名古屋なめ尽くしオフ【名古屋】

ラーメン缶の自販機

味仙で満腹になったご一行様は、大須界隈を探検することにした。このあたりは商店街が軒を連ね、探検し甲斐がある場所だ。シャッター街化した地方都市の商店街とは異なり、秋葉原的であったり原宿的であったり、巣鴨的であったりと老若男女楽しめる場所に仕上がっている。こういうごちゃ混ぜ感は名古屋の魅力の一つなのかもしれない。違うかも知れないけど。(今適当に思いついて書いてみただけ)

さて、そんな大須のアーケードに突入する前に、変な自動販売機を路上で発見した。

「ラーメン缶売ってます!」

おでんの缶詰が売られている、というのは以前から東京・秋葉原の名所として知られている(現存はしていないが)。しかしそういえばラーメン缶ってのは聞いたことがあるようで、ないな。

「ヘルシー蒟蒻麺」なんて書いてある。別にヘルシーでなくてもいいのに。うまいの、喰わせてくれよ・・・と思う。でも、麺をこんにゃくにでもしないと、ズルズルに伸びて缶詰として、ラーメンとして成立しないのだろう。「後のせサクサク」みたいな感じにするわけにもいかんだろうしな、麺だから。

まあとりあえずは実物を見てからだ、ってことでそのラーメン缶なるものを探してみたのだが、自販機のどこにも売っていない。どうやら、売れ行きが悪かったのか製造元が飽きちゃったのか、販売を中止してしまったようだ。なんだ、期待したのに。

自販機にはわざわざ「究極自販機」という丸いワッペンのようなシールが貼ってある。どこがどう究極なんだよ、と思ったら、自販機上部はソフトドリンクを売るエリアで、下部はなんとタバコを売るためのエリアになっていたらしい。・・・過去形を使っているのは、その「タバコエリア」は、今ではカロリーメイトとソイジョイの売り場になっていたからだ。もう、何から何までめちゃくちゃじゃないか。ちゃんとやれ。

萌えタペストリーの店

アーケードに入る直前に、萌え絵の看板がバーンと掲げられたお店があった。大須はこういうお店もちらほらある。

最近すっかりこういう世界から遠ざかってしまった僕は、なんだかこの潔さに感動してしまった。タペストリー屋だという。そんな商売が今はあるのか!知らなかった!

唐辛子とニンニクがガツンと効いた味仙で食事を済ませたばかりで、しかも名古屋旅行。テンションが上がっていた僕は、「折角だから見に行こう!どんなものが中にあるんだろう!」と仲間を誘い、お店にそのまま突入していった。しかし、いざ店内に入ってみて周囲を見渡すと、誰一人として付いてきてくれている人がおらず、僕一人しかいなかった。他の人は店の外から遠巻きに苦笑してこっちを見ている。うわ、なんなのこれ。

一般的にこういうオタク向け店舗に入る、ということに対しては抵抗があるのだろうか?それとも、全く興味すら湧かないのだろうか?全くもって不当な差別だ、と思いながらお店に展示されているタペストリーを見て回る。こうなったら、一人ででもじっくりお店の商品を吟味してやる。

タペストリーとは、壁にかける布製の絵だ。ロールカーテンのようにくるくると巻くことができる。ポスターのように、画びょうで紙の四隅に穴を開けたりセロハンテープで壁に貼り付けるといった必要がないし、タペストリー独特のギラついていない淡い色使いが心地良い。

・・・と冷静に商品を見るつもりだったのだが、なにせ壁掛けサイズの萌え絵なのでデカい。そんなのがお店のあちこちに飾られており、おにゃのこたちの笑顔の絵がこちらを一斉に向いている。さすがに10年以上この手の世界から遠ざかっていると、この空間に一人でいるのは「旅の思い出作り」としてもキツすぎた。長居することはできず、早々にお店を立ち去ってしまった。自分の未熟さが悔やまれる。

みんなの元に戻ると、「あれ?もういいんスか?もっとゆっくりしていっても良かったのに」と冷やかされた。チクショウ、それができないから自分自身が悔しいんだ。でも、何の絵だったか忘れたけど、1枚ちょっとだけ欲しいと思ったものがあったのは内緒だ。

大須の商店街

アーケードに入る。大須は縦横にアーケードがあり、お店の新陳代謝も激しい。名古屋の、いや日本の最新商店街トレンドをリードしている場所かもしれん。

事前にしぶちょおに「名古屋事情」を伺っている際、「大須あたりは最近、唐揚げ屋がものすごく増えたぞ」という情報を聞いていた。何?唐揚げ屋?それは何か特殊な唐揚げなのだろうか。赤だしで下味が付いているとか?

