
09:43
登山における河原歩きというのは、実はしんどいものだ。岩がゴロゴロしているので、歩きにくいことが多い。しかしここの登山道はどうだ、そんな河原を避けるため、わざわざ河原脇の岩肌にパイプで登山道を作っているぞ。
ここの登山道を整備した人は、慈愛に満ちているとしかいいようがない。ここまでにいたるまでの数多くのハシゴもそうだし、このパイプ登山道もそう。「四つんばいになってでも乗り越えろ、山なんだからそれくらい当然だろぉ?」ということなく、ただただ登山者の安全を祈念している。
大門沢小屋のスタッフさんたちの手によるものだろうか?それと山梨県の手によるもの?早川町?そこはわからない。
「もしよろしかったら寸志をどうぞ」と、路傍に募金箱があったら確実にチャリンとお金を入れてたな。もし僕が女ならほれた。

09:46
まだまだ支流の沢を横切る機会が多い。その都度、必ず丸太でハシゴ橋が作られているのだった。
「お前は絶対にぬらさない!絶対に、だ。」
と言われているかのようだ。
以前、ぬれた岩場に足をすくわれて大けがをしたとか、下流に流された人がいたのかもしれない。あっ、ひょっとして最近、皇太子殿下がこの山に登ったという話はないだろうな?登山が趣味である皇太子が山に登るとなると、周囲のお付きの人が気にして、登山道やら山小屋やらを快適に大改造してしまうという話だ。たぶん、そんなことは皇太子は望んでらっしゃらないと思うのだが・・・。

09:49
ハシゴがかけられているのは、なにも沢だけではない。大きな岩があるところにも、ハシゴが立てかけられている。
ここまで徹底的にやるとは。
いずれ、車いすでもそのまま登れたりするようになるんじゃないかと、末恐ろしい。

09:56
ジェントルなハシゴさんのおかげで、水のすぐ近くを歩いているというのにすっかり水とは縁遠い山歩きを満喫中。しかし、水の立場としては、それをよしとしなかった。お前が近づいてこないならこっちから近づいてやらぁ、と一発奮起しちゃって、登山道を川にしてしまった。
いや、ここ川じゃないんですけど。登山道なんですけど。
登山道、といっても、周りをえぐったような形にはなっていない。単なる山肌にある、さりげない道だ。でも川はなぜかここを「はるかなる大海に注ぐための最短距離」と考えてしまったらしい。わが足元をじゃばじゃば言いながら低いほうへ低いほうへと流れていっている。
「ここは本当に登山道なのか?」と心配になってしまった。

10:00
丸太どっかーん、な橋もあった。
ハシゴを作るのが面倒くさかったのか、それとも「これだけ太い木だったら、一本丸ごとの丸太橋でもいいんじゃね?」と思ったか。
滑り止め用に、溝が一定間隔で掘ってある。でも、こんなのはただの飾りです。すべるときはすべる。で、すべったら相当痛い目にあうのは確実だ。カメラ撮影なんて気の抜けたことをやってないで、確実に一歩一歩進まないと。
でも、踏ん張るとよけいに滑る、というジレンマ。
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