
14:54
ホッ・・と 一息つきませんか
温かい飲み物はいかがですか?
コーヒー、ココア、甘いアップルティ 300円
こういうものを提供できるというだけ、山小屋としてはいろいろ余裕があるってことだ。水は当然として、燃料、厨房、客をもてなす食堂、そしてヒューマンリソース。
少人数でやっている山小屋だと、とてもじゃないがこんな喫茶サービスは無理だ。
そういえば、この山小屋はたくさんの従業員がいた。人には恵まれているらしい。
しかし、この建物の館内図を見ると、従業員部屋は悲しくなるくらい狭かった。長期滞在するんだし、個室とまでは言わなくても少しは広い部屋を・・・と思ってしまうが、山ではそんな憐憫は通用しないのだった。

14:54
食堂利用時間のご案内
開放時間 3時半まで/夕食終了時から消灯まで
夕食時間 受付時にお伝えした時間にお越しください
朝食時間 各自並んだ順番でご案内します。席のお取り置きはできませんのでご了承ください
夕食はチェックイン時に指定された時間に食堂に行くと、従業員さんが名簿から名前を読み上げてくれて、その指示に従って食堂に入ることになる。
45分で一回転だったかな?1回目の食事は17時から、なので2回目の食事は17時45分、だったと思う。ちょっとここは記憶曖昧。
遅くチェックインした人ほど、夕食時間が後ろになる。
一方朝食はというと、完全実力主義の早いもの勝ち。先着順でご飯にありつける。夕食と違い回転制ではないので、空席ができ次第次々と着席していくことになる。
洗濯はしないでください
シャツやタオルなどを洗濯して乾燥室に干さないでください。
乾燥室が狭い為ご協力ください。
なんのことだろう?と最初は意味がわからなかった。しかし、実際に乾燥室を見て、しばらく観察して、事情がわかった。
乾燥室、キャパが狭い分すぐに湿気でムンムンになる。湿度が飽和状態になるので、いくら暖房を入れても乾きにくいという状態が生じる。
だから、びしょびしょに濡れたものなんか持ち込まないでくれ、ムンムンに拍車がかかるじゃないか、ということらしい。

14:55
館内探検はひととおり済ませた。あとは女性用の寝床に潜入するだけだったのだが、さすがにそれはやめとけ。おまわりさんに現行犯逮捕されることはない場所だけど、下山したらパトカーがお出迎えだ。
そもそも、山登りをするよういお年頃のマダム相手にそんな変態行為に及ぶというのは、ハイリスクノーリターンだ。
というわけで、外に出てみる。
やあ、いい気分だ。まだ時刻は早い。こんな時間なのに、「今日はもう終わり終わり!あとはゆっくり、ごゆるりと」といわれるとうれしくなってしまう。
常日頃ばたばたと生活しているので、こうやって強制的にでも暇な時間ができるとワクワクしてくる。
暇は暇なりに、あちこちうろうろしてしまうのだけど。
この「白根御池小屋」は、その名前のとおり近くに池があるようだ。テントサイトの方に歩いてみる。
すると、確かに池・・・というか、沼があった。
その澄んだ水面はあくまでも鏡面のようで、と形容したいが、それほどきれいというわけでもないような。少なくとも飲み水にしちゃ駄目だ。
水が流れ込む川はないようだし、この水は一体どこから供給されているのだろう?
この湖畔に、テント泊の人たちは自分の基地をこしらえていた。
なんだか楽しそうだ。場所の雰囲気から、キャンプ!って感じがする。

14:56
白根御池、という看板があったので記念写真を撮っておく。
標高2,230メートル。
登山道入口である広河原山荘が標高1,520メートルだったことを思い出せば、今日は710メートル登ったことになる。まずまず、といったところか。
短パンをはいているが、おかでんは荷物が増えてでも「山用戦闘ズボン」と「山小屋用リラックスズボン」を分けている。
結構、山小屋でもずっと同じものをはいている人がいるが、それではなんだかくつろげないとおかでんは思っているからだ。
山用のものでもなんでもない短パンなので、畳んでも小さくならず、相当かさばるシロモノ。
山用の衣類って、やたら値段が高いが、その値段の理由の一つは「薄くて軽い」というところにあったりする。


14:58
空は決して暗くなっていないのだが、雲が多くて視界は開けない。
しかし、しばらく口をぽかんと開けて空を眺めていたら、雲が晴れてきた。遠くにうっすら、稜線が見える。
「おおおおお」
おっさんが野太い声をあげる。稜線に感じるエロス。
しかし、あっという間にまた雲がおりてきて、稜線どころか山小屋周辺まで視界をさえぎってしまった。
明日は天気が崩れるという予報があるし、困ったもんだ。8月のお盆前は、夏山シーズンの中で一番天気が安定している時期なのだが、それでもこれだ。
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