名古屋なめ尽くしオフ【名古屋】

名港線のトラップ路線

大須でかき氷と戯れているうちに、おやびんが東京から到着した。家事などもろもろ済ませてからの名古屋入りなのだから恐れいる。旦那であるたっぴぃさんを愛知に単身赴任で送り出しているだけでも偉いのに、こういうところもやたらしっかりしている奥様だ。

しかし酒を飲んで上機嫌になると、ユルいキャラクターになって凜としていた輪郭線が随分と崩れてくるから面白い。以前「ばんやお泊まりオフ」をやったときは、最後酔いに任せて畳に突っ伏して寝てしまうまでハイテンションでお酒を楽しんでいた。

そんな1名が加わり、これにて全員集合。名古屋にもかかわらず6名もよく集まったものだ、と感心する。

そんな我々が次に移動したのは、熱田神宮だった。名古屋界隈の観光として一つの目玉になるだけでなく、熱田神宮参拝の流れで「名古屋名物ひつまぶし」の名店、蓬莱軒に立ち寄れるからだ。そう、油断しちゃいけない、もうあっという間に次のメシが迫ってきているのだよ。しかも今度はコメ喰うぞ、コメ。もちろん人数分ひつまぶしを頼むような無茶なことはしないつもりだけど。

大須の商店街からすぐのところにある地下鉄駅、上前津から市営地下鉄名城線に乗る。この電車一本で、熱田神宮の最寄りである神宮西駅まで行く事ができる。

今回のプランは、たっぴぃさんとおかでんの共同発案に現地人しぶちょおが随分手直しを加えたものなので、このあたりのスムーズさは本当に素晴らしい。流れるように、という形容がぴったりな、次から次へとイベントが展開されていく。その分、胃袋におさまっていく食事の量も増えていくのだけど。

さて、地下鉄に乗ったのは良かったのだが、金山駅を過ぎたところで異変に気がついた。これ、名城線じゃないぞと。実は名城線は「p」の字を描く路線になっていて、本来の名城線というのは環状線になっている。で、それとは別の金山から先、名古屋港まで6kmの盲腸路線は「名港線」と呼ばれているのだった。

名前からして似ていて紛らわしいのだが、何よりも名港線が金山-名古屋港ピストン運行ではなく、栄などの名古屋中心地にしれっと乗り入れをしているというのがややこしい。そんなわけで、我々は行く用事もない名古屋港に向けただいま疾走中。気がついた時は、もう時既に遅し。

高笑いするたっぴぃさん

そういう運行形態だ、ということは事前に知っていたのに、ついうっかり名港線に乗ってしまったということに対して爆笑しているたっぴぃさん。

食べ歩きを続け、胃や腸に血液が集まっている状態がここしばらく続いている。なので、どうしても頭がぼんやりしてしまうようだ。誰一人、違う路線に乗ってしまったということに気がつかなかった。6名もいたのに。

全員そろいもそろって健啖家なので、「お前が喰うなら俺も喰う」的にお互いが競い合うように買い食い・食べ歩きを展開している。だから、血糖値は上がる一方だ。そりゃあ、頭がぼんやりしてくるに決まっている。

熱田神宮

おとなしく金山駅まで逆戻りし、あらためて名城線に乗り直し。神宮西駅で下車し、そこから熱田神宮を目指す。

神宮西駅を出ても、すぐそこに草団子を売っていたりせんべいを売っているような参道が・・・という光景は見当たらない。もともと神宮西駅は、熱田神宮の裏手の方にある駅だからだ。かなり広い境内を持つ神社なので、下手に神社の正面からアプローチするよりも、神宮西駅からそろっとお邪魔した方が近くて楽だ。

いずれにせよ、この熱田神宮界隈には、成田山新勝寺や柴又帝釈天の参道にあるような商店街は存在しない。物見遊山がてらで訪れるところじゃねーぞ、ということか。なにせ、「三種の神器」の一つである草薙剣があるとされている場所だし。

