名古屋なめ尽くしオフ【名古屋】

青柳

この大須仁王門商店街には、名古屋銘菓の一つである「ういろう」を扱っている老舗が二軒ある。

一軒が「青柳総本家」。

もう一軒、有名なういろう店

もう一軒が「大須ういろ」。青柳と並び、双方とも根強いファンがいて、どっちが好きだとか美味いといった論争は長年あるようだ。

ういろうという食べ物自体は結構あちこちに存在するのだが、関東人はさほど食べ付けないものだ。その手の食べ物を食べるんだったら、羊羹または水羊羹を食べる。ういろうを名物とする土地は関東でも小田原に存在するが、小田原に行ったらついつい「鈴廣のかまぼこ」とか「鰺の干物」みたいなイメージがついてしまい、海産物系をお土産にしがちだ。だから僕は関東でういろうを食べた経験は一度もない。

ういろう

羊羹という食べ物は、ざっくりいえば「小豆をつぶして砂糖を混ぜたものを寒天で固めたもの」だ。一方のういろうは、「米粉に砂糖を混ぜ、蒸して固めたもの」。文鎮型のぷるんとした食べ物、という点では似ているけど、その中身は全く違うものだ。

ういろうを食べつけていない人は、「ういろうって、羊羹の劣化板でまずい」と言うことがある。「羊羹の味わい」を期待しつつ口に含むと、「あれっ、全然違うじゃないか」とその味に愕然とし、「劣化板」という悪口を感じてしまうのだと思う。しかしそもそもが違う食べ物なので、比較するだけムチャっていうもんだ。

関東には「すあま」(しんこ餅と呼ぶこともある)という食べ物があり、これはういろうと材料や製法は似ている。羊羹と比較するのではなく、すあまの親戚だと思えば、愛着も湧いてくるっていうものだ。

さて、そのういろうだが、「米粉に砂糖を混ぜたもの」なので多様化が容易だ。羊羹が「小豆」という制約があり、どうしても黒い書道用の墨みたいになってしまうのに対し、ういろうはいろいろなものを混ぜてバリエーションを出す事ができる。もちろん、小豆をまぜて羊羹っぽくしたっていい。そのフリーダムさが魅力といえる。

とりあえずういろうを買ってみた

というわけで、青柳総本家で「四季づくし」という食べきりサイズのういろうを買ってみた。

さくら、抹茶、あがり、白の4種類が入っている。

ういろうを食べる

家に持ち帰って、名古屋土産として食べる・・・じゃあ面白くない。その場で食べて、感想をお互い言い合わないと。ってなことで、ういろうを店頭で開封しちゃう。大須の商店街で、「ういろうを食べ歩きしている人」ってのはあんまりいないと思うが、まあいいでしょ。

味は・・・まあ、もっさりしてますよ。ええ。そりゃそうだ、主成分は米粉だもの。おにぎりを食べているようなものであり、さっきまで食べてきた料理が胃袋の中でとぐろを巻いている現在、「ちょっと軽く一つ食べよう」なんて手を伸ばす代物じゃあない。

うまい・まずい以前に「完膚なきまで腹が一杯になっちまった」という印象を全員が等しく、抱いた。

ものすごい人の数の商店街

ういろうを食べつつ商店街を歩いていると、なにやら長蛇の列がある。横断歩道があるところなので、信号が青になるのを待っている列なのかと思ったが、違う。一列に、整然と並んでいるのは、この先に繁盛店がある証拠だ。

クロワッサンたい焼きの店

それがこれ。「銀のあん」というお店。

しぶちょおが事前情報として、「最近の大須はクロワッサンたい焼きの店に長い列ができている」と教えてくれていたが、それがまさにこれだった。なるほど、確かにすごい列だ。

「クロワッサン風の生地で作られたたい焼き」という新しい概念が登場して数年。僕も初めて食べた時は驚いたものだが、今まさに名古屋市民が熱狂しているようだ。「銀のあん」というお店自体は、「築地銀だこ」と同じ経営母体だ。そのため、店舗展開はものすごくスピーディーで、この記事を書いている2015年時点では既に全国のあちこちにこのお店は存在している。多分長蛇の列を作らなくても食べることはできるはずだ。でも、2014年時点では、これが「最新トレンド」の一翼だった、ということだ。備忘録として書き残しておこう。

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