名古屋なめ尽くしオフ【名古屋】

車1

それにしても昔の車というのはいろいろなデザインがあったものだと感心させられる。業界が熟成されるまでの過渡期というのは、いろいろな試みが行われ、斬新なものも登場するという好例だ。

そもそも、「スーパーカー」って言葉、僕らが子供の頃はあこがれとともによく語られたキーワードだった。カウンタックであったりポルシェであったり。子供心にワクワクしたのは、別に「ハンドリングが、馬力が」とかのスペックではなく、シンプルに「外観がカッチョイイ」からだった。「スーパーカー」はカッコいいことが前提であり、カッコいいからこそ「スーパーカー」だった。

しかし今や、確かにフェラーリとかはカッコいいとは言えるけど、「カネの臭い」の印象が強い。子供がワクワクして悶絶するような雰囲気はない気がする。衝突安全性能が、とかいろいろ車の規制が厳しくなって、デザインに対する制約が大きくなったからだろう。

「若者の車離れ」という言葉が一時よく使われたが、だって今の若者、車にワクワクしてないんだもん。当たり前だ。というか、離れる以前に最初っから寄りついてもいない。

この博物館は、「車ってこんなに楽しいものなんだよ!」ということを再認識させるPR効果も狙っているのだと思う。しかし、「今の車ってあんまり面白くなくなったねえ」という違った再認識をさせちゃって、逆に車への興味が薄れてしまう恐れもあるかも。

車2

見ろよこの車。なんだこれ?エナメルの靴みたいだ。こんなのが、モーターショーのコンセプトモデルではなく、ちゃんと売られて公道を走っていた時代があったんだぜ?日本じゃないけど。

フランスの「ドラージュ タイプD8-120」という車らしい。

あれっ、こんな派手な車って、第二次大戦後のアメリカっていうイメージを勝手に持ってたけど、フランスでもこんなすごいのが走っていたのか。

車3

前から見るとこの顔つき。なんだこのキャラクター。ポンキッキでいそうな顔だな、と思う。

エンジンルームは狭いのに、フェンダー部分がやたらと幅広。こんな個性的な車、今じゃどうやっても無理だろう。昔は「車ってこうあるべき」という考えが今よりもっとユルかったんだと思う。

車4

一同が「いいねえ、これ」と大絶賛したのが、このピンクの車。

「歌舞いてるねぇ」とベタ褒め。もうね、無駄にデカいの。前も、後ろも、横幅も。で、オープンカーなわけであり、しかも色がピンク。むかーしのアメリカ青春映画で、若い男性が親父から車を借りて、女性をデートに誘う・・・っていうシチュエーションに出てきそうだ。

車はファッションの一部、というのはこれを見るとよくわかる。今の感覚からいったら、お洒落とはとうてい言えないデザインではあるけど。

なんか、ハザードランプなんかまるで近未来兵器みたいな形だぞ?

車5

で、これは排気口なのか、それともテールランプなのか、一瞬迷ってしまうようなデザイン。多分テールランプなんだろうが、それにしてもこんな装飾が施してあるのだから凝っているったらありゃしない。

昔の女性達は、若い男性がこんな車で家に迎えに来て、玄関先でプップーってクラクション鳴らして呼ばれると、「素敵!抱いて!」って夢中になったものなんだろうか?いや、僕が勝手にアメリカ人に対して抱いている誤解と妄想だとは思うけど。

車7

日本車ばかりを扱っているコーナーもあった。急に庶民的というか、現実の世界に引き戻された感じ。さっきのピンクの車がロケット的であり、今見ても近未来感を感じるというのに、なんだろうこのレトロ感。

車8
車9

やっぱり、狭い道や狭い駐車場、そしてきついカーブが連続する山道などが多い日本。車においても、コンパクトかつ実用性重視なデザインにならざるをえなかったのだろう。敗戦国で貧しかった時代もあったし。

トヨタ2000GT

でも、1967年に製造されたトヨタ2000GTはやっぱり今見てもカッコいい。これぞジャパニーズスーパーカー。映画007でボンドカーとして使われた、ということで特に注目を集めた車ではあるが、作れば作るだけ赤字の車だったために300台ちょっとしか世には出なかったらしい。超稀少な車だ。

リトラクタブルヘッドライト、というのも最近は全く見なくなったなあ・・・。これも時代の流れか。先日ネット記事で、「トレノ(ハチロク)を運転中、警察官に呼び止められ、こんな変なライトの改造をするのは違法だろう?と連行されそうになった。最近の警察官はリトラクタブルヘッドライトすら知らないらしい」というのを目にしたが、それくらい今じゃ珍しい機能になってしまった。新車ではもう現存していないはずだ。

大八車

トヨタ2000GT、という珍しい車の展示もあるけど、珍しくもなんともない大八車まで展示してあるところが憎い。そうか、これも一応車だ。

なんなら平安貴族が乗っていた牛車も用意してもいいだろうが、そうなると牛を博物館内に飼わないといけなくなるので多分アウトだ。

車10

本当にいろいろな車がある。国産車であっても、ライバル他社の車を置いてあるのが潔い。さすがにドカドカとはライバル製品は置いていなかったけど、それでも車の世界を満喫できたので本当に良い施設だった。楽しかった。

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