ガソリンはなくても車は走る【白嶺三山縦走】

山頂標識の数だけ記念撮影するって馬鹿馬鹿しいけど

09:00
北岳の山頂には、山頂標識がもう一つあった。

先ほど記念写真を撮ったのは、ヤン坊マー坊天気予報にでも使いそうな板の標識だったけど、こっちは柱状のもの。
案外、高い山にはこのように山頂標識が複数あることがある。どういう事情があるのかはよくわからないけど、勝手に山岳会が建てちゃったとか、山頂がちょうど自治体の境界線なので、各自治体が競って標識を建てたとか、そういう背景があるのかもしれない。

さっき撮影したから、本来ならこれで十分だ。既に山頂で休憩したので、「山のてっぺんに立った!」という喜びは既に落ち着いてきているし。

「でもなあ、山頂標識があるのを目の前にしちゃうと、記念撮影せずにはおれないんだよなあ」

とぼやきながら、しぶしぶ、でもなぜかうれしそうに三脚を据え付けて撮影する。

とはいえ、撮影ったって回りはごらんのガスだ。何の記念にもなっちゃいない。

「電波少年」みたいに、背景を全く別のものに差し替えちゃおうか。

ふたたび稜線歩きの人に戻る

09:12
雨が降っていることだし、これ以上山頂に長居するのは苦行以外の何者でもなかった。

お昼ごはんを食べるには早い、とっとと先に進もう。

今晩の宿、農鳥小屋のおやじはくせ者として名高いわけだが、15時を過ぎて小屋に到着した人には説教をすると聞いたことがある。そんなに遅い時間にやってくるのは山では非常識だ、というわけだ。

それはいたってごもっともであり、おやじの説教は仏の言葉に等しいと思う。でも、やれやれと小屋に到着するやいなや見知らぬとっつぁんに怒られたら、そりゃ気分は良くないだろう。

そんな目にあうのはご免なので、なるべく早く農鳥小屋に到着しようと思う。午後になって雷がゴロゴロされても困るし。これから先、農鳥小屋まではひたすら森林限界を超えた稜線歩きだ。雷が近づいてきたら、隠れる場所がない。
そんなわけで次の目標地点、間ノ岳を目指して進む。

北岳から先、間ノ岳までのルートは、登山地図上では「危険」というマークが記されているような場所。天気が天気だけに、慎重に進まなければ。

吊尾根分岐

09:24
吊尾根分岐。

ここから八本歯のコル、左俣経由で広河原に向かうルートが分岐している。

ただし、機能の情報だと八本歯のコルあたりはアイゼンを装着していないと滑って大変らしいので、あまりそちら方面に向かう人はいないようだ。

道中、何組もパーティーとすれ違う。大学の山岳部と思われるが、みなものすごい荷物だ。ザックカバーでザックを覆っていることもあり、ぱっと見た目は冷蔵庫でも背負っているかのようだ。

冷蔵庫が大げさだとしたら、大きめのお地蔵さんを背負っているとでも言おうか。

おそらく、何泊もかけて南アルプスを縦走しているのだろう。そしてもちろんテント泊だ。「山小屋でウキウキ二食付き泊」という山岳部パーティーはこれまで見たことがない。やはり本格的に山をやる人は、原則テント泊だ。

それにしてもこの荷物の大きさよ。風にあおられてフラフラしている。お互いが励ましあいながら、支えあいながらこの悪天候の中歩いている。

おかでんの兄貴は体育会系の部活で山にも登っていたのだが、登らない部員たちから毎度毎度「せん別」と称して一升瓶とか、そういう「重くてかさばるもの」をもらったそうだ。嫌がらせをする、という冗談。

ザックに一升瓶を入れるだなんて、とんでもないことだ。これ以上ない嫌がらせだが、そういうのを「まいったなあ」と苦笑いしながらやりとりする伝統があるっていうのが、いかにも学生ノリで楽しい。

あ、でも自分は絶対に勘弁して欲しい。

ハシゴ場はある

09:32
一応ハシゴ場はある。クサリ場はあったかどうか、記憶にない。

通常の登山道では対処できかねるくらいの険しい山肌ではあったが、かといって「危険!」と地図上で注意喚起するほどやばい場所ではなかった。

なにはともあれ、今朝ほどの「草すべり」のようなひたすら登る胸突き八丁がないだけ、楽だ。

稜線歩きモードになると、細かいアップダウンはあるもののおおむね水平移動を主とし、そんなにキツい歩きではなくなる。

これで景色がよければ最高なんだが、と思うけど、最高というのはそうそうあるものではない。

八本歯のコル分岐

09:43
ここにも八本歯のコルへの分岐。

特に何か特徴のある地点ではないけど、この時間にここに到着しましたよ、ということで備忘録的に写真を撮っておいた。



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