ガソリンはなくても車は走る【白嶺三山縦走】

小屋を取り囲むようにドラム缶

14:11
そうだ、忘れていた。ここでくつろぐわけにはいかないんだ。一応、水をくみに行かなくては。

とりあえず明日、次の給水ポイントである大門沢小屋までの道のりで水に困るほどの量ではない。しかし、念のため水は多めに確保しておきたいものだ。早く小屋に着いたのだし、面倒だけど水をくみに行こう。往復30分だけど。

おじさんに聞いてみたら、

「そこに水があるから、それ汲んでって。1リットルまで」

と言われた。あれっ、水場まで行かなくていいの?

「水場は手を入れてないから、今は使えなくなってる」

とおじさんは言う。あ、そうなんだ。じゃあ水はどうなってるの、と建物の周囲を見渡すと、ドラム缶がいくつもある。どうやら天水で全てを賄っているらしい。

鍋釜が積み上がってる

14:11
小屋の周りは物置と化している。

洗った鍋釜が外に放置されている。いや、「放置」と言ってはいけないか。これでも「片付けられている」のだと思う。「整理整頓」はされていないけど。

風雨にさらされる場所だが、山の上だし汚いことはない、という考えなのだろう、きっと。

水場

14:12
おじさんが指定した水くみ場。

黄色いタンクがあり、そこに水がためられているらしい。

おじさんは「1リットルまで」だという。

「水は貴重なんだよ、1リットルもあれば十分!それ以上は、いらない!」

と別の登山客に諭していた。水はセルフサービス。

農鳥小屋の売店

14:13
最大の懸念だった水問題があっけなく解決したので、後は夕ご飯まで暇な時間となる。

夕食は17時ちょっと前、とおじさんから宣告があった。「ちょっと前」って何だよ、と思ったが、おじさんが言う以上そうなのだろう、きっと。

17時では駄目なんだと思う。

とりあえず、この小屋を探検してみることにする。

西農鳥岳方面に進んでみると、売店という看板を掲げた小屋があった。

建物は窓が閉まっていて、営業をしていない。

そりゃそうだ、おじさん一人でこの小屋を切り盛りしているのに、売店につきっきりになるわけにはいかない。ここは小屋の出入り口とは少し離れた場所。複数名で小屋を運営しない限り、この売店は無理だ。

実はビールが潜んでいるタライ

14:14
じゃあ、物を買いたいときはどうするの、となると、おじさんを捕まえて話をすればよろしい。

「ビールください」

とおじさんに声をかけた登山客は、おじさんから

「ビールはそこにあるから。勝手に持ってって」

と言われていた。

「そこ」というのは、小屋の入り口脇にあるドラム缶・・・の上に、ふた付きであるタライ。ふたを外してみると、なるほどそこには缶ビールが詰めこんであった。



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