
12:44
間ノ岳山頂から農鳥小屋に向かう道は、案の定わかりにくかった。
このあたりははっきりした稜線にはなっていないため、地形から歩くべき道を推測するのが難しい。
頼りになるのは、ところどころにある黄色いペンキのマークのみ。
見失わないように、注意深く歩く先を見ながら歩く。

12:56
混沌とした道はまだ続く。
このあたりはハイマツすら生えておらず、だだっ広い岩場の斜面しかない。
ガスっているので、目標とすべき目印も見えず、ひたすら足元を見るしかない。

13:06
登山地図の等高線を見ていると、このあたりはゆったりとした尾根になっているようだ。
一応稜線的な場所を歩いてはいる。しかし、その稜線がとてもなだらかで広いため、自分が尾根上を歩いているという感覚がない。
ということは、道に迷いやすいということだ。今よりももっと天気が悪くなると、進むべき道をロストしてしまいそうだ。

13:09
カーンと晴れた。
この天気の変わりっぷり、急激だ。
この1枚前の写真は3分前のものだが、たった3分でこうも変わってしまう。それが山の天気。
逆に言えば、今はいい天気になったけど、またすぐ悪化する可能性もあるということだ。
でもとりあえず気分がいいので、レインウエアは脱いでTシャツ一枚になる。
日が照れば、さすがに標高が3,000メートルあっても暑い。夏だもの。

13:12
このあたり一帯はテラス状になっていることがわかる。
秋吉台のカルスト台地みたいに、岩と、緑とが混在している感じ。
ガスが晴れても、やっぱり進路ってのはわかりにくい。相変わらず、地形から見て明らかにこっちに行くべきだよね、というルートはわからない。
本日の目的地、農鳥小屋はこのテラスから一段下がったところにあるらしく、その姿は確認できない。
視線をずーっと進行方向の先に向けていくと、ぽつんぽつんと黄色いペンキが岩肌に塗られているのが見える。
ああ、こうやって進んでいくのね、とようやく納得する。
登山道は、まっすぐではない。起伏をたくみによけつつ進むため、蛇行している。だからこそ、荒天の時に見失いやすいのだった。
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