名古屋なめ尽くしオフ【名古屋】

テイクアウト可能な店が並ぶ

大須の商店街は、食べ歩き天国だ。唐揚げのお店ばかりではない。食のテーマパークか、と疑ってしまうくらい、ちょっと歩けばすぐ次の店と遭遇する。

商店街によっては、ドラッグストアや携帯電話ショップといった「どこにでもあるようなお店」だらけで面白みに欠けるアーケードがあるが、ここは本当にオリジナリティがある。

先ほどの唐揚げが胃酸で消化を始める前に、すでにまた次の店に行き当たった。スペアリブ屋と、焼き包子屋が並んでいる。

以前から人気の焼き包子屋

「台湾の焼き包子(パオズ)」を売るお店、「包包亭」は以前から人気があるお店だ。

それにしてもいつの間に名古屋は台湾推しになったんだ?台湾ラーメン、台湾混ぜそば、さっきは台湾の唐揚げ屋だったし、今目の前にあるのは「台湾の焼き包子」だ。こりゃ、「ICE MONSTER」に代表される台湾かき氷が大須に現れるのは時間の問題だろうし、ルーロー飯屋とか、台湾風の豚足屋ができてもおかしくない。

幸せを逃してはいかん

以前大須を探検した際は、このお店の行列を前に食べるのは辞退したような気がする。食べていたとしても、記憶にない。

しかし、お店の看板にはこんなことが書いてあった。

たった160円で体験できる感動と幸せを、あなたは見逃していませんか

しまったァァァァァ、見逃していたァァァァ。

さすがについ数分前に唐揚げを食べたばかりだし、焼き包子を食べたいという気にはなっていなかった。しかし、「感動と幸せをあなたは見逃している」と指摘されてしまうと、すいません申し訳ないですと土下座するしかなかった。

焼き包子

「みんな見たか?見逃しちゃいかんらしいぞ」

と周囲を見渡し、「道連れ」になる人を探す。しかし、

「いやもうすでに感動と幸せは十分だから。おなかいっぱい食べてるから」

とか言われてそりゃそうだと我ながら納得。今ここでこれ以上感動と幸せを得てどうするんだと。でも、すでに手に焼き包子、手にしちゃったんだよなあ。幸せ、手に入れちゃったんだよなあ。だって160円だもん。「それくらいなら、いっか。」とついついがま口財布に手を伸ばしてしまうお値段というのが憎い。

食べ歩きの極意だな、「うっかりお金を払う気にさせる価格設定」ってのは。これがどんなに美味くても、500円だ600円だっていう値段なら、衝動買いはしない。

焼き包子の中身

で、焼き包子。

焼き小籠包そのものだな、やっぱり。上海に行けば、「生煎饅頭」って名前でよく売られている。鉄板を使って蒸し焼きにした小籠包だけど、何がどうなれば焼き餃子になって、どうすれば焼き小籠包になるのか、作り方とか材料の違いってのは僕にはよくわからない。

ただ、見ての通り、皮の表面はぱりっとして、中はもちっ、そして小籠包特有の汁っ気が噛むと出てくるという特徴がある。まあ、一言で言えば、うまい。

隣の店は必死にガード

うまいのはいいのだが、迷惑なのは隣のお店だ。よりによってブティックを営んでいるらしく、店頭にマダム向けの洋服なんぞが吊るされていた。

「ここでの飲食はご遠慮ください」という札が下がっているが、そりゃそうだ、いくら焼いているとはいえ小籠包だもの。汁が飛び散って売り物の服にでもかかったら、商売あがったりだ。

そうはさせるか、とハンガーラックの周囲にはビニールで覆いをしているのだが、果たしてどれだけ効果があるのだろうか。見栄えはあまりよくないので、このビニールを避けつつ服を手にする人ってのはいるのかどうか。

焼き包子屋さんも注意喚起

焼き包子屋のほうもさすがにそこは意識していて、注意喚起をちゃんとやっていた。「ガブっとかぶりつき禁止」みたいな文言も掲示されている。

でも、小籠包って、わかっていてもぷしゅーっと熱い汁が飛び出てくる食べ物なんだよな。「出るぞ、出るぞ」と身構えていても、「あっ、しまった!」となる。だから、悪いことはいわん、店の周囲で食べるのはやめよう。通行の邪魔にならない程度にお店から離れ、安全を確保のうえかじりつこう。

いや、人ごとじゃない。面白がって隣の店を冷やかしていたら、うっかり自分が加害者になりかねない。うっかり、こんなマダム向けお召し物を買い取ってくれ、と言われたらスゲー困る。

焼き包子とたっぴぃさん

「感動と幸せ」という挑発に、たっぴぃさんも応じていた。感動してやらぁ、とばかりに焼き包子をひとつ。

「本当に1つでいいんですか?それで感動と幸せが十分に得られると確信していいんですか?」
「これ以上はもういらない・・・」

さすがにそれはそうか。

激辛チリソースもある

店頭には、「激辛チリソース(小えび入り)」という壺が置いてあった。

「辛いのが大好きな方はお試しください」と書き添えてある。

「おい見たか?辛いのが大好きな方、ってまさに僕のことではないか。お試しするしかあるまい」

こうして、せっかく焼き包子の汁気が一段落したというのに、さらにまた汁気をアドオンするという危険を冒すのであった。食べ終わるまで、本当に気が抜けない。お隣のブティックは常時ピンチだ。

もういっそのこと、マダム用の服を売るのではなく、割烹着とかエプロンを売ればいいんじゃないか、とも思った。でもそれもだめだな、いくらなんでもエプロンとはいえ、最初っから肉汁で汚れているものなんて誰も買わないよ。

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