「その割には『車のおはらい』って書いてあるぞ」
「待て、車寅次郎(「男はつらいよ」の寅さんのこと)のことじゃないぞ?」

熱田神宮の鳥居

熱田神宮西門の鳥居。

熱田神宮には西、東、そして正面の合計3カ所に門があるのだが、正門でもない門なのにこの立派な鳥居はさすが。そしてその奥に続くうっそうと茂る森も、村の鎮守様などとは次元の違いを感じさせる。そりゃそうだ、天皇陛下が毎年元旦早朝に行う儀式「四方拝」で拝む対象の一つだぞ?それだけ歴史と格式があるということだ。多分。いや、そうウィキペディアさんが言ってるんだからきっとそうだ。

なんのこっちゃ。まあとりあえず中へ入ってみよう。

熱田神宮境内図

熱田神宮の地図。広大な敷地内に転々と建物が建っていて、神社の数もかなりある。一つ一つ丁寧にお詣りしてお賽銭をあげていたら結構なことになりそうな勢いだ。あと、小さな「○○亭」「△△閣」といった建物が「勾玉苑」と呼ばれるエリア一帯に何軒もあるが、通り過ぎるついでに様子をうかがってみると個室宴会場のようだった。どうやら、「勾玉苑」で神道式の挙式をしたあとの披露宴をこちらでどうぞ、という仕組みらしい。

森の中を歩く

そんな「晴れの日」を迎えていらっしゃるご夫婦ご親族を横目に、我々はのしのしと参道を歩く。

「少しでもおなかを減らさなくちゃ。この後ひつまぶしが待っているんだから」

蓬莱軒といえばひつまぶしの名店中の名店。なのでわざわざたっぴぃさんが予約を入れておいてくれたのだが、予約時間は17時としてあった。あと1時間ちょっと。果たしてそれまでに、この胃袋はストンと楽になるものなのだろうか?

「少し早足で歩こう」
「なんで?このあともうひつまぶしのお店に行くだけでしょ?」
「いや、早足の方がカロリーを消費するかな、と思って」
「やめときなさい、早くお店に到着しちゃって、そこで時間つぶししたら一緒の結果だから」

そりゃそうか。

御手洗

手水舎でお清め。さすがに「喉が渇いた」とゴクゴク飲むような酔っ払いはいなかったが、最近急速に増えた外国人観光客だったら、「おお、ミネラルウォーター!」と勘違いしてがぶ飲みする人がいるかもしれない。いや、「水はペットボトルなどから飲むのが当然」という国が世界的には多いので、こういう手水の水を飲む輩ってのはむしろいないか?

横断幕

本殿に向かう参道には大きな横断幕が掲げられていた。

「熱田神宮は1900年をむかえました」

と書いてある。すげー。もちろん、1900年も前ともなれば、日本書紀も古事記も編纂されていない時代だ。後世の文献を紐解き、逆算し、「この年に創建されたんだろう」という推測のものだろう。だとしても、神社仏閣の類というのはやたらと歴史が古いものが多く、毎度毎度驚かされる。

奈良京都界隈に古い建物があるというのはまだわかるけど、この熱田神宮であったり、当時は辺境の地であったであろう関東の方とかにも古っるい神社があったりするのでびっくりだ。たとえば千葉県の香取神宮なんて、初代天皇である神武天皇の時代に創建されたということになっているので、額面通り受け取れば紀元前600年くらいには既に存在していたということになる。

このあたりは、かなり「伝説」的な要素が含まれているだろうが、だとしても神道というのが日本の古くから伝わっているという事実は間違いない。ええと、その割には知っている神様の数ってすごく少ないな。日本の神様はどれも名前が長くてややこしく覚えづらいし、仏教のように「仏像」が存在しないのも覚えづらさを助長している。ほら、たとえば十一面観音!っていったら、仏像を見たら「なるほどこれは十一面だわ」ってわかるし、「ああこれは手に薬壺を持っているから薬師如来だ」とかわかる。でも、神社の場合、はっきりとわかるご神体があるでもなく、境内の片隅にある解説看板をざっと読むくらいしかやらないので、なかなか知識として定着しないのだった。

・・・で、これからお詣りする熱田神宮って何がまつられているんだっけ?三種の神器の草薙剣そのものがご神体?あ、本当にそうなんだ。「熱田大神(あつたのおおかみ)」が祀られていて、それは草薙剣のことでもあり、そして天照大神のことでもあるようだ。ややこしいな。

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