘇自然豚ソーセージ」、果ては「宇都宮揚げ餃子」といったいろいろバラエティに富んだメニューになっていた。あ、「ご当地城下町グルメ」というのはそういう意味か。名古屋の、ご当地城下町グルメっていうわけではなく、「日本各地のご当地城下町グルメ」っていう意味なんだな。

何も食べずに素通り。

市役所駅は古風な屋根

地下鉄名城線の市役所駅。名古屋城から一番近いところにある出入口は、お城の門風に作ってあって趣向が凝らされていた。

「すげーな、こういうところにも金をかけるんだ」

市営地下鉄の駅だから、これを整備したのは名古屋市ということになる。しゃれっ気がある。

地下鉄黒川駅から歩く

次に我々は、名城線で二駅ばかり郊外に向けて移動。「黒川」という駅で下車した。ここには名古屋名物の一つである「カレーうどん」の元祖、「鯱乃家」があるからだ。

当初、計画立案時にしぶちょおと「名古屋の麺をどうするか」という話をしていた。きしめん、あんけけスパ、味噌煮込みうどん、そしてカレーうどん。食べるタイミングとして二日目にならざるをえないわけだけど、どうしたものかと。味噌煮込み食べてカレーうどん食べる、というのはさすがに胃袋に重たすぎるし、「うどん」連チャン、というのはメンバーの同意が得られそうになかった。

「だったらカレーうどんにしとけ」

しぶちょおは一刀両断した。味噌煮込みも悪くないが、山本屋総本家とかで食べるとなると値段が高いし料理ができあがるまで時間もかかる。また、支店が東京にもあることだし、食べたけりゃそっちで食べればいいだろう、という。そのかわり、カレーうどん、しかも元祖のお店ともなれば東京で食べるのは無理で、だったらこの際食べておけ、というわけだ。

で、下り立った黒川の駅から、路地に入ったところに目指す「鯱乃家」はあるという。しかし、いざ路地に入ってみたら、本当にこういうところにお店があるのか?という雰囲気で、やや心配になった。

いきなり現れた若鯱家・・・ではなく鯱乃家

ここに来てお店ロスト!となったらかなりヤバいので心配だったが、しばらく進むと「カレーうどん」とかかれた看板のお店があった。これが、「鯱乃家」。名古屋におけるカレーうどん発祥の店だ。

ただし待ってほしい、「カレーうどん」の看板からさらに上に視線をやると、「手打ちうどん専門 若鯱家」という看板があることに気がつく。路面に出ている看板には「鯱乃家」と書かれているのに、二階の壁に取り付けられた看板には「若鯱家」。どっちが正しいんだ?まさか一階と二階、別のうどん屋が存在するのか?

正解は「鯱乃家」。しかし、以前は「若鯱家」を名乗っており、その名残でまだ当時の看板が取り残されている。まあ・・・ビジネスの世界で時々耳にするきな臭い話だが、当時若鯱家で働いていた人が独立開業して同じカレーうどんの店を出すことになった際、この「若鯱家」という名前を商標登録してしまったというわけだ。で、若鯱屋という名前を使えなくなったお師匠さん側は、「鯱乃家」という店名に変えて今は営業している、というわけだ。

というわけで、名古屋カレーうどんの祖は「若鯱家」で間違いないのだが、今全国にチェーン展開している「若鯱家」とは違う。「カレーうどん元祖は当時『若鯱家』の名前で当時営業していた、今でいうところの『鯱乃家』」というのが正解。

ちなみに若鯱家は店名を商標登録するくらいだから当然店舗拡大に熱心で、今では東京都内にも何店舗もある。名古屋だけのローカルフードではない。全国では60軒以上あるようだ(2015年8月時点)。

鯱乃家のお品書き

Wikipediaによると、このお店は「繁盛店として知られるとともに名古屋一円のうどん屋の跡取りが修行する店としても有名であった。」という記載がある。その記事だけ読むと、立派な場所に、立派な厨房や大きな客席を誇るお店のように見えるが、実際は素朴なものだ。客席は15席、カウンターのみ。メニューもうどんを中心としたもので、あれやこれやとはやっていない。

ただ、さすがにうどんだけではアカンと思ったのか、ライス、ラーメン系のメニュー3つある。ラーメンライスというのは珍しくない食べ方だけど、うどんライスというのはあんまり馴染みがない。ああそうか、カレーうどんを食べた後、のこったつゆでカレーライスにして食べるのか。

メニューの中に「中華ころ」という謎のものが混じっている。聞いたことがない名前だ。サイコロ状に刻まれたチャーシューのことを「コロチャー」と呼んだりはするが、「中華ころ」とは関係なさそうだ。

調べて見たら、「冷やしラーメン」と呼べる食べ物らしい。温かいつゆではなく、冷たいつゆで食べるラーメン。何で「中華ころ」と呼ぶのかは相変わらず謎。2015年のGoogle検索をもってしても、情報量が少ない。

この「中華ころ」は気になったものの、さすがに「じゃあ僕はカレーうどんじゃなくて中華ころ頼むわー」とは言えない。おとなしく、全員王道の「カレーうどん」(700円)を注文した。そういえば、全員ビールを頼んでいなかったな。・・・あ、そもそもこのお店にビールの取り扱いはないか。

鯱乃家のカレーうどん1

うどんだから、注文が入ってから茹でるとなると10分以上待つだろうな・・・と思っていた。しかし実際はものの数分で全員の卓上にカレーうどんがやってきた。麺はさすがに茹でおきというわけだ。

鯱乃家のカレーうどん2

具はシンプルだが、豚肉とネギに加えて大きな油揚げが入っているのが面白い。

鯱乃家のカレーうどん3

カレーが麺にからみつく。蕎麦屋のカレー南蛮に近い風貌だが、和風だしではない。鶏ガラスープを和風だしに混ぜているらしい。まったりとした味わいだけど、うまい。何度でも食べたくなる。これはいいな、カレー南蛮は中毒性がさほどないと僕は思っているのだが、このカレーうどんは中毒性があるぞ。

みんな、一心不乱にうどんをすすっていた。そりゃそうだ、気を許すとぷるん!とうどんが跳ねて、服にしみを作ってしまう。一心不乱にならざるをえない。

鯱乃家のカレーうどん看板の前で記念撮影

食後、お店の前で記念撮影。日曜日昼ではあったが、閉店前(ランチ営業は14時まで)の訪問ということもあって、客は我々だけだった。

全員大満足のカレーうどんで、「わざわざ来た甲斐あったねー」と話し合ったが、問題なのは「で、さっき行った店って若鯱家だったっけ?」「鯱乃家・・・じゃなかった?あれ?どっちだったっけ?」頭が混乱してしまい、店名がわからなくなったということ。

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