でも、しぶちょお曰く、ごく普通の唐揚げなんだという。なんだ、それじゃ普通の商店街にある総菜屋と一緒じゃないか。でも、「注文してから揚げてくれて、揚げたての唐揚げをその場で食べられる」というのが馬鹿ウケして、今や大須の名物とも言える存在になっているらしい。へえ、そんなものかい。

この半年後、僕は「東京唐揚げ食べ歩き」という短期集中企画を行って、実際に「揚げたての唐揚げ」のうまさを実感することになる。しかしこの時点ではまだ「単なる唐揚げ」という印象鹿持ち合わせていない。

唐揚げ屋が目立つ

アーケードに入ってすぐのところに、早速その唐揚げを売るお店を発見した。「李さんの台湾名物屋台」というお店だ。さっき「台湾ラーメン」を食べたばかりだけど、また台湾なのか。

台湾名物らしい

このお店は、唐揚げ専門店というわけではないようだ。しかし、台湾唐揚げをメニューの先頭に持ってきており、やる気満々ではある。プラカップに唐揚げを入れ、爪楊枝を刺して提供するらしい。テイクアウトで食べ歩くことを前提としたやり方だ。500円。

ふむ、今大須で名物というなら、唐揚げを食べてみるのもいいな。もともと唐揚げは大好きだし。

ここも唐揚げ屋

しかし、アーケードに入ってすぐのところで唐揚げなんて食べちゃって良い物なのだろうか?ついさっきまで味仙で食事をしていたばかりだし、これから先この界隈であれこれ食べ歩くことが予想されている。しかも夕方には名古屋のA級グルメ、ひつまぶしの予約が入っている。うっかり、あっけなく満腹になるのはいくらなんでも危険だ。

そんなわけで、李さんのお店からじりじりと後ずさりしていたら、後ずさりした先もこれまた唐揚げ屋だった。なんじゃこりゃ。

ここもテイクアウトを前提としたお店らしく、店構え自体は小さい。しかし、その店頭には「NAGOYA MESHI GP2013グランプリ受賞」と誇らしげな看板が出ていた。「元祖味噌からあげ」が売りらしい。

メニューいろいろ

お店の人に「どうすか?唐揚げ」と声をかけられ、こっちもつい乗り気になってしまった。こういう「ナントカの賞を取りました」系の宣伝ってのは僕は信用しないことにしているし、むしろ嫌いなんだが、なぜかこのときばかりはつい、うっかり。店員さんに

「何がおすすめなんです?」

なんて聞いちまった。旅の勢い、ってやつなんだろう。すると、やっぱり味噌からあげですかねーという想像通りの回答が返ってきた。

写真を見ると、みそカツがそうであるように、ここの唐揚げも八丁味噌っぽいたれがかかっている。あー、やっぱりねと。

八丁味噌は美味いとは思うが、信州味噌系の味に慣れ親しんでしまった味覚からするとずいぶんと「くどい味」に感じるのは事実だ。味仙でパンチの効いたのを食べた直後、これはさすがに・・・ちょっと、ねえ。

苦笑しながら周囲を見渡す。

つい買ってしまう

で、あれれ?

気がついたら、番号札を手に店頭で待っているわたくし。

誰も助け船なんて出してくれる訳も無く、「食べたいんだったら頼んじゃいなよ」とむしろけしかけられ、注文しちゃった。そうだった、オフ会に参加する人達はこういう「いいぞもっとやれ」系しかいないんだった。

買ってみた唐揚げ

で、最近大須で名物だという唐揚げをゲットですよモウ。注文してから揚げ始めるので、数分待つことになるけど、そこまでする価値があるのが鶏の唐揚げよ。うん、うまいうまい。

カップに入っていて食べやすいのも良い。これがスーパーのお総菜売り場のパックみたいな、平べったいお弁当箱型のものだったら、食べ歩きはしづらい。

唐揚げ巻き沿いの二人

もちろん一人で全部食べるわけにはいかない。そんなことをやっていたら、この一軒だけでもう僕の大須食べ歩きは終わってしまう。

というわけで、同行者は一蓮托生、ってことで「味見」と称して唐揚げをみんなにも食べてもらった。

「グランプリ受賞作品だよ!」とか適当に煽り文句を挟みながら。

ここも唐揚げ屋

「あれ?こっちにもグランプリがあるぞ」

先ほどのお店で唐揚げを食べ終わり、ようやく移動を開始した我々だったが、すぐに別の唐揚げ屋を発見した。その唐揚げ屋密度の濃さも驚きなのだが、店頭には「名古屋めし博覧会2013グランプリ受賞」の文字が躍っていた。

さっきの店と微妙に大会名が違うようだ。表現の仕方が違うだけなのか、それとも似て非なる大会なのかよくわからない。プロボクシングにWBAやWBCをはじめいろいろな団体があり、しかも体重別階級がたくさんあって「チャンピオン」がものすごい数存在する、というのを思い出した。

「どっちが真のグランプリか、俺たちで決めてやろうじゃないか」

と一瞬思ったが、一瞬でその考えは消し去り、口に出すのはやめた。さすがに二軒立て続けに唐揚げはキツい。老けたとか小食になったとかそんなの関係なく、単にキツい。やめとけ。

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