
10:07
トイレの中をのぞいてみる。
なにやら、業務用冷蔵庫みたいな風体の個室だ。扉の脇にはランプがついている。
「運転中」「故障」「使用中」の3つのボタン。
何でこんなことになっているのかというと、ここがバイオトイレだからだ。トイレの下には杉チップが入れられており、排せつ物はそこでなにやらイイカンジに処理されるらしい。
詳しい原理は知らない。
でも、バイオトイレゆえに処理能力には限界がある。1カ所あたり、1日に75名分の処理をする能力とのことだ。なるほど、だからトイレの数が多いのかここは。「同時にたくさんの人に使ってもらいたい」からではなく、単に一つ一つのトイレに厳しいキャパシティがあるからだ。
ちなみにこのバイオトイレ、もちろん電動だ。軽油を使ってトイレ用に自家発電して、24時間電力供給し続けないといけないらしい。その経費、年間140万円。
「自然破壊はよくない!バイオトイレ推奨!」というのはたやすいけど、作るだけでも大事なのに維持費もめちゃくちゃかかるというわけで、これはなかなか安易に作れない代物だ。
ちなみに、使い古した杉チップを入れ替えたりする運搬費や燃料の運搬費で年間150万円。その他、なんやかやでこのトイレは維持費だけで年間400万円かかっている。
もちろんこのトイレは山梨県が設置したものであり、もうけのためにやっているものではない。とはいえ、なんともお金がかかる話だ。

10:08
トイレの脇を通り、北岳山荘を回りこんでみた。
すると、こっち側には窓がたくさんついている建物であることに気がついた。あ、こういう作りだったのか。

10:21
北岳山荘の「窓がある側」には、ベンチと机があった。登山道側からは見えない場所だ。
おかでんは探検心でこの小屋をうろついたので発見できたけど、普通の登山者ならここは気がつかないと思う。
北岳山荘でいったん休憩を取りたい人は、ここを利用するしかない。玄関まわりには、休憩できる場所は全くないから。
このあたりはテラス状になっており、テント場が広がっていた。この時間でもテントを張っている人が何組もいる。テントだけ張って、留守中なのだろうか。
しばらくここで休憩をとる。今日は農鳥小屋に余裕で到着できる見通しなので、要所要所でしっかり休憩を取っている。

10:27
さて、縦走路に戻ろう。

10:29
ここから間ノ岳に向かう縦走路は、広い稜線となっている。
標高が2,900メートル以上ある場所なのだが、両側が切り立った崖のような場所ではない。こういうところがいかにも南アルプス風。
北アルプスと比べて、どことなくやさしい雰囲気の山、というのが南アルプスの特徴かもしれない。